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宇宙の秘密を解き明かしてくれる宇宙望遠鏡群!

カテゴリ: 科学、自然 公開日:2019年02月27日(水)

宇宙の秘密を解き明かしてくれる宇宙望遠鏡群!
アインシュタインの相対性理論やその他人類の科学知識を全て注ぎ込んでも、いまだ未知の世界である宇宙について、たくさんの情報を提供してくれる宇宙望遠鏡に注目が集まっています。地上に設置されている望遠鏡は大気や天候の影響を受けるので、NASA(アメリカ航空宇宙局)が立てた「グレートオブザバトリー」計画に基づいて、1990~2003年にかけて4基の宇宙望遠鏡が打ち上げられました。
① 1990年に打ち上げられたハッブル宇宙望遠鏡:現在も活動中
② 1991年に打ち上げられたコンプトンガンマ線観測衛星:2000年に終了
③ 1999年に打ち上げられたチャンドラX線観測衛星:G冤罪も活動中
④ 2003年に打ち上げられたスピッツァー宇宙望遠鏡:2009年に大幅機能ダウン

 

上記の中で最も貴重な画像情報を提供してくれているのがハッブル宇宙望遠鏡です。可視光から近紫外線の波長を観測する目的で地球から600㎞上空の軌道に打ち上げられました。その後改造や修理が進み、現在は近赤外線行の観測も可能な最高の宇宙望遠鏡です。(画像はハッブル宇宙望遠鏡)

Hubble 01
これまで数々の画像情報を提供してくれて、天文学者達の宇宙起源や構造に関する議論を促進させてくれましたし、ダークマターやダークエネルギー、そしてブラックホールについても、かなり解明できてきました。そう意味で、この宇宙望遠鏡のおかげで宇宙物理学は飛躍的な発展を遂げています。
例えばこれです:

gingashoutotu
この画像は、おおいぬ座の方向約1億1000万光年先の「IC 2163(右)」と「NGC 2207(左)」を捉えたものです。この2つの銀河は数千万年前に衝突が始まったとされ、銀河の衝突合体において初期状態に該当するそうです。現在の2つの「目と瞼」の様な形状では、それぞれの銀河核や渦巻腕がはっきりと区別することが可能です。しかし、これは数千万年かけて徐々に異なる形へと変化していくそうですが、それを見る人類はいるかどうかわかりません。
もう一つはこれです:

elgordo
スペイン語の「エルゴルド」というい愛称がついたこの巨大銀河団「ACT-CL J0102―4915」は、太陽の3000兆倍の質量があり、これまで観測されている銀河団の中で、最も大きく、熱く、そして、X線観測でも最も明るい銀河団とされています。「エルゴルド」は2つの銀河団が高速に衝突したことで形成されたことや、重力を通してのみ物質と影響を及ぼし合う見えない物質のダークマターが周囲に分布されていることも確認されています。一見、シンプルな星々の画像に見えますが、1つ1つが銀河であることを知ると驚くと同時に、宇宙が果てしないことを再確認できます。


このように大活躍のハッブル宇宙望遠鏡ですが、残念ながら2021年に活動を停止することになっています。そして、現在ハッブル宇宙望遠鏡の後継機であり、赤外線観測用宇宙望遠鏡のジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡(JWST)が建造されています。打ち上げ予定は2021年3月30日です。(画像は完成予想図)

James Webb Space Telescope
JWSTの主な任務は、宇宙誕生ビッグバンの約2億年後以降に輝き始めたとされるファーストスターを初観測することだそうです。ファーストスターからの光は赤方偏移により波長が引き延ばされ赤外線に変化すると考えられており、赤外線域で捜索及び観測することによって、ファーストスターを発見することが期待されています。JWSTの主鏡はヘリウム主体で反射鏡の口径は約6.5mにもなり、面積で比較するとハッブル宇宙望遠鏡の7倍以上になります。宇宙誕生初期の星や星雲をとらえるためには非常にエネルギーの小さい赤外線をとらえる必要があり、反射鏡をー220℃にまで冷却しておかなければなりません。従い、地球からみて太陽とは反対側150万kmのラグランジュ点(太陽と地球からの赤外線を同時に遮光できる点)の空間に漂わせるように飛行します。ハッブル宇宙望遠鏡の600kmと異なり150万kmっも離れている為、修理が必要となっても難しいことが欠点かもしれません。また、鏡面は赤外線をよく反射させるため金メッキが施されるので、黄色より波長の短い可視光域は金に吸収され観測できないそうです。


打ちあげられたのちはどんな画像情報が送られてくるのか、天文物理学者たちは期待に胸を膨らませているに違いありません。
ハッブル宇宙望遠鏡が撮った画像は沢山公開されていますが次のURLで一部を見ることが出来ます。

https://natgeo.nikkeibp.co.jp/atcl/gallery/111600040/

はやぶさ2・着陸成功!

