センサーが「IoT」を広げ、「AI」を育て、人間の暮らしを豊かにする!
カテゴリ: 科学、自然
公開日:2019年12月06日(金)
センサーが「IoT」を広げ、「AI」を育て、人間の暮らしを豊かにする!
センサーとは、学術的に表現すると、自然現象や人工物の機械的、電磁気的、熱的、音響的、化学的性質あるいはそれらで示される空間情報・時間情報を、何らかの科学的原理を応用して、人間や機械が扱い易い別媒体の信号に置き換える装置のことを指します。
既に、かなり前からセンサーは使用されていて、我々もその名前はよく知っています。
このセンサーがインターネットの普及に伴い、最近は新たなビジネスモデルを作り出し、現代はまさにセンサー競争の時代と言っても良いのではないでしょうか?
センサーの歴史を見ると次の様に分けられます。
過去のセンサーの役割:検知
デジタル時代のセンサーの役割:検知、変換、処理
システム化した現代のセンサーの役割:検知、変換、処理、認識、分析、解釈
現代のセンサーを活用して急速に広がっているのが「IoT」です。これは「Internet of Things」の略称で、日本語では「モノのインターネット」と称しています。家電製品やIT機器、オモチャ、文具、自動車から社会インフラまで様々な分野でセンサーが活用されています。最近良く聞く「コンテクスト・アウェアネス」と言う言葉がありますが、これは、センサーで取得したデータを活用して、コンピュータや、場合によっては人工知能が認識・判断することを言います。現在の「IoT」はまさにこれを応用したものなのです。
「AI」として注目されている人工知能にもセンサーは欠かせません。コンピュータの技術が発達していることで、人工知能は学習すればするほど賢くなることは、一番難しいと言われる囲碁の世界でも証明されています。人工知能を賢くさせるための教材をセンサーが提供しているわけです。
人間の暮らしを豊かにする点については、外出していても、家のエアコンが自動稼働する様なコマーシャルがあること等で、沢山の人が認識しています。
新しい分野では、就業人口が減少して問題になっている農業でもセンサーが威力を発揮しそうです。稲作で最も大事な水管理について、水位などを把握するための水田センサーや自動給水弁といった機器を用いることで、これまで課題となっていた農業の技術伝承やコスト削減の問題を解決できる可能性が出て来ているのです。
さらに、人間の五感を拡張する為に人間の感覚をはるかに超える能力を持つセンサーを実現する技術開発が進んでいます。例えば「聴覚」です。京都大学では多くの音源が混じった音から、特定の音を自在に分離するマイク技術を開発しています。この技術を磨くと騒然とした群衆の中でもひそひそ話を聞き出すことが出来るそうです。補聴器の最大の課題は騒音下での聞き取りですから、このマイクが早期に完成することを期待します。
天の川銀河とアンドロメダ銀河の合体は起こるか?
カテゴリ: 科学、自然
公開日:2019年11月26日(火)
天の川銀河とアンドロメダ銀河の合体は起こるか?
250万光年離れているアンドロメダ銀河は遠いだろか、近いだろうか?と問われたときに、人類の乗り物技術から考えると恐ろしく遠いことになりますが、想像を絶する大きさの宇宙空間を基準に考えると極々近いということになります。
2012年に、NASAのハッブル宇宙望遠鏡はアンドロメダ銀河が39億年後に天の川銀河と衝突する軌道を辿っていることを発見しました。従い、両銀河の合体は起こります!
そのプロセスを追って見ましょう!
