カテゴリ: 科学、自然
公開日:2020年07月16日(木)
線状降水帯!
昔はあまり気象報道で使われていなかった言葉ですが、ここ2~3年は良く耳にします。
特に、今年は多発していて、九州だけでなく各地に被害をもたらしています。
各地で被害に会われた方々にはお見舞いを申し上げます。
線状降水帯は、梅雨前線上に積乱雲が多発する現象です。今年に多数発生している理由をいくつか
挙げてみましょう。
○ 地球温暖化の影響を受けて、インド洋の海温が例年に比べ高く、そのためチベット高気圧が
大陸側から日本海方面まで張り出し、北の冷たい空気を日本方面に送っていることがあります。
○ その影響で、偏西風が蛇行して、例年より西日本側に沿って流れています。
○ 一方、梅雨前線を北に押し上げて夏の到来を担う太平洋高気圧は未だ張り出しパワーが不足して
います。理由は、インド洋の海面水温が平年より高いことで、赤道付近の熱帯太平洋の気圧が
例年より低下したままの状態にあることです。
○ 梅雨前線は北の寒気と南の暖気がぶつかるところで発生しますが、太平洋高気圧が弱いため
北に押し上げられず停滞しているのです。
○ 勢力が弱いといえども停滞している太平洋高気圧は、海面水温の上昇をまねいて、日本に
流れ込む水蒸気の量を増やします。それにより多数の積乱雲が発生し線状降水帯を形成します。
中国でも長江流域各地で洪水が多発しているようで、避難している方々も沢山いるそうです。
元凶は地球温暖化現象といわれていますから、今年だけの問題ではない可能性があります。
日本は国土が狭く、約73%が山地で森林が約66%を占めています。従い、大量の降水量により
河川の氾濫や山地の土砂崩れが発生しやすい地形なのです。河川の周囲や傾斜のきつい斜面の
そばには住まない等、居住環境を抜本的に見直さないとこの大きな課題は解決できないかも
しれません。政府の積極的勝つ迅速な介入が求められています!