カテゴリ: 科学、自然 公開日:2019年02月24日(日)

はやぶさ2・着陸成功!
JAXAが発表したところによると、22日7時48分前にピンポイントタッチダウンに成功し、その後、予定通り上昇に転じました。リュウグウ表面の物質を採取するための弾丸発射の指令が計画通りに出されたことも確認されました。凄いのは、一連のプロセスをはやぶさ2が自分で行ったことです。JAXAの技術力の高さには驚くばかりです。

 

肝心の物質採取が出来たのかどうかはまだ確認されていませんが、採取する物質の目標量は僅か0.1グラムと多くはないのですが、コンテナのの密閉性を前回のはやぶさ2がよりも各段に高めたため、リュウグウの有機物が揮発した物質も採取できる可能性があるそうです。
僅か0.1グラムですが、リュウグウが炭素を多く含むC型小惑星に分類されるため、「太陽系と生命の起源を明らかにできる」可能性があります。何故なら、リュウグウは46億年前の太陽系ができた当時の姿を残している可能性があるからです。

 

はやぶさが小惑星イトカワから持ち帰ったものは、目に見えないほど小さな微粒子(直径10~100ナノメートル)でしたが、世界中の研究者たちが最新の機器を駆使して分析した結果、次の様なことが解ったのです。
① 地球へ落ちてくる隕石が小惑星から飛んできたこと
② イトカワは小天体との衝突を繰り返していたこと
③ 母天体はイトカワの40倍もの大きさだったこと
④ 小惑星の表面が日焼けしていること
⑤ イトカワが風化によって消滅するかもしれないこと
⑥ イトカワの微粒子の表面に40億年以上の歴史をさかのぼることができる模様があること

 

今回は0.1グラムですから、もっと広く、深く解明出来ることがあるのではないでしょうか?

画期的がん治療・光免疫療法の臨床試験開始!

カテゴリ: 科学、自然 公開日:2019年02月23日(土)

画期的がん治療・光免疫療法の臨床試験開始!
2018年11月2日のブログで取り上げた「近赤外光線免疫治療法」(光免疫療法)ですが、食道がんを対象とした臨床試験が国立がん研究センター東病院で開始されます。

 

この治療法は、従来のがん治療法である「外科手術」、「放射線療法」、「化学療法(抗がん剤)」とオプジーボで代表される「免疫療法」と異なり、免疫細胞を傷つけることなく、がん細胞だけを死滅させるものです。

 

また経費面でも優れていて、一回当たり数万円で済むそうです。これから行われる臨床試験が成功すると保険適用への道も開けますので、近い将来がん治療の中心的な療法になると思われます。

 

光免疫療法の詳しい内容については、本サイトのブログの中から雑記(科学・自然)を選び、2018年11月2日のブログ記事を参照してください。

2028年に人類は再び月へ!

カテゴリ: 科学、自然 公開日:2019年02月17日(日)

2028年に人類は再び月へ!

今月14日にNASAのブライデンスタイン長官が人類を再び月面へ送る計画を発表しました。2017年にトランプ大統領が署名した「宇宙政策指令-1」に基づいて、既にアメリカの民間企業と提携し宇宙飛行士を月面に送り込む為の再利用システムの開発計画を発表していますが、今回発表された計画では、2024年に宇宙船のテストを実施し2028年には人類を再び月面に送り届けます。さらに、月の地下に氷の状態で眠っている豊富な水資源を活用した飲料水の生成やエネルギー資源の調達、そして月面滞在実現することまで目的としています。2017年に制定された「宇宙政策指令-1」は月面着陸だけでなく、地球と宇宙のゲートウェイとなる「月周回軌道ステーション」の建設も含まれてていて、完成すれば月への往復だけでなく火星や深宇宙探査への拠点にもなります。これには日本・ヨーロッパ・ロシア・カナダも参加することになっていて、中国を除く大国がそろって参加する大規模な宇宙開発計画なのです。SFの世界が益々身近に感じられるような時代になります!

nasa

アルツハイマー病に関する2つの論文!