① アンドロメダ銀河は時速約40万キロメートルの速度で天の川銀河に接近しています。
② アンドロメダ銀河は望遠鏡を使わずに視認できる唯一の銀河ですが、現在は彼方に輝く小さな光でしかありません。
③ 20億年後に肉眼ではっきり見えるほど大きく夜空に迫ってきます。
④ 37.5億年後には、夜空に大きく広がり、重力による潮汐で天の川銀河は歪み始めます。
⑤ 39億年後には2つの銀河が初めて交錯しますが、銀河はほとんどが宇宙空間なので、2つの銀河の星々が物理的に衝突する可能性はほとんどありません。しかし、接近によって、星間を漂うガスや塵が圧迫されて崩壊し、それらが新たな星になる過程で空は明るく輝きます。
⑥ 40億年後には、いったんお互いをすり抜けた2つの銀河が、遠ざかる時に引き延ばされて、歪みが生じます。
⑦ 51億年後には、2つの銀河はお互いの重力に再び引き寄せられ、夜空には2つの銀河核(巨大に膨れ上がった古い星々の集まり)が現れます。
⑧ 70億年後には、2つの渦巻き銀河核が融合し、1つの巨大な楕円銀河になります。夜空には2つの銀河系の最も古い星々が放つ光が充満します。
⑨ 我らの太陽系は、アンドロメダ銀河が接近してくると、エネルギー不足により太陽が白色矮星に変貌し、金星の軌道上に達するほど膨張します。地球は現在の水星並の灼熱の星になるので地球上の生命は絶滅しています。
健康寿命100年を目指そうと盛り上がっている世の中で、何十億年先の話を語ってもあまり意味がないかも知れませんが、SF小説の如く、壮大なスケールの宇宙に想いを巡らせる喜びの様なものを感じます!
はやぶさ2・地球へ!
カテゴリ: 科学、自然
公開日:2019年11月25日(月)
はやぶさ2・地球へ!
JAXA(宇宙航空研究開発機構)が11月13~19日にかけてリュウグウが遠ざかる画像を公開しました。はやぶさ2は無事にリュウグウでのミッションを終了し、地球に向けて移動を開始したのです。
予定では、2020年12月頃にはやぶさ2は地球に接近し、リュウグウの砂や石が入っているはずのカプセルをオーストラリアの砂漠地帯に放出するのだそうです。これが実現すると、世界の専門家がサンプル獲得に躍起になるのではないでしょうか?
はやぶさ2は地球に帰還しません。放出後は新たな任務を帯びてまた旅立つそうです。
慰労してあげる時もなく、なんとなく可哀想な気がします。
直近の生物大量絶滅はいつだったでしょうか?
カテゴリ: 科学、自然
公開日:2019年11月21日(木)
直近の生物大量絶滅はいつだったでしょうか?
3億年前以降に起こった生物の大量絶滅は11回発生しています。
下記がその推移です。
時期 原因
2億5980万年前 火山活動 海水無酸素化
2億5220万年前 火山活動 海水無酸素化
2億1500万年前 隕石衝突
2億 130万年前 火山活動 海水無酸素化
1億8270万年前 火山活動 海水無酸素化
1億4500万年前 隕石衝突
1億1600万年前 火山活動 海水無酸素化
9420万年前 火山活動 海水無酸素化
6600万年前 隕石衝突 火山活動 海水無酸素化
(恐竜絶滅)
3600万年前 隕石衝突
1160万年前 不明だった!
これらの推移を見るとそれぞれ1000万年以上の差があることが分かりますが、これ程細かく調べられたものだと感心させられます。
直近は1160万年前でしたが、これまでその原因が分かっていませんでした。
今般、日本の海洋研究開発機構などの研究チームが、巨大隕石が海に衝突したのが原因だった可能性があると、20日付の英科学誌で発表しました。
このチームは小笠原諸島・南鳥島沖の水深約5600メートルの海底を掘削し、地層の試料を採取・分析の結果、オスミウムという元素が極めて高い濃度で存在することを発見したのです。オスミウムは隕石や地球のマグマの活動が作るかんらん岩(マグネシウムや鉄のケイ酸塩鉱物)に多く含まれる元素ですが、掘削した地層にかんらん岩は見つかりませんでした。また、このオスミウムには宇宙で生じた時に発生する、中性子の数が異なる同位体が同じ比率で存在すること、さらに、地層の粒子に衝突の痕跡があったことから、隕石衝突が原因であったと判断したそうです。
2億1500万年前に地球に衝突して直径100キロメートルのクレーを発生させた直径3.3~7.8キロメートルの隕石と、オスミウム濃度の高さが類似しているので、この隕石も直径数キロあったのではないかと推測されています。
既に1160万年経っているので、映画のアルマゲドンやディープインパクトの様な事態が近々起きるかも知れません。そのような事態に備えて、早くその対策を世界で確立してほしいところです!
宇宙はどんな形をしているのだろうか?
