バクテリアががん細胞を完全破壊?
バクテリアががん細胞を完全破壊?
アメリカのコロンビア大学研究チームがすごいことに挑戦しています。
バクテリアを使って完全にがん細胞を破壊しようとしているのです。
鍵はCD47という遺伝子にあります。通常、CD47は健康な細胞にくっついて「私を食べないで」というようなサインを出しているので、死んだ細胞などを食べるマクロファージと呼ばれる免疫細胞から健康な細胞を守っています。ところが、がん細胞が突然変異によってCD47を作り出し、自分自身をマクロファージから逃れさせて成長することがわかっていました。それ故、この偽のCD47を免疫細胞に攻撃させる方法を開発して、臨床試験も始まっていたのですが、攻撃する交代の分子が大きすぎて腫瘍の中に入り込めませんでした。
今回のコロンビア大学は、抗体の代わりにバクテリアを使って攻撃することを試みています。
500万個の非病原性バクテリアに、抗体よりもっと小さな単鎖抗体を生成する遺伝子を注入し、マウスの腫瘍に注射しました。その結果、バクテリアは腫瘍内で大量の単鎖抗体を吐き出し、CD47によるがん細胞の「私を食べないでサイン」のカムフラージュを剥がすことに成功しました。その後、Tリンパ球を活性化させて腫瘍を小さくし、最終的には完全に除去できたのだそうです。
マウスでの成功がそのまま人間に応用できるかどうかはまだわかりませんが、以前掲載した光免疫療法よりすごいことかもしれません。今後の推移に注目しましょう!
ヒマラヤ山脈から氷河が消える?
ヒマラヤ山脈から氷河が消える?
米国のスパイ衛星の観測で驚くべきことがわかりました。
南極と北極に次いで世界第3位の雪と氷の量を誇るヒマラヤ山脈から大量の氷河が消えているのです。
2000年から2016年にかけて、毎年、75億トン,厚さにして43センチの氷が溶け続けました。
17年間で7.3メートルも減ったことになります。
調査は1975年から始まっていましたが、1975年から2000年までの平均温度より、2000年以降は平均で1℃も気温が高くなっていて、氷の消失が2000年までの倍の速度になっているそうです。
総延長2400キロのヒマラヤ山脈は既に全体の25%を消失していますが、このままだと消失速度はさらに上昇し、
ヒマラヤの氷や雪を源とする、インダス川、長江、ガンジス川、ブラマプトラ川といった大河が枯渇する恐れもあります。
水量が減少すると、最低でも8億人が水不足に苦しむことになるそうです。
何としても、化石燃料による排出ガスを大幅に削減して、温暖化を食い止めなければなりません!
デッドゾーン(死の海域)が広がっている!
デッドゾーン(死の海域)が広がっている!
デッドゾーンとは魚が生息できないような低酸素海域のことです。その根本原因は季節的に降る大雨です。アメリカのカリフォルニア州では毎年大雨が降りミシシッピ川の河口辺りにデッドゾーンが発生するのですが、今年は降雨量が多いせいで、観測史上最大の規模に達する見込みだそうです。メキシコ湾の大陸棚に広がるでデッドゾーンの大きさは東京都の10倍にも達すると予測されています。
水量が増えると海中の酸素量は薄まります。酸素の濃度が2ppmを下回ると、移動できるエビ、カニ、魚はすべて逃げ出してしまいます。移動することができず、海底の沈降物の中で暮らしている動物は、ほぼ全滅する可能性があるそうです。さらに問題なのは、大雨で陸地の肥料や下水に含まれる養分がミシシッピ川に流れ込むことです。淡水は海水よりも軽いので、河口から海に出た水は表層近くにたまって循環を妨げるます。養分を多く含む淡水層では藻類が大発生し、この藻類が死んで分解される際に大量の酸素が消費されます。デッドゾーンが増えるとエビや魚がいなくなり、漁業で生計を立てている住民たちが大打撃を受けます。
現在、世界最大のデッドゾーンはヨーロッパのバルト海です。そこでは、漁業が打撃を受けているだけでなく、ほとんどの海洋性動物が生存できない状態になっているそうです。
大量の雨という自然現象を人類が止めることは至難の業なので、アメリカの科学者たちや農業団体が連携を取って、肥料の流失を止めるべくさまざまな対策を試みているそうです。何とかして、デッドゾーンが縮小してくれると良いのですが!
変化する地球の大陸が凄い!
変化する地球の大陸が凄い!
地球が生まれたのが約46億年前です。最初の岩石鉱物は44億年前に登場しました。40億年前に海洋ができ、花崗岩のプレートも誕生しました。それでは、現在人類が暮らす大陸は何時から形成されたかと言うと約30億年前のようです。その後、大陸の移り変わりを見てみましょう!
