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南極氷河の下に大空洞!

カテゴリ: 科学、自然 公開日:2019年02月06日(水)

南極氷河の下に大空洞!

南極大陸西側にあるスウェイツ氷河の下に、マンハッタンの3分の2程の広さで、深さがおよそ300mもある大空洞が発見されました。これまでの観測では過去3年間でここまで大きくなり、140億トンの氷が解けたことになるそうです。スウェイツ氷河では氷と岩盤との間に隙間が存在し、ここに海水が下から流れ込んで氷河を溶かしているのではないかと推測されています。スウェイツ氷河はフロリダ州とほぼ同じ面積で、地球の海面上昇の約4%を担っていますから、万が一すべてが溶けてしまうと、地球の海面は約61cm上昇する計算になります。地球温暖化の間接的な影響とも考えられるので、温暖化を本気で止めないといけないのではないでしょうか!下記はスウェイツ氷河の位置です。

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月面着陸を果たした宇宙飛行士は何人?

カテゴリ: 科学、自然 公開日:2019年02月04日(月)

月面着陸を果たした宇宙飛行士は何人?

2月8日(金)に、アポロ11号の苦難に満ちたミッションを抱え、人類ではじめて月面に降り立ったニール・アームストロングの半生を描く映画【ファーストト・マン】が上映されます。月面着陸に関係する映画はこれまで3作ありました。①有人宇宙飛行計画マーキュリー計画において、アメリカで初めて宇宙飛行士になった7人の男たち“マーキュリーセブン”の挑戦と孤高のパイロットの姿を描き、今なお傑作として語り継がれている作品【ライトスタッフ】、②ロケットの発射角度から着陸地点の割り出しに至るまで、宇宙飛行に必要な膨大な計算を人間自身が行っていた当初のマーキュリー計画で、低賃金で駆り出された数学が得意な3人の黒人女性たちを描いた【ドリーム】、③ミッションは成功せず、NASAのクルーたちによるチームワークにより、宇宙飛行士たちを無事に帰還させる経緯を描いた【アポロ13】です。いずれも月面着陸のシーンはありませんから、今回の【ファーストト・マン】が初めてになります。そもそも、月面への道は1957年にソ連が世界初の人工衛星スプートニク1号の打ち上げに成功したことに始まりました。ソ連に国土を観察され、いつ核爆弾を落とされてもおかしくないと感じたアメリカは、宇宙開発に本腰を入れるため、1958年にNASAを創設し、ソ連に先んじて人類を宇宙へと送るべく“マーキュリー計画”を始動するのですが、ソ連は1961年4月にガガーリンの乗るボストーク1号で、有人飛行を成功させ、またしても先を越されてしまいます。プライドを大きく傷つけられたアメリカは、マーキュリー計画に加え、月面着陸の技術開発を目的とした“ジェミニ計画”、そして実際に月へと降り立つ“アポロ計画”に本腰を入れたのです。アポロ有人探査機のうち、月周回軌道に乗ったのは8号、10号、11号、12号、14号、15号、16号、17号で、それぞれ3人の宇宙飛行士が乗っていました。そして、着陸が行われたのは11号以降で、それぞれ2名の飛行士が月面に降り立ちました。従って、月面には合計12人のアメリカ人宇宙飛行士たちが到達したことになります。それぞれのアポロに搭乗した飛行士の方々は次の通りです。(青色が着陸した飛行士です)
アポロ8号  : フランク・ボーマン 、ジェームズ・ラベル、ウィリアム・アンダース
アポロ10号 : トーマス・スタッフォード、ジョン・ヤング、ユージン・サーナン
アポロ11号 : ニール・アームストロングエドウィン・オルドリンマイケル・コリンズ
アポロ12号 : チャールズ・コンラッドアラン・ビーンリチャード・ゴードン
アポロ14号 : アラン・シェパードエドガー・ミッチェルスチュアート・ルーサ
アポロ15号 : デビッド・スコットジェームズ・アーウィンアルフレッド・ウォーデン
アポロ16号 : ジョン・ヤングチャールズ・デュークトーマス・マッティングリー
アポロ17号 : ユージン・サーナンハリソン・シュミットロナルド・エバンズ
(着陸できなかった6人の飛行士たちは可哀想な気がします。)

北極の極渦(きょくうず)と大寒波!