カテゴリ: 科学、自然
公開日:2019年11月20日(水)
宇宙はどんな形をしているのだろうか?
現在、宇宙物理学者達が掲げている宇宙の形は次の3つが代表的です。
①馬の鞍の様な形をしている開いた宇宙でどんどん広がり両端が交わることがありません。
②直線をまっすぐ伸ばすと、やがて元の場所に戻る様な構造で有限の閉じた宇宙です。
③果てしなく彼方に広がり続ける平坦な宇宙です。
上記の中で③の平坦な宇宙が優勢になっています。
ところが、ある科学者グループが、宇宙誕生の名残とも言われ、宇宙マイクロ波背景放射と称する微弱な放射線を観測するために打ち上げられた人工衛星「プランク」が収集したデータを分析した結果、ひょっとして宇宙はまるいんじゃないかという結論に達したそうです。宇宙がまるいということは閉じられた宇宙と同様で、有限の宇宙ということになります。
この発表を受けて、多くの科学者達が宇宙マイクロ波背景放射は宇宙の質量によってゆがめられている点や、データの統計方法に問題があるなどの指摘をしていますが、これまでの常識を覆す説であることは間違いありません。
今後、この発表の確証を科学者達が検証していくことになりますが、「地球はまるかった」と同じように、やがて、正しかったといった結論に至るかも知れません!
メタネーション技術による二酸化炭素削減への挑戦!
カテゴリ: 科学、自然
公開日:2019年10月22日(火)
メタネーション技術による二酸化炭素削減への挑戦!
新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)は国際石油開発帝石、日立造船と共同で、二酸化炭素(CO2)と水素からメタンを合成するメタネーションの試験設備を完成しました。2019年度末まで各種試験と連続運転を実施して、メタン合成プロセスの最適化などの技術課題の評価や検討を実施します。今回は天然ガス生産時に付随して排出されるCO2十水を電気分解して製造された水素を合成することでメタンを製造しますが、将来的には火力発電所などから排出され、分離・回収したCO2と、水の電気分解などで生成される水素を、触媒を充填した反応容器内で反応させることでメタンを合成する予定です。大規模なメタネーション技術の試みは世界でも初めてということで、今後地球温暖化を阻止するための具体策として注目を集めています。
9月12日が「宇宙の日」であることを知っていますか?
カテゴリ: 科学、自然
公開日:2019年09月17日(火)
9月12日が「宇宙の日」であることを知っていますか?
宇宙についていくつか面白い点を掲載します。
① 何故「宇宙」という訳がついたのか?
英語ではUNIVERSEとかSPACEとかCOSMOSと書きますが、明治維新を迎えて西洋の科学文明が広く取り入れられるようになる
と、当時の英中辞典でUNIVERSEの訳語に「宇宙」があてられました。何故「宇宙」としたかについては定かでありませんが、どうやら
中国語からきているようです。中国では紀元前8世紀~3世紀の春秋時代に宇宙という熟語が登場していました。
道教の祖・荘氏(紀元前369年~紀元前286年)が天空も含めた世界全体を指す言葉として宇宙を使っています。
道(タオ)のありかについて説明する箇所で、「往古來今謂之宙、四方上下謂之宇」と記載しています。四方上下、つまりこの世界の空間全て
を「宇」、往古來今、つまり過去と未来と今、時間全てを「宙」であるとし、「「宇宙」とは時空間の意味であると説いています。
1906年にアインシュタインが扉を開いた現代物理学の原理である相対性理論から、時空原理「ミンコフスキー時空」と通じる概念を
作り上げていたことは凄いと言わざるを得ません。一体どうやって紀元前にこんなことが出来たのでしょうか?
② ビッグバンのサイズは?