カテゴリ: 科学、自然 公開日:2019年02月16日(土)

アルツハイマー病に関する2つの論文!

NPO法人オール・アバウト・サイエンスジャパン代表理事である西川氏が、アルツハイマー病に関し、最近発表された2つの論文の解説をされていますので概略を記載します。

① アルツハイマー病(AD)と歯周病菌の関係:

米国の創薬ベンチャー・Cortexymeが「アルツハイマー病の脳内に存在するP.gingivalis:病気の原因を示す証拠と小分子を用いた治療」という論文を発表し、もし、そこに示された結果が確認されて仮説が正しいとすると、この分野がひっくり返るくらいの大発見と西川氏は指摘しています。このベンチャー企業は歯周病菌P.gingivalisが分泌するタンパク分解酵素Gingipainに着目しました。ADの脳組織と正常の脳組織でGingipainの存在を比較するとAD患者さんは圧倒的に高値を示し、さらに、海馬(長期記憶や空間学習能力に関わる脳の器官)にもGingipainが存在することを指摘しています。ADの一つの引き金は神経細胞内にリン酸化Tauが沈殿することだそうですが、蛋白質分解酵素のGingipainがTauたんぱく質を切断し、リン酸化したTauが沈殿して細胞が死ぬためにADが発症すると論じているのです。並行して、同社はGingipain阻害剤(Cor286,Cor271)も開発していますが、現在、アメリカで治験に使われている阻害剤Cor388の第1相の治験は終わっており、今後始まる第2/3相の治験でどのような結果が出るのか注目したいと西川氏はコメントしています。

② 運動によりアルツハイマー病の症状が改善するメカニズム:

ブラジル・リオデジャネイロ大学、米国コロンビア大学、そしてカナダ西オンタリオ大学の共同チームが(運動と連動するFNDC5/irisinがアルツハイマー病のシナプスの可塑性と記憶を回復させる)という論文を発表しました。運動すると筋肉の膜上に発現しているFNDC分子が切断され、irisinと名付けられた分子が細胞から離れて血中に分泌されることがこれまでの研究で知られていましたが、今回の共同チームは、運動が効果があるなら、irisinがその原因ではないかと着想しました。まず、FNDCが筋肉だけではなくADの主要な病巣である海馬でも強くFNDCが発現してirisinを分泌していることを確認しました。次に進行したAD、初期のAD、そして正常の海馬でのirisin量を調べ、進行性ADで脳内のirisinが著明に低下していること、また患者さんの脳脊髄液中のirisinも著明に低下していることを発見したのです。詳しくは記載しませんが、その後、マウスモデルを用いて実験を重ね、運動とADとの相関関係が分子的に説明されています。今後、人間でも運動で確かにirisinが高まることが証明でき、更には、しっかりした運動メニューができれば、irisinはアルツハイマー病の薬剤として期待できるし、記憶力低下をエクササイズで防ぐことすら出来ることになるかもしれません。現在使われているアリセプト(アルツハイマー型認知症およびレビー小体型認知症の症状進行を抑制する薬で、認知症治療薬の中でも古くから使用されています。)と同じような対症療法になるのだろうと西川氏は期待を込めてコメントしています。

はやぶさ2がリュウグウにタッチダウン着陸!

カテゴリ: 科学、自然 公開日:2019年02月09日(土)

はやぶさ2がリュウグウにタッチダウン着陸!

今月の6日にJAXA(宇宙航空研究開発機構)が、今月22日にはやぶさ2をリュウグウにタッチダウン着陸させることを発表し、記者団に詳細な資料を提供しながら、着陸の一連の流れを説明しました。それによると、現在はやぶさ2はリュウグウの上空20㎞にいて、着陸点についてのデータを取りながら準備を進めています。21日の朝8時ごろ降下を開始し、何度か停止して着陸点の確認をしながら慎重に取り進め、22日の8時ごろに目標点へのタッチダウン着陸を試みます。今回の着陸は長く留まるものではなく、機体下部の筒状の装置が接地した瞬間に弾丸を撃ち込み、舞い上がった砂や岩の破片を採取し、その後小惑星から離れ、1日をかけて上空20kmのホームポジションに戻る予定です。このブログでは、詳細は省きますが、先日の発表会では資料と共に、あたかも目前で行っているような詳細な降下プロセスの説明がありました。その説明によると、成功するかどうかは地上からの遠隔操作なしで、探査機が自律的に降下する上空45mからの次の様なプロセスにかかっているようです。
① 探査機は45mで降下をやめホバリング状態に入り、前もって地上に落としてあるターゲットマーカーを見つける作業に入ります。これがピンポイントタッチダウンという方式です。
② ターゲットマーカーの捕捉状態になったら、そのターゲットマーカーを視野の中心に見据えた状態を維持しながら、高度を8.5メートルまで下げます。
③ 8.5メートルに到達したら、地球方向にアンテナを向けるような姿勢で降りてきた探査機の姿勢を、着陸の為に地形に沿った着陸態勢に変更します。
④ その後、必ず視野の真ん中にターゲットマーカーを維持しながら、8.5mを水平移動で降下し、目標地点にタッチダウン着陸をするのです。

