宇宙と太陽系の最後のシナリオ!
カテゴリ: 科学、自然
公開日:2019年03月09日(土)
宇宙と太陽系の最後のシナリオ!
ビッグバンから138億年経った宇宙は今でも膨張し続けているそうです。まだまだ先の話で現実感がないですが、宇宙物理学者たちは宇宙の最後についていろいろ議論を交わしています。代表的なものを見てみましょう。
① ビッグ・フィリーズ:
宇宙がどんどん冷えて、最後はマイナス273度の絶対零度に近づくシナリオです。温度は物質の熱振動をもとにして規定されているので、下限が存在します。絶対零度に近づくということは、熱振動(原子の振動)が小さくなり、エネルギーが限りなく最低に近づいた状態を意味します。宇宙という大空間だけがあるようなイメージでしょうか!
② ビッグ・リップ:
リップは強く引き裂かれることを意味します。宇宙を膨張させているのは、宇宙全体の約71%を占めている暗黒エネルギーだと言われていますが、このまま加速しながら膨張が進行すると、数千億年後には宇宙全体の膨張速度が光速を超えてしまいます。その時宇宙は原子レベルまで引き裂かれ、宇宙は破壊され死に至るシナリオです。
③ ビッグ・クランチ:
クランチは潰れることを意味します。現在、暗黒エネルギーにより宇宙は膨張していますが、仮に、暗黒エネルギーが物質に転化したとしたら、宇宙全体の約24%を占める暗黒マターが、重力を通じて宇宙を収縮させ、最終的には宇宙はまた一つの点の様な領域に収縮されるというシナリオです。
④ サイクリック宇宙:
ビッグ・クランチの後に宇宙はまた、ビッグバンのような出来事が起きて、膨張に転じる可能性があります。つまり、膨張 → 収縮 → 膨張 → 収縮を繰り返すこととで、宇宙が続いていくシナリオです。
太陽系に目を向けてみると、太陽は生まれて約50億年が経ちました。太陽は大きな核融合炉で水素原子核(陽子)をヘリウム原子核に熱核融合してエネルギーを出しています。しかし、水素原子核が枯渇すると核融合は止まります。時期的にはあと50億年後と推定されています。その頃には、太陽が赤色巨星に進化していくので、外層部が膨張して水星から順に飲み込まれていくそうです。
一方、太陽系のある天の川銀河は70億年後には最寄りのアンドロメダ銀河と一体化するそうです。40億年後ぐらいから2つの銀河の衝突が始まるらしく、太陽が赤色巨星になる前に、大きな変化が起きているかもしれません。