カテゴリ: 科学、自然 公開日:2019年02月02日(土)

北極の極渦(きょくうず)と大寒波!

今年1月にアメリカ中西部を襲った大寒波は体感温度がマイナス60度に迫る勢いでした。毎年冬になると、北極点では「極渦(きょくうず)」という、成層圏まで達する非常に冷たい空気を溜め込んだ渦が発生します。その渦が何らかの理由で崩れると北極圏外に流れ出し、ジェット気流の軌道を変えます。昨年は欧州に流れ込み「東からの獣」と呼ばれた大寒波をもたらしました。今年は1月3日に極渦が崩壊し、ジェット気流がアメリカ中西部に大寒波をもたらしたのです。何故極渦が崩壊するのかについて、はっきりした原因はわかっていませんが、地球温暖化との関係について気象学会では議論が盛んに行われています。例えば、北極圏にぽっかりとできた黒い海面が反射率の高い氷よりも多く熱を吸収てホットスポットを生み出し、その気候変動によるジェット気流の変動と合わさり、極渦の崩壊を招いているという説があります。さらに、アメリカ海洋大気庁は、地球温暖化による海水温の上昇で蒸気が増え寒波をもたらす画像を公開しています。早く原因をつきとめて、対策をたててほしいところですが、「大気」はさまざまな要素が絡み合ったシステムなので、傾向を予測することは難しいらしいです。



 

2018年・人類の宇宙での活動!

カテゴリ: 科学、自然 公開日:2019年01月19日(土)

2018年・人類の宇宙での活動!
人類の宇宙での活動は毎年行われていますが、2018年はこれまで同様様々な進展がありました。少し振り返っておきましょう!
○ NASA:
・2018年に2020年から月ステーション計画を本格始動させ、2025年にはクルーメンバーを月へ送ることを発表しました。
・ボイジャー2号が星間空間に到達しました。これから未知の世界に進出します。
・New Horizonが太陽風の届く範囲「ヘリポーズ」に到達しました。太陽に最接近です。
・太陽系で最遠の天体Farout(ファーアウト)」を発見、おそらく氷の世界だそうです。
・ORISIS-RExが小惑星ベンヌで水野痕跡を検知しました。今後着陸予定です。
・太陽系内外で4,600もの惑星を見つけ、トラブルに見舞われては復活したりして、ドラマの多かったケプラーがついに燃料切れとなり、凍える
 宇宙の一部となりました。ありがとう、ケプラー!
探査機「インサイト」は無事に着地し、火星から画像を届けています。
○ 日本:
・はやぶさ2が小惑星リュウグウに到着しました。本番の着陸は今年の2月の予定です。
。JAXAが史上最小の衛星打ち上げロケットを実現しました。
○ 中国:
中国初の民間ロケット打ち上げに成功しました。
・はじめて月の裏面へ向けて、中国の探査機「嫦娥4号」が飛び立ちました。2019年1月に無地到着しています。
○ 民間企業:
・イーロン・マスクのSpaceXによるファルコン・ヘビー打ち上げは、YouTube史上2番目の320万人が視聴という記録を樹立しまし
 た。荷重として先端に乗せたロードスターはNASAが天体として登録することになりましたが、今どこにいるのでしょうか?
・Amazonのジェフ・ベゾスCEOが計画中の弾道飛行チケットは最安でも2000万円だそうです。
・ニュージーランドから新たな民間ロケット「Electron」が商業打ち上げに成功しました。
・SpaceXの新プロジェクト「Starlink」が7518個の人工衛星打ち上げとインターネット運用の許可が下りましたので、やがて世界
 が衛星ネット回線で繋がります!


冬の知床半島の名物・流氷!

カテゴリ: 科学、自然 公開日:2019年01月08日(火)

冬の知床半島の名物・流氷!

