宇宙の秘密を解き明かしてくれる宇宙望遠鏡群!
宇宙の秘密を解き明かしてくれる宇宙望遠鏡群!
アインシュタインの相対性理論やその他人類の科学知識を全て注ぎ込んでも、いまだ未知の世界である宇宙について、たくさんの情報を提供してくれる宇宙望遠鏡に注目が集まっています。地上に設置されている望遠鏡は大気や天候の影響を受けるので、NASA(アメリカ航空宇宙局)が立てた「グレートオブザバトリー」計画に基づいて、1990~2003年にかけて4基の宇宙望遠鏡が打ち上げられました。
① 1990年に打ち上げられたハッブル宇宙望遠鏡:現在も活動中
② 1991年に打ち上げられたコンプトンガンマ線観測衛星:2000年に終了
③ 1999年に打ち上げられたチャンドラX線観測衛星:G冤罪も活動中
④ 2003年に打ち上げられたスピッツァー宇宙望遠鏡:2009年に大幅機能ダウン
上記の中で最も貴重な画像情報を提供してくれているのがハッブル宇宙望遠鏡です。可視光から近紫外線の波長を観測する目的で地球から600㎞上空の軌道に打ち上げられました。その後改造や修理が進み、現在は近赤外線行の観測も可能な最高の宇宙望遠鏡です。(画像はハッブル宇宙望遠鏡)
これまで数々の画像情報を提供してくれて、天文学者達の宇宙起源や構造に関する議論を促進させてくれましたし、ダークマターやダークエネルギー、そしてブラックホールについても、かなり解明できてきました。そう意味で、この宇宙望遠鏡のおかげで宇宙物理学は飛躍的な発展を遂げています。
例えばこれです:
この画像は、おおいぬ座の方向約1億1000万光年先の「IC 2163(右)」と「NGC 2207(左)」を捉えたものです。この2つの銀河は数千万年前に衝突が始まったとされ、銀河の衝突合体において初期状態に該当するそうです。現在の2つの「目と瞼」の様な形状では、それぞれの銀河核や渦巻腕がはっきりと区別することが可能です。しかし、これは数千万年かけて徐々に異なる形へと変化していくそうですが、それを見る人類はいるかどうかわかりません。
もう一つはこれです:
スペイン語の「エルゴルド」というい愛称がついたこの巨大銀河団「ACT-CL J0102―4915」は、太陽の3000兆倍の質量があり、これまで観測されている銀河団の中で、最も大きく、熱く、そして、X線観測でも最も明るい銀河団とされています。「エルゴルド」は2つの銀河団が高速に衝突したことで形成されたことや、重力を通してのみ物質と影響を及ぼし合う見えない物質のダークマターが周囲に分布されていることも確認されています。一見、シンプルな星々の画像に見えますが、1つ1つが銀河であることを知ると驚くと同時に、宇宙が果てしないことを再確認できます。
このように大活躍のハッブル宇宙望遠鏡ですが、残念ながら2021年に活動を停止することになっています。そして、現在ハッブル宇宙望遠鏡の後継機であり、赤外線観測用宇宙望遠鏡のジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡(JWST)が建造されています。打ち上げ予定は2021年3月30日です。(画像は完成予想図)
JWSTの主な任務は、宇宙誕生ビッグバンの約2億年後以降に輝き始めたとされるファーストスターを初観測することだそうです。ファーストスターからの光は赤方偏移により波長が引き延ばされ赤外線に変化すると考えられており、赤外線域で捜索及び観測することによって、ファーストスターを発見することが期待されています。JWSTの主鏡はヘリウム主体で反射鏡の口径は約6.5mにもなり、面積で比較するとハッブル宇宙望遠鏡の7倍以上になります。宇宙誕生初期の星や星雲をとらえるためには非常にエネルギーの小さい赤外線をとらえる必要があり、反射鏡をー220℃にまで冷却しておかなければなりません。従い、地球からみて太陽とは反対側150万kmのラグランジュ点(太陽と地球からの赤外線を同時に遮光できる点)の空間に漂わせるように飛行します。ハッブル宇宙望遠鏡の600kmと異なり150万kmっも離れている為、修理が必要となっても難しいことが欠点かもしれません。また、鏡面は赤外線をよく反射させるため金メッキが施されるので、黄色より波長の短い可視光域は金に吸収され観測できないそうです。
打ちあげられたのちはどんな画像情報が送られてくるのか、天文物理学者たちは期待に胸を膨らませているに違いありません。
ハッブル宇宙望遠鏡が撮った画像は沢山公開されていますが次のURLで一部を見ることが出来ます。