ビッグバンによる宇宙誕生は10(-36乗)秒後から10(-34乗)秒後という極めてわずかな時間に、急膨張により起きました。
誕生したとき10(-34乗)センチメートルだった大きさが、なんと10(34乗)倍以上にまで一気に膨れあがり、
直径1センチメートルですが、「無」の状態から比べれば、ものすごい膨張でした。その段階では超高温で素粒子が激しく動き回っているだけで
、原子核さえ生まれることができなかったのです。その後、膨張が続くことで温度が冷えていき、3分後に水素の原子核(陽子1個)のほかにヘリウム(陽子2個と中性子2個)の原子核がつくられたと考えられています。しかし、当時の宇宙はプラズマ(電離)状態で、原子核に捕らわれることなく自由に飛び回っていました。宇宙の膨張がさらに進み、温度が3000度まで下がると、動きの鈍った電子が原子核に捕まってその周囲を回るようになりました。光は電子の持つ電荷に反応するので、電子が原子核に捕まって初めて真っすぐ飛べるようになりました。これがマイクロ波という光の誕生で、この状態を「宇宙の晴れ上がり」と呼ぶそうですが、なんと38万年もかかったのです。
③ 子供達の宇宙についての関心は次の3つだそうです。
「宇宙人はいる?」
「ブラックホールの中に入るとどうなるの?」
「宇宙の果てってどうなってるの?」
大人はこの3つに対する答えを持っていたいと思いますが、何れも答えがありません。
④ 宇宙は一つか?
宇宙物理学者の世界でこのテーマが議論されています。これも正解はないのですが、亡くなられたホーキング博士を含め、現在は複数の宇宙が存在する説が有力らしいです。
現宇宙だけでも膨張し続けていてとてつもない空間なのですが、複数(マルチ)になると我々の想像の範囲を超えてしまいます。各宇宙間の接点がブラックホールだと記述されているSF小説もありますが、結論としては宇宙は謎だらけです!
小惑星2019OK・地球近くを通過!
カテゴリ: 科学、自然
公開日:2019年08月07日(水)
小惑星2019OK・地球近くを通過!
7月25日に100mほどの小惑星2019OKが地球から約6万5000キロメートルの場所を通過したそうです。6万5000キロメートルというのは地球と月の距離の1/6に相当します。この事実が公表されたのは8月2日でした。100メートルレベルの小惑星が地球に落下すると一つの都市全体に甚大な被害をもたらすので「シティ・キラー」と呼ばれています。
ニュースではあまり伝えられませんが、地球には様々な小惑星が来ています。ごく小さいものは大気圏で燃え尽きてしまうので被害には至っていません。1km級以上の惑星についてはほとんどが発見されていますが、シティ・キラー級になると80%は未発見だそうで、合計3万個ほどあると見積もられています。さらに、シティ・キラーが地球に衝突する確率は10万年に1回とされているので、いつ来るかがわかっていません。東京大学木曽観測所の超広視野CMOSカメラ「トモエゴゼン」が観測を始めていて、すでに10m級の地球接近小惑星を発見する成果を上げています。従い、今後発見する確率は飛躍的に上がると思いますが、最後の問題はその小惑星の落下をどのように防ぐかという点です。アルマゲドンのような映画の世界は実現が難しそうなので、どのような対策を立てているのでしょうか?
『自由電子』が金属の特性を創る?
カテゴリ: 科学、自然
公開日:2019年07月31日(水)
『自由電子』が金属の特性を創る?
金属のイメージと言われて想像するのは、①光っていること、②電流を通すこと、③ひんやり冷たいことでしょうか。
様々な金属がありますが、全て原子が規則正しく整列しています。金属の種類によって整列の状態が異なっているだけです。
ここまでは。ほとんどの人が知っているのですが、金属の中を電子がうようよ泳ぎっ廻っていることは余り知られていません。これを『自由電子』と呼びます。別の言い方をすると『自由電子』を持っているのが金属ということになります。
この『自由電子』は金属のイメージである①~③すべてに関わっています。
光は電磁波のことを意味します。電磁波は『自由電子』の集団に出会うと中に入ることが出来ず跳ね返されます。つまり、光が跳ね返されて光がピカピカ光るのです。
金属に電荷がかかると、力を受けた電子は一斉に移動し電流となります。『自由電子』があるために金属は電流を通すのです。
『自由電子』の集団は熱もよく伝えます。体温よりも低温の金属に触ると、指先の熱が速やかに金属内に伝わり、指先の温度が下がります。これが金属に触るとひんやり冷たく感じる理由です。
世の中にはわかっているようで、旨く説明できないことが沢山あり、これもその例だと思います。
リチウムイオン電池から全個体電池へ!
カテゴリ: 科学、自然
公開日:2019年07月23日(火)
リチウムイオン電池から全個体電池へ!