① 第1次ウル大陸(30億年前):
小規模な大陸で、オールトラリアの面積より小さかったとされています。
② バールバラ大陸(30億年前~25億年前):
大陸は約30億年前に存在し約255億年前に分裂したとされています。
③ 第2次ウル大陸(25億年前):
第1次ウル大陸に他の小大陸が合体することで、第2次ウル大陸となりました。おそらくパール
バラ大陸と合体したのではないでしょうか?
④ アークティカ大陸(25億年前):
シベリア大陸など小型の大陸が合体することで出来たとされています。
⑤ ローレシア(別名ヌーナ)大陸(19億年前):
大陸やプレートが対流するマントルに乗って移動するという理論において、約19億年前に存在し
たとされている大陸です。地球上に初めて誕生した超大陸であるとされていて、現在の北アメリ
カ大陸、グリーンランド、スカンジナビア半島などが含まれていました。
⑥ コロンビア大陸(18億年前~15億年前):
ローンシア大陸、バルティカ大陸、ウクライナ大陸、アマゾニア大陸、オーストラリア大陸などが
含まれていた超大陸です。
⑦ パノティア大陸(15億年前~10億年前):
コロンビア大陸と次の形成されるロディニア大陸を繋ぐ歴史的に考えられていますが、あまり詳
しくわかっていません。
⑧ ロディニア大陸(10億年前~7億年前):
超大陸でしたが約6億年前に、ゴンドワナ大陸、シベリア大陸、ローレシア大陸、バルティカ大
陸に分裂したとされています。
⑨ ゴンドワナ大陸(6億年前~2億5千万年前):
ロディニア大陸が分裂して誕生したとされている大陸です。現在のアフリカ大陸、南アメリカ大陸、
インド亜大陸、南極大陸、オーストラリア大陸、アラビア半島、マダガスカル島等を含んでいたとさ
れています。大陸の変遷史上、最も激しく他の大陸と衝突した大陸でした。
⑩ パンゲア大陸(2億5千万~1億8千万年前):
ゴンドワナ大陸がローレシア大陸にぶつかり、それにバルティカ大陸も衝突してできたとされ、地球上の大陸が一つにまとまった時期とされています。
⑪ ゴンドワナ大陸の再成立と分裂(1億8千年前~現在):
1億8千万年前頃になると、パンゲア大陸は再びローレシア大陸とゴンドワナ大陸に分裂しました。さらに、ゴンドワナ大陸は現在のアフリカ大陸、南アメリカ大陸などを含む西ゴンドワナ大陸と、南極大陸、インド亜大陸、オーストラリア大陸を含む東ゴンドワナ大陸へと分裂しました。その後、西ゴンドワナ大陸はアフリカ大陸と南アメリカ大陸に分裂し、その間に大西洋が成立しました。また、東ゴンドワナ大陸は、インド亜大陸及びマダガスカル島と、南極大陸及びオーストラリア大陸の2つに分裂しました。その後、インド亜大陸とマダガスカル島が分かれ、インド亜大陸はユーラシア大陸に向けて急速に北上を開始しました。 さらに分裂は続きます。南極大陸からオーストラリア大陸が分裂し、北上を始めました。インド亜大陸は北上を続け、およそ4500万年前にユーラシア大陸に衝突し、ヒマラヤ山脈を形成しました。その証拠として、ヒマラヤ山脈の山頂付近には、海洋生物の化石が多数発見されています。また、大西洋は広がり続け、現在の大陸配置が成立したのです。
こうして大陸は1千年以上の時間単位で動いています。次の大陸大移動迄、人類は存続しているでしょうか?
ビッグバンで出来た宇宙は直径1センチメートルだった!
ビッグバンで出来た宇宙は直径1センチメートルだった!
上の図はビッグバンから現在そして宇宙の終焉(?)までを図解しています。
ビッグバンによる宇宙誕生は10(-36乗)秒後から10(-34乗)秒後というわずかな時間に、インフレーション理論により急膨張を起こしました。誕生したとき10(-34乗)センチメートルだった大きさが、なんと10(34乗)倍以上にまで一気に膨れあがったのです。僅か直径1センチメートルですが、「無」の状態から比べれば、超巨大な火の玉でした。この火の玉は超高温で素粒子が激しく動き回っているだけで、原子核さえ生まれることができなかったのです。宇宙の膨張が続くことで温度が冷えていき、3分後に水素の原子核(陽子1個)のほかにヘリウム(陽子2個と中性子2個)の原子核がつくられたと考えられています。しかし、電子が原子核のまわりを回れるほど十分に低くはなかったので、当時の宇宙はプラズマ(電離)状態で、電子はまだ自由に飛び回っていました。宇宙の膨張がさらに進み、温度が3000度まで下がると、動きの鈍った電子が原子核に捕まってその周囲を回るようになりました。光は電子の持つ電荷に反応するので、電子が原子核に捕まって初めて真っすぐ飛べるようになりました。この状態を「宇宙の晴れ上がり」と呼ぶそうですが、なんと38万年もかかったのです。この光が現在宇宙を満たしているマイクロ波です。その後、宇宙に存在する強い力、弱い力、電磁波力、重力が形成され、様々な重元素も生まれ現在に至っています。2020年に着工が予定されているハイパーカミオカンデが完成すると陽子の崩壊が観測される予定です。もし、崩壊が起きることが証明されると、陽子は水素の原子核そのものですから、宇宙の終焉も現実味を帯びることになるそうです。
NGC1097・昨日の復習!