探査機からの通信で状況は常に監視してはいるのでしょうが、よくもこんな事が出来るものだと感心してしまいます!

地球の北極に「極点」が3つあることをご存知ですか?

カテゴリ: 科学、自然 公開日:2019年02月07日(木)

地球の北極に「極点」が3つあることをご存知ですか?

1つ目は地球の自転軸の北端にある、いわゆる北極点です。
2つ目は地球を包み込む磁気圏から考えられる「地磁気北極点」です。地球の中に棒磁石が入っていると想定したときに、磁石の北端と地表が交わる点で、この棒磁石の角度は地軸と少しだけずれています。そのためこの北極点はグリーンランドの北西沖に位置し、過去100年間でわずかしか移動していません。
3つ目はとても敏感な「北磁極」です。これは方位磁石の北をずっと追いかけていくとたどりつく場所です。地球を取り巻く磁力線が真下を向いている場所とも言え、そこでは方位磁石が逆立ちをします。地磁気北極と異なり、北磁極の位置は地下約3000キロより深い外核にある液体の鉄の影響を受けやすく、この液体の流れが磁場を動かし、地上の北磁極が激しく移動する原因となっています。

 

注目されるのは、現在この「北磁極」に異変が起こっていることです。1831年にカナダのヌナブト準州で初めて確認されたこの北磁極は主に北極点の方向に移動し、その距離は過去数十年間で数百キロでした。世界の関係組織がすべて同じ地図で運営できるようにすることを目的として、この様な変化に対応するべく、米海洋大気庁(NOAA)と英地質調査所(BGS)が世界磁気モデルを作成しました。現在、世界磁気モデルは航海や軍用ナビゲーションをはじめ、グーグルやアップルなども採用している需要なモデルです。これまでの北磁極の動きから、5年ごとにモデルは更新されていて、直近では2015年に更新され、次は2020年の予定でした。ところが、昨年1年間で北磁極がシベリア方面に55kmも移動していたことがわかり、今年の2月4日に急遽変更されました。今後、毎年変更しなければならないかもしれませんが、問題は、移動が加速した理由がわかっていないことに加え、北磁極が今後どうなるかを予測するのが難しいことです。過去20~30万年ごとに発生していた、北磁極と南磁極の入れ替わりが起こることを心配する向きもありますが、北磁極が最近おかしな動きを見せているからといって、もうすぐ地磁気が逆転するわけではなさそうです。地磁気が逆転している兆候はありませんし、過去の地質学的記録からすると、発生するとしても、少なくとも数千年はかかると専門家たちはコメントしています。画像は北極です。
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南極氷河の下に大空洞!

カテゴリ: 科学、自然 公開日:2019年02月06日(水)

南極氷河の下に大空洞!

南極大陸西側にあるスウェイツ氷河の下に、マンハッタンの3分の2程の広さで、深さがおよそ300mもある大空洞が発見されました。これまでの観測では過去3年間でここまで大きくなり、140億トンの氷が解けたことになるそうです。スウェイツ氷河では氷と岩盤との間に隙間が存在し、ここに海水が下から流れ込んで氷河を溶かしているのではないかと推測されています。スウェイツ氷河はフロリダ州とほぼ同じ面積で、地球の海面上昇の約4%を担っていますから、万が一すべてが溶けてしまうと、地球の海面は約61cm上昇する計算になります。地球温暖化の間接的な影響とも考えられるので、温暖化を本気で止めないといけないのではないでしょうか!下記はスウェイツ氷河の位置です。

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月面着陸を果たした宇宙飛行士は何人?

カテゴリ: 科学、自然 公開日:2019年02月04日(月)

月面着陸を果たした宇宙飛行士は何人?

