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地球の北極に「極点」が3つあることをご存知ですか?

カテゴリ: 科学、自然 公開日:2019年02月07日(木)

地球の北極に「極点」が3つあることをご存知ですか?

1つ目は地球の自転軸の北端にある、いわゆる北極点です。
2つ目は地球を包み込む磁気圏から考えられる「地磁気北極点」です。地球の中に棒磁石が入っていると想定したときに、磁石の北端と地表が交わる点で、この棒磁石の角度は地軸と少しだけずれています。そのためこの北極点はグリーンランドの北西沖に位置し、過去100年間でわずかしか移動していません。
3つ目はとても敏感な「北磁極」です。これは方位磁石の北をずっと追いかけていくとたどりつく場所です。地球を取り巻く磁力線が真下を向いている場所とも言え、そこでは方位磁石が逆立ちをします。地磁気北極と異なり、北磁極の位置は地下約3000キロより深い外核にある液体の鉄の影響を受けやすく、この液体の流れが磁場を動かし、地上の北磁極が激しく移動する原因となっています。

 

注目されるのは、現在この「北磁極」に異変が起こっていることです。1831年にカナダのヌナブト準州で初めて確認されたこの北磁極は主に北極点の方向に移動し、その距離は過去数十年間で数百キロでした。世界の関係組織がすべて同じ地図で運営できるようにすることを目的として、この様な変化に対応するべく、米海洋大気庁(NOAA)と英地質調査所(BGS)が世界磁気モデルを作成しました。現在、世界磁気モデルは航海や軍用ナビゲーションをはじめ、グーグルやアップルなども採用している需要なモデルです。これまでの北磁極の動きから、5年ごとにモデルは更新されていて、直近では2015年に更新され、次は2020年の予定でした。ところが、昨年1年間で北磁極がシベリア方面に55kmも移動していたことがわかり、今年の2月4日に急遽変更されました。今後、毎年変更しなければならないかもしれませんが、問題は、移動が加速した理由がわかっていないことに加え、北磁極が今後どうなるかを予測するのが難しいことです。過去20~30万年ごとに発生していた、北磁極と南磁極の入れ替わりが起こることを心配する向きもありますが、北磁極が最近おかしな動きを見せているからといって、もうすぐ地磁気が逆転するわけではなさそうです。地磁気が逆転している兆候はありませんし、過去の地質学的記録からすると、発生するとしても、少なくとも数千年はかかると専門家たちはコメントしています。画像は北極です。
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