毎年1月になるとサハリン北東部で発生した流氷が知床半島まで押し寄せてきます。完全に氷結すると海の上を歩くことも出来ます。様々な旅行会社が稼ぎ時と、流氷見学ツアーを企画しています。個人的にはまだ見たことがないので、いずれ行ってみたいと思います。知床半島は緯度として44度程度でフランスの中部位ですから、何故流氷が発生するのか不思議に感じませんか?北半球で流氷が発生する最南端にいることに自然のめぐみすら感じます。では何故オホーツク海で流氷が発生するのでしょうか?答えは3つの要素が関係しています。

① 図のようにオホーツク海は至宝を陸地と島(千島列島)で囲まれていて、まるで巨大な湖の様な地形です。太平洋と千島列島で隔てられていることが大きいのです。

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② サハリンの北東部にあるアムール川から淡水がオホーツク海に流れ込みます。閉ざされた海なので淡水と海水が混ざり合うことはありません。海面から浅い所と深い所ところで塩分濃度が違う現象が起きます。海面から50mぐらいのところが境界水深だそうです。一般的に、真水は0℃で凍りますが,塩分を含む海水が凍るのは-1.8℃です。しかし、オホーツク海の上層は塩分が薄いので、普通の海水よりも早く凍り始めることが重要なのです。
③ この時期にシベリアから吹き寄せる寒気が益々流氷を育み、そして南下させるのです。
これら3つの要素が一つでも欠けると現在の様な流氷は出来ないそうです。自然とはなんと偉大であることを痛感しますね!

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雲は地上に落ちないのか?

カテゴリ: 科学、自然 公開日:2018年12月30日(日)

雲は地上に落ちないのか?

毎日空を見上げると, 大抵雲が優雅に浮かんでいるように見えます。もちろん雨雲は雨となって地上に降ってきて、時には大災害を起こす厄介者です。雨雲以外の雲は気圧の配置によって異なりますが、一般的に偏西風に乗って西から東の方向に移動して、やがて見えなくなり地上に落ちる気配を見せません。雲も重量があるのでおちないのは不思議だと思っていたら理由がわかりました。実は落下してはいるのですが、雲の粒は直径が0.02ミリメートルととても小さく、その落下速度は秒速約1センチメートルなのです。雲が地上から1000メートルの上空にあるとすると、地上に到達するのに約28時間かかることになります。この長時間の間に雲は太陽光にあたって蒸発することもあるでしょうし、雲の下にある上昇気流によって再び吹き上げられてしまうこともあります。さらに雲は同じ場所に28時間も留まっていることはありません。そんな理由が相まって、雲は全く落ちないように見えるのです。

 

 

地震規模の表示方法!

カテゴリ: 科学、自然 公開日:2018年12月27日(木)

地震規模の表示方法!

地震規模を表示する方法としてよく知られているのは「震度」と「マグニチュード」です。その他に「ガル」と「カイン」があるのですが、TVなどの報道ではあまり引用されていません。「震度」、「ガル」、「カイン」は地震の大きさを表しますが、「マグニチュード」は地震そのものの規模を表します。強さは計測場所で変動しますが規模の「マグニチュード」の数値は変わりません。
「震度」を計測するために日本全国に計測震度計があり、そこから自動的に計算された計測速度から換算して気象庁が震度の大きさを発表しています。震度の階級は0~7までですが、5と6に弱と強を加えているので10段階になっています。この表現方法は日本独自のものであり、周辺国以外では使用されていません。
「ガル」は地震の加速度を表します。ジェットコースターなどに乗ったときに体に感じる圧迫感などを「○G(ジー)」といいますが、あのGもガルです。
「カイン」は地震動の最大速度で一秒間にどれだけ変位するかを表す単位です。1カインは1秒間に1cm動いたことを意味します。「ガル」と「カイン」の関係について補足すると、「ガル」はガリレオ・ガリレイの頭文字からとったもので、速度が毎秒1cm(1カイン)ずつ速くなる加速状態を1ガルとしています。地上で物体が自由落下するとき、落下する速度は毎秒980カインずつ増していくので、重力の加速度は980ガルとなります。
地震の大きさの指標として、最大加速度を用いることが多かったのですが、最近になって、被害状況が、最大加速度より最大速度のほうがより一致することが経験的に知られるようになり、地震の大きさの尺度として、最大速度(カイン)のほうがよく使われるようになりました。過去の災害の事例を見ても、100カインほどの大きさであった東日本大震災よりも、200~300カインほどの大きさであった阪神・淡路大震災の方が倒壊した家具や建物の下敷きによる圧死が多いという結果でしたので、現在建築業界では耐震設計上の基準として「カイン」を用いています。
震度とガル、カインの目安は次の通りです。
小地震、中震レベル
震度4: 40~110ガル程度、4~10カイン