2月8日(金)に、アポロ11号の苦難に満ちたミッションを抱え、人類ではじめて月面に降り立ったニール・アームストロングの半生を描く映画【ファーストト・マン】が上映されます。月面着陸に関係する映画はこれまで3作ありました。①有人宇宙飛行計画マーキュリー計画において、アメリカで初めて宇宙飛行士になった7人の男たち“マーキュリーセブン”の挑戦と孤高のパイロットの姿を描き、今なお傑作として語り継がれている作品【ライトスタッフ】、②ロケットの発射角度から着陸地点の割り出しに至るまで、宇宙飛行に必要な膨大な計算を人間自身が行っていた当初のマーキュリー計画で、低賃金で駆り出された数学が得意な3人の黒人女性たちを描いた【ドリーム】、③ミッションは成功せず、NASAのクルーたちによるチームワークにより、宇宙飛行士たちを無事に帰還させる経緯を描いた【アポロ13】です。いずれも月面着陸のシーンはありませんから、今回の【ファーストト・マン】が初めてになります。そもそも、月面への道は1957年にソ連が世界初の人工衛星スプートニク1号の打ち上げに成功したことに始まりました。ソ連に国土を観察され、いつ核爆弾を落とされてもおかしくないと感じたアメリカは、宇宙開発に本腰を入れるため、1958年にNASAを創設し、ソ連に先んじて人類を宇宙へと送るべく“マーキュリー計画”を始動するのですが、ソ連は1961年4月にガガーリンの乗るボストーク1号で、有人飛行を成功させ、またしても先を越されてしまいます。プライドを大きく傷つけられたアメリカは、マーキュリー計画に加え、月面着陸の技術開発を目的とした“ジェミニ計画”、そして実際に月へと降り立つ“アポロ計画”に本腰を入れたのです。アポロ有人探査機のうち、月周回軌道に乗ったのは8号、10号、11号、12号、14号、15号、16号、17号で、それぞれ3人の宇宙飛行士が乗っていました。そして、着陸が行われたのは11号以降で、それぞれ2名の飛行士が月面に降り立ちました。従って、月面には合計12人のアメリカ人宇宙飛行士たちが到達したことになります。それぞれのアポロに搭乗した飛行士の方々は次の通りです。(青色が着陸した飛行士です)
アポロ8号  : フランク・ボーマン 、ジェームズ・ラベル、ウィリアム・アンダース
アポロ10号 : トーマス・スタッフォード、ジョン・ヤング、ユージン・サーナン
アポロ11号 : ニール・アームストロングエドウィン・オルドリンマイケル・コリンズ
アポロ12号 : チャールズ・コンラッドアラン・ビーンリチャード・ゴードン
アポロ14号 : アラン・シェパードエドガー・ミッチェルスチュアート・ルーサ
アポロ15号 : デビッド・スコットジェームズ・アーウィンアルフレッド・ウォーデン
アポロ16号 : ジョン・ヤングチャールズ・デュークトーマス・マッティングリー
アポロ17号 : ユージン・サーナンハリソン・シュミットロナルド・エバンズ
(着陸できなかった6人の飛行士たちは可哀想な気がします。)

北極の極渦(きょくうず)と大寒波!

カテゴリ: 科学、自然 公開日:2019年02月02日(土)

北極の極渦(きょくうず)と大寒波!

今年1月にアメリカ中西部を襲った大寒波は体感温度がマイナス60度に迫る勢いでした。毎年冬になると、北極点では「極渦(きょくうず)」という、成層圏まで達する非常に冷たい空気を溜め込んだ渦が発生します。その渦が何らかの理由で崩れると北極圏外に流れ出し、ジェット気流の軌道を変えます。昨年は欧州に流れ込み「東からの獣」と呼ばれた大寒波をもたらしました。今年は1月3日に極渦が崩壊し、ジェット気流がアメリカ中西部に大寒波をもたらしたのです。何故極渦が崩壊するのかについて、はっきりした原因はわかっていませんが、地球温暖化との関係について気象学会では議論が盛んに行われています。例えば、北極圏にぽっかりとできた黒い海面が反射率の高い氷よりも多く熱を吸収てホットスポットを生み出し、その気候変動によるジェット気流の変動と合わさり、極渦の崩壊を招いているという説があります。さらに、アメリカ海洋大気庁は、地球温暖化による海水温の上昇で蒸気が増え寒波をもたらす画像を公開しています。早く原因をつきとめて、対策をたててほしいところですが、「大気」はさまざまな要素が絡み合ったシステムなので、傾向を予測することは難しいらしいです。