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鉄と鋼の話!

カテゴリ: 科学、自然 公開日:2020年03月28日(土)

鉄と鋼の話!

原子番号が26の鉄は地球の地核以外で最も多く存在する元素です。
原子番号1は水素で原子核の周りにある電子は1個です。鉄の電子数は26なのです。
鉄までの元素は恒星(太陽)の核融合のよって作られますが、原子番号が鉄より大きい元素は
新星爆発などでしか生じません。
地球に存在する金やプラチナなどは大昔の超新星爆発が太陽系を作った証しなのです。
人類が作った建造物の大半に鋼が使用されているのは、無尽蔵な鉄があったおかげです。
純度100%の鉄は白い金属光沢を放つそうですが、原子核の周りの電子が増えたり減ったりする
イオン化傾向が高いため、大気中でお目にかかることは出来ません。
我々が目にしているのは鋼です。
鉄と鋼の違いは炭素の含有量なのです。
鉄は0.02%未満の炭素を含みます。鋼は0.02%~2%程の炭素を含みます。
鉄は良く錆びると言われますが。鉄の錆は大きく分けて2つあります。
赤錆び:鉄が水や水蒸気と接触すると、鉄は電子が減りプラスイオンになります。
    水では水酸化物イオンというマイナスイオンが出来ます。
    この反応を繰り返すことで、鉄から水分が抜けてFe23という赤錆びになるのです。
黒錆び:赤錆びと同じように酸化されるのですが、赤錆びのようにぼろぼろになりません。
    鉄を高温で熱すると空気中の酸素と反応して表面が黒くなり、Fe34になります。
    この黒錆びはきめが細かく、表面をコーティングするような感じで覆ってくれるのです。
身近な製品で鋼の代表格はステンレス鋼です。
名付け親はイギリスの学者ブレリアン氏でした。
1913年にイギリスで軍の委託により小銃や大砲の地金開発に努力していたブレリアン氏は、
スクラップ置き場で錆びていない鉄片をスクラップの山から発見しました。
それはクロムを13%以上含んだ合金鋼でした。
食卓用のナイフに試作し、ステンレス鋼「Stainless Steel」の愛称をつけ特許を取ったのです。
鉄に添加されたクロムは酸素と結合してステンレスの表面に不動態皮膜という極薄の酸化皮膜を作り、

錆びの発生を防いでいるのです。
この酸化皮膜は厚さ100万分の3mm程度と大変薄いのですが、傷ついても酸素に触れるだけで
再生する優れものです。クロムの含有量を増やせばステンレスの耐食性が高まります。
さらに、酸化皮膜を強化するニッケルを添加することで、より耐食性を向上させることが出来ます。
ステンレス鋼は金属組成的に分けると次の3種類になります。
・マルテンサイト・ステンレス:13クロム系
・フェライト・ステンレス:18クロム系
・オーステナイト・ステンレス:18クロム・8ニッケル系
家庭で最も使われるステンレス鋼はオーステナイト・ステンレスです。