中地震、強震レベル
震度5弱: 110~240ガル程度、11~20カイン
震度5強: 240~520ガル程度、20~40カイン
大地震、激震レベル
震度6弱: 520~830ガル程度、41~70カイン
震度6強: 830~1500ガル程度、71~99カイン
震度7: 1500以上、100カイン
「マグニチュード」とは地震によって発生したエネルギーの大きさを指す数値ともいわれています。その規模は―2から12までの段階に分かれています。地震の規模は、地下にある断層が割れた面積とずれた大きさに比例していることから、マグニチュードの数値が1増えた場合、地震のエネルギーは31.6倍になり、2増えた場合は、31.6×31.6の約1000倍になります。大まかな目安ですが、M6の場合、長さ約14キロメートルの断層が発生します。M8では約140キロメートルの断層がずれた地震に相当します。万が一、M12の地震が発生した場合は、ずれる断層の長さは14000キロメートルとなり、地球の直径の12800キロメートルを超えることから、地球は真っ二つに割れてしまう計算になります。上限がM12になっている理由がここにあります。



 

日本の梅雨とヒマラヤ山脈!

カテゴリ: 科学、自然 公開日:2018年12月23日(日)

日本の梅雨とヒマラヤ山脈!

毎年6~7月に発生する梅雨のシーズンを何気なく受け止めていますが、その発生理由についてあまり真剣に考えたことがありません。実はジェット気流とヒマラヤ山脈が関係しているのです。毎年冬の時期はヒマラヤ山脈の南側を通過しているジェット気流ですが、春になると北側に移動しヒマラヤ山脈とチベット高原にぶつかって二手に分かれます。北の流れは大気を冷やし、南の流れは大気を暖め、日本の東の海上で再び合流して、梅雨の源となるオホーツク海高気圧をつくり出し前線が発生します。さらに7月後半になると、ジェット気流はヒマラヤ山脈とチベット高原の北だけを通るようになるので、海水温の上昇で勢力を強めた太平洋高気圧がオホーツク海高気圧を北に押しやり、ようやく梅雨は終わります。梅雨期間の長さはジェット気流の強さに影響されるので、来年は天気予報士のコメントをよく聞くようにしましょう!

月の探査競争!

カテゴリ: 科学、自然 公開日:2018年12月12日(水)

 

月の探査競争!

12月8日、中国は月の裏側に着陸する月面探査機「嫦娥4号」を世界で初めて打ち上げました。月の裏側は常に地球の反対を向いている為、直接信号を送れません。そのため、中国は5月に衛星「鵲橋)号」を打ち上げ、探査機と地球の間でデータや指令を中継できるよう月の軌道に投入しています。着陸は来年1月上旬の予定ですが、月の裏側は山が多く地形が険しいので、着陸には遠隔操作の難易度が高まります。これまで裏側に着陸機や探査機が接したことはないので、今回成功すれば、新たな歴史が刻まれます。特に注目されるのは、太陽光があたらない極域に分布するとされる大量の水や氷の存在です、何故なら、飲み水や野菜の栽培、ロケットの燃料としても使えるからです。さらに、核融合発電の燃料となる「ヘリウム3」も豊富にあるかもしれません。この探査機の先に、中国政府は宇宙開発計画に巨額の資金を投じ、2022年までに有人宇宙ステーションを保有することや、最終的に有人月面着陸を実現することを目指しています。
一方、米国のトランプ大統領は昨年末、国際宇宙ステーション(ISS)とは別に、月を周回する新たな宇宙ステーションの建設を指示しました。宇宙飛行士を滞在させて、再び月面に降り立つ構想です。そして、将来的には火星探査の中継基地としても見込んでいます。
日本は2007年、「アポロ以来の大規模探査」と言われた探査機「かぐや」を打ち上げ、地形や地下構造を詳細に調べました。その後、次の計画がなかなか進んでいませんが、中国に先行さされたのこともあり、2021年には月面着陸をめざし、開発費148億円をかけた探査機を打ち上げる予定です。
ロシアやほかの国も黙っていないのではないでしょうか?



