カテゴリ: 科学、自然
公開日:2019年11月26日(火)
天の川銀河とアンドロメダ銀河の合体は起こるか?
250万光年離れているアンドロメダ銀河は遠いだろか、近いだろうか?と問われたときに、人類の乗り物技術から考えると恐ろしく遠いことになりますが、想像を絶する大きさの宇宙空間を基準に考えると極々近いということになります。
2012年に、NASAのハッブル宇宙望遠鏡はアンドロメダ銀河が39億年後に天の川銀河と衝突する軌道を辿っていることを発見しました。従い、両銀河の合体は起こります!
そのプロセスを追って見ましょう!
① アンドロメダ銀河は時速約40万キロメートルの速度で天の川銀河に接近しています。
② アンドロメダ銀河は望遠鏡を使わずに視認できる唯一の銀河ですが、現在は彼方に輝く小さな光でしかありません。
③ 20億年後に肉眼ではっきり見えるほど大きく夜空に迫ってきます。
④ 37.5億年後には、夜空に大きく広がり、重力による潮汐で天の川銀河は歪み始めます。
⑤ 39億年後には2つの銀河が初めて交錯しますが、銀河はほとんどが宇宙空間なので、2つの銀河の星々が物理的に衝突する可能性はほとんどありません。しかし、接近によって、星間を漂うガスや塵が圧迫されて崩壊し、それらが新たな星になる過程で空は明るく輝きます。
⑥ 40億年後には、いったんお互いをすり抜けた2つの銀河が、遠ざかる時に引き延ばされて、歪みが生じます。
⑦ 51億年後には、2つの銀河はお互いの重力に再び引き寄せられ、夜空には2つの銀河核(巨大に膨れ上がった古い星々の集まり)が現れます。
⑧ 70億年後には、2つの渦巻き銀河核が融合し、1つの巨大な楕円銀河になります。夜空には2つの銀河系の最も古い星々が放つ光が充満します。
⑨ 我らの太陽系は、アンドロメダ銀河が接近してくると、エネルギー不足により太陽が白色矮星に変貌し、金星の軌道上に達するほど膨張します。地球は現在の水星並の灼熱の星になるので地球上の生命は絶滅しています。
健康寿命100年を目指そうと盛り上がっている世の中で、何十億年先の話を語ってもあまり意味がないかも知れませんが、SF小説の如く、壮大なスケールの宇宙に想いを巡らせる喜びの様なものを感じます!