NGC1097・昨日の復習!
昨日。銀河の形について解説しましたが、一つ復習をしてみます。
NGC1097は「ろ座」の方向に約4500万光年反れた位置にあります。比較的近いところにあるので、宇宙物理学者たちの研究材料として有名です。
この銀河の全体画像は次の通りです。
この銀河にはいくつか特徴があります。
直径は約5000光年で、昨日の画像と照らし合わせると棒渦巻銀河であることがわかります。
中心には太陽質量の1億倍もある巨大ブラックホールが潜んでいます。
1992年から2003年の11年間で3つの超新星爆発が観測されました。
さらに、この銀河にはNGC1097ATONGC1097Bという小さい矮小銀河が存在しています。我々の銀河系の様な普通の銀河系には2000億~4000億個の恒星が含まれていますが、
上記の画像のように矮小銀河には数十億個以下の恒星しかありません。
さらに、この銀河の中心部を拡大すると次の画像になります。
その後、詳細な写真観測により、4本の幅の狭い宇宙ジェットが核から放射されていることが明らかになったので、セイファート銀河(活動銀河の1種)であることがわかったのです。この宇宙ジェットに水素原子が含まれていない為、矮小銀河を飲み込んだ残骸と推測されています。上記の2つの矮小銀河もいずれ飲み込まれるのかもしれません。形状は棒渦巻銀河であっって、今まさに活動しているセイファート銀河でもあるとは、銀河が生き物であることを証明するような凄い話ですね!
銀河の話!
銀河の話!
ハッブル宇宙望遠鏡が提供してくれる画像を見て、驚きと興奮のるつぼに放り込まれる我々はまるでブラックホールに引き寄せられているようではありませんか!
宇宙には一体いくつの銀河があるのだろうか?についてはこれまで研究が続けられてきましたし、今でも続いています。これまでの定説では2000億と言われていましたが、最新の調査によると2兆もあるそうです。宇宙は今でも膨張しているので、さらに新たな銀河系が誕生する可能性が高いです。宇宙の膨張を推進するダークエネルギーと膨張させまいと頑張るダークマターの微妙なバランスの中で宇宙は存続していますが、一体いつまで膨張するのか?そして膨張が止まることがあるとすればどうなってしまうのか?について宇宙物理学者たちが様々な仮説を発表していますが、所詮誰もわかっていないのが現状です。
この様な謎に満ちた宇宙ですが、ハッブル宇宙望遠鏡による「ハッブル分類」によると、
銀河の分類は次の通りです。
楕円銀河:
単純な回転楕円体の形をしており、これといった内部構造のない銀河です。扁平率によって細分類されています。一番大きい楕円は長径と短径の比が約10:4です。
渦巻銀河:
中央に回転楕円体の形状をしたバルジという部分があり、その周囲に円盤部(ディスク)をもつ銀河で、ディスクの中には渦状腕が見られます。バルジの大きさで細分類されています。
棒渦巻銀河:
バルジの部分が棒状の構造になっていて、その周囲に渦状腕をもつ銀河です。巻き込み具合によって細分化されています。
レンズ状銀河:
バルジの構造はあるのですが、円盤部が認められない銀河です。
不規則銀河:
異例な変動や活動をしている銀河で、衝突を経て結果的に合体した銀河である触角銀河と星の生成率が通常の10倍に達するスターバースト銀河があります。
触角銀河:
スターバースト銀河:
活動銀河:
中心部から強い電磁波を放射する銀河の総称です。
この中には次の様な銀河があります。
電波銀河:
電磁波のほぼ全ての波長域で放出されているエネルギーの大半を、銀河の中心域から放出しています。画像は近隣の電波銀河ケンタウルス座Aで、赤色は電波、緑色は赤外線、青色はX線です。
クエーサー:
初期宇宙にのみたくさん存在していて、光学ジェットを持っています。
ブレーザー:
活動銀河核から吹き出る宇宙ジェットを進行方向に真正面から見ている天体です。強いX線や、ガンマ線が多量に放出されています。
セイファート銀河:
活動銀河の代表的なもので、1型( スペクトルに広い輝線と狭い輝線の両方を持つもの)と2型(スペクトルに狭い輝線しか持たないもの)に別れます。
銀河についてまとめてみましたが、今後ハッブル宇宙望遠鏡が新たに銀河画像を公開するときは、少なくとも何という銀河なのかは言えるようになっておきましょう!