タンパク質>ペプチド>アミノ酸!

カテゴリ: 科学、自然 公開日:2018年12月11日(火)

タンパク質>ペプチド>アミノ酸!

炭水化物、脂質と並ぶ人間の三大栄養素で、体内には10万種類以上も存在していると言われるたんぱく質に注目してみました。簡単に表現するとタンパク質はアミノ酸の結合体になります。人間のDNAは2万種類程度なので、そのDNAを設計図としてできる立体構造のタンパク質も2万種類です。しかし、出来上がったタンパク質は「途中で切れる」、「3次構造を作る」、「糖鎖が結合する」、「リン酸化される」などの修飾を受けて、さらに種類を増やすことなどによって10万種類ものタンパク質が出来上がるのだそうです。タンパク質の基はアミノ酸でその数は20種類しかありません。アミノ酸が初めて発見されたのは1806年で、20番目のスレオニンは発見されたのが1935年ですから、20種類を特定するのに100年以上かかっています。もう一つペプチドという名称があります。これはアミノ酸が2~50結合したものを言います。そしてタンパク質はペプチドが2つ以上集合した総称ということになります。さらに、皆さんがよく聞く言葉にコラーゲンがあります。コラーゲンはタンパク質の1種で、人間の身体をつくっているタンパク質の30%を占めています。主にグリシン、プロリン、アラニン、リジンで構成され、これらがつながってできた鎖を3本組み合わせた「三重らせん構造」をしているのが特徴です。20種類のアミノ酸に焦点を当てると、人間の体内で合成できない必須アミノ酸と、合成できる非必須アミノ酸に分けられます。さらに、必須アミノ酸でも35%を占めるアミノ酸を分岐鎖アミノ酸と称します。バリン、ロイシン、イソロイシンの3つですが、役目としては、①・運動によるたんぱく質の分解を防ぐ、②筋たんぱく質の合成を促進する、③中枢性疲労の予防・回復などがあります。それでは各アミノ酸の特徴を見てみましょう。
必須アミノ酸:
ロイシン:身体の筋肉維持に必要なアミノ酸です。成長や肝機能向上に関与し、肝細胞の増殖・分 化を正常に保ちます。たんぱく質の生合成を促進し、筋たんぱく質を維持します。
イソロイシン:身体の筋肉や血液中のヘモグロビンをつくるのに大切なアミノ酸です。成長に関与し、神経機能を助けています。血管の拡張や肝機能向上にも関与しています。
バリン:身体の筋肉をつくるのに大切なアミノ酸です。成長に関与し、肝機能を向上させ、血液中の窒素バランスの調整も行っています。不足すると食欲が低下するため、栄養不良の悪循環が起こります。
リジン:小麦や米など穀類には少ないアミノ酸です。成長に関与し、身体の組織を修復することを助け、肝機能を向上させます。また、脂肪をエネルギーに変えるのに必要なカルニチンという物質の材料になります。
スレオニン:人が体内で全く合成できないアミノ酸です。成長に関与し、脂肪肝を抑制します。魚や鶏肉、肉などに多く含まれています。
トリプトファン:体内でナイアシンになり、脳内神経伝達物質セロトニンやメラトニンの材料となるアミノ酸です。コレステロールや血圧のコントロールに関与しています。
ヒスチジン:体内での合成が遅いアミノ酸で、幼児の場合不足すると湿疹ができてしまう原因となる必須アミノ酸です。成長に関与し、ヘモグロビンや白血球の生産にも関与しています。血液中のヘモグロビンに多く含まれているので、不足すると貧血になることがあります。
