カテゴリ: 科学、自然
公開日:2019年09月17日(火)
9月12日が「宇宙の日」であることを知っていますか?
宇宙についていくつか面白い点を掲載します。
① 何故「宇宙」という訳がついたのか?
英語ではUNIVERSEとかSPACEとかCOSMOSと書きますが、明治維新を迎えて西洋の科学文明が広く取り入れられるようになる
と、当時の英中辞典でUNIVERSEの訳語に「宇宙」があてられました。何故「宇宙」としたかについては定かでありませんが、どうやら
中国語からきているようです。中国では紀元前8世紀~3世紀の春秋時代に宇宙という熟語が登場していました。
道教の祖・荘氏(紀元前369年~紀元前286年)が天空も含めた世界全体を指す言葉として宇宙を使っています。
道(タオ)のありかについて説明する箇所で、「往古來今謂之宙、四方上下謂之宇」と記載しています。四方上下、つまりこの世界の空間全て
を「宇」、往古來今、つまり過去と未来と今、時間全てを「宙」であるとし、「「宇宙」とは時空間の意味であると説いています。
1906年にアインシュタインが扉を開いた現代物理学の原理である相対性理論から、時空原理「ミンコフスキー時空」と通じる概念を
作り上げていたことは凄いと言わざるを得ません。一体どうやって紀元前にこんなことが出来たのでしょうか?
② ビッグバンのサイズは?
ビッグバンによる宇宙誕生は10(-36乗)秒後から10(-34乗)秒後という極めてわずかな時間に、急膨張により起きました。
誕生したとき10(-34乗)センチメートルだった大きさが、なんと10(34乗)倍以上にまで一気に膨れあがり、
直径1センチメートルですが、「無」の状態から比べれば、ものすごい膨張でした。その段階では超高温で素粒子が激しく動き回っているだけで
、原子核さえ生まれることができなかったのです。その後、膨張が続くことで温度が冷えていき、3分後に水素の原子核(陽子1個)のほかにヘリウム(陽子2個と中性子2個)の原子核がつくられたと考えられています。しかし、当時の宇宙はプラズマ(電離)状態で、原子核に捕らわれることなく自由に飛び回っていました。宇宙の膨張がさらに進み、温度が3000度まで下がると、動きの鈍った電子が原子核に捕まってその周囲を回るようになりました。光は電子の持つ電荷に反応するので、電子が原子核に捕まって初めて真っすぐ飛べるようになりました。これがマイクロ波という光の誕生で、この状態を「宇宙の晴れ上がり」と呼ぶそうですが、なんと38万年もかかったのです。
③ 子供達の宇宙についての関心は次の3つだそうです。
「宇宙人はいる?」
「ブラックホールの中に入るとどうなるの?」
「宇宙の果てってどうなってるの?」
大人はこの3つに対する答えを持っていたいと思いますが、何れも答えがありません。
④ 宇宙は一つか?
宇宙物理学者の世界でこのテーマが議論されています。これも正解はないのですが、亡くなられたホーキング博士を含め、現在は複数の宇宙が存在する説が有力らしいです。
現宇宙だけでも膨張し続けていてとてつもない空間なのですが、複数(マルチ)になると我々の想像の範囲を超えてしまいます。各宇宙間の接点がブラックホールだと記述されているSF小説もありますが、結論としては宇宙は謎だらけです!