地球温暖化によりグリーンランド氷床が全て溶けたら?
地球温暖化によりグリーンランド氷床が全て溶けたら?
アメリカ科学アカデミーの機関誌によると、20年前は1年間に500億トンの氷でしたが、2012年には4000億トンの氷が溶けて、現在も年間平均2860億トンの氷が溶けているそうです。グリーンランド氷床の広さは170万平方キロメートルで、アメリカ・テキサス州の約3倍です。また、厚さは最大約3キロメートルに及びます。
グリーンランドと南極の氷床を合わせると、世界の真水の99%以上が含まれています。
南極の氷床も同じように溶けていて、年間平均2520億トンの氷を失っています。
いずれも原因は我々の活動によって生み出される温室効果ガスですが、氷床は熱の93%を吸収するそうです。これでは氷が溶ける速度が速まるのも無理はないでしょう。
すぐに起こることはないのですが、仮にこのまま溶解が進み、グリーンランドの氷床が消失したら、海面は平均約7メートル上昇することになるそうです。海抜7メートルまでの土地が海になってしまうと思えば穏やかではありません。さらに、ありえないことだと思いますが、南極まで全て氷解したら、海面は61メートル以上上昇するらしいので、東京の23区はすべて海になってしまいます。何故なら、23区で一番高い場所は、新宿区戸山二丁目にある箱根山(人造の山)の44.6メートルだからです。
少し話はそれますが、幼少の頃、箱根山の近隣に居住していました。冬は箱根山に雪が降り、竹スキーで楽しんでいたことを思い出します。温暖化が進んだ最近は、竹スキーが出来るほど、箱根山に雪が積もることはほとんどないのでしょう。思い出し小名にとっても子供にとっても大切な、自然との触れ合いを妨げる温暖化には、少し首を引っ込めてほしいものです!
画像はグリーンランド氷床を流れる溶解した水です。
宇宙ってやはり凄い!
宇宙ってやはり凄い!
上記の画像が何かわかりますか?
まず場所ですが、主に南半球で見ることが出来る、化学実験用の炉の形をしている「ろ座」の方向だそうです。
ハッブル宇宙望遠鏡が16年間で撮った約7500点を合成処理した画像です。この画像は「ハッブル・レガシー・フィールド」と名付けられました。
全宇宙が360度に広がる中で、僅か、満月ほどの範囲を映した画像ですが、この中には実に26万5000もの銀河が含まれています。念のために繰り返しますが、恒星の数ではなく、銀河の数です。1つの銀河には数千億の恒星があると考えられていますから、それをもとに恒星の数に換算すれば、兆を超えて京の位に達します。
もう一つ驚くべきことは、この画像の中に133億光年の距離にある銀河も映っているのだそうです。
ビッグバンが起こったとされる138億年から5億年後に誕生した銀河の光を現在見ていることになります。しかし、この銀河の明るさは、人間の目で見える明るさの100億分の1程度なので、肉眼ではわかりません。現在開発が進められていて、2021年3月に打ち上げが予定されている「ジェイムズ・ウェッブ」宇宙望遠鏡なら、もっと詳細な画像が公開されるかもしれません!
何故、地球に大量の水があるのか?
何故、地球に大量の水があるのか?
それは地球が誕生した46億~40億年年前の話しです。50億年前に太陽が出来て、その後太陽の影響で宇宙の塵がぶつかって微惑星が形成されました。そして、微惑星どうしがぶつかって地球が誕生しました。誕生直後の地球はマグマの海と呼ばれる溶岩が一面に広がる状態で、いわゆる火の玉地球でした。その後も、続継する微惑星の衝突の影響で脱ガス化が起こり、地球は冷えて行きました。その結果、数多くの惑星に存在する大量の水分が、地球の温度が下がることで気化状態から液化状態に変わり地球の表面を覆ったのです。
当時の水温は200℃ほどの高温で、外気は二酸化炭素に覆われた温室現象化の状態にありました。初期の海水は酸性だったのですが、地殻を溶かし、アルカリ金属やアルカリ土類金属によって中和しました。実はこの中和が大きかったのです!中和によって大気中の二酸化炭素が海水に吸収され始め、温室効果が抑えられることで海水が現在の様な温度に下がり、水が広く表面を覆う惑星となったのです。この経緯の終焉が40億年前ですが。様々な偶然的要因が絡む奇跡の様な話ですね!