メチオニン:身体の中でタンパク質を生成する際に必ずいちばんはじめに必要なアミノ酸です。不足すると、すべてのタンパク質合成に支障が出てしまう重要なアミノ酸です。薬物中毒の解毒に関与し、肝機能を改善します。また、脂肪をエネルギーに変えるときに必要なカルニチンという物質の生合成に関与しています。
フェニルアラニン:脳内神経伝達物質ドーパミンやノルアドレナリン、黒色色素メラニンの材料になるアミノ酸です。血圧の上昇に関与し、鎮痛作用があります。
非必須アミノ酸:
アルギニン:成長期にその合成能力が足りないため、大人では非必須アミノ酸ですが、小児では必須アミノ酸となっています。成長ホルモン、インスリンやグルカゴンの分泌に関与します。
グルタミン:グルタミン酸とアンモニアからつくられます。ストレスなどで足りなくなる場合もあるために準必須アミノ酸といわれます。小腸や免疫細胞のエネルギー源で、消化管粘膜の保護を助けます。血漿中にもっとも多いアミノ酸です。
グリシン:コラーゲンの約3割を占めています。体内では神経伝達物質としても働き、赤血球や胆汁酸抱合体の材料です。睡眠の質に関与し、体内ではセリンやスレオニンからつくられます。
アラニン:体内のほとんどすべてのタンパク質に存在しています。グルタミン酸とピルビン酸からつくられ、様々なエネルギー源となります。アミノ酸の中でいちばんグルコースに変わりやすいアミノ酸です。
セリン:体内でグリシンやグルタミンなどからつくられます。様々な酵素の部分を構成し、タンパク質分解酵素のような多くの酵素の活性中心に存在します。情報伝達に関与し、中枢神経の栄養因子ともなります。
チロシン:体内でフェニルアラニンからつくられます。ドーパミン、ノルアドレナリン、甲状腺ホルモン、黒色色素メラニンなどの原料になります。非必須アミノ酸ですが、チロシンの摂取は必須アミノ酸フェニルアラニンの節約につながります。
システイン:硫黄を含んでいて、身体のタンパク質の立体構造を保つのに大切な役割を果たし、タウリンや、エネルギーをつくるのに大切な補酵素CoAの成分でもあります。
アスパラギン:世界で最初にアスパラガスから発見されたアミノ酸です。アスパラギンの一部は水素結合に関与し、タンパク質の表面では水や他の極性のあるアミノ酸とくっつく性質があります。
プロリン:体内ではグルタミン酸などからつくられます。コラーゲンの材料となり、角質層の保湿に関与し、コラーゲン合成に役立っています。
アスパラギン酸:タンパク質の親水性などで重要な役割を担っています。身体の中に存在する割合としては少ないアミノ酸で、神経伝達に関与しています。食品としては、人口甘味料アスパルテームの原料でもあります。
グルタミン酸:小麦グルテンから発見されたアミノ酸です。アスパラギン酸同様にタンパク質の親水性で重要な役割を果たしています。脳のアンモニア解毒の気質となり、アンモニアのコントロールに関与しています。興奮性神経伝達物質としても働き、GABAやグルタチオンの材料でもあります。タンパク質に話を戻しますが、成人日本人が一日当たり摂取するタンパク質の必要量については次のようになっているそうです。
タンパク質の推定平均必要量(g/kg 体重/日)=0.65(窒素平衡維持量)(g/kg 体重/日)÷0.90(消化率)=0.72(g/kg 体重/日)
この計算式で体重70㎏の人が摂取すべきタンパク質の量は50g/日だそうです。あまりにも少なすぎるように思いますがどうでしょうか?下記は20種のアミノ酸分子構造です。

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