2021年第1四半期の補聴器出荷台数!
2021年第1四半期の補聴器出荷台数!
2019年の補聴器出荷台数は待望の60万台を突破し、613,089台に達しましたが、
2020年は新型コロナウイルス出現の影響で落ち込み、563,257台に縮小しました。
2021年第1四半期については、引き続き新型コロナウイルスの影響が出ているせいか、縮小が続いています。
3蜜を避けるために外出自粛が人的交流を妨げていることが主な要因と考えられます。
特にマスクを使用しなければならない環境下、RICタイプを含めた耳掛け型の減少が顕著になっています。
一方で、耳あな型が久しぶりに伸びたことは、外出自粛でも家族との団欒やTV観賞等での補聴器の根強い需要が有ること、
そして、補聴器の形状に対する認識が広がっていることを示唆しているように思われます。
また、米国でじわじわ浸透しているのですが、比較的安価でスマホで簡単調整出来る既製品が日本でも出始め、
少しずつ台数を伸ばしていることに気がつきます。
補聴器の性能向上は日進月歩で進んでいますので、
販売者側の知識や経験が豊富であればかなりの水準で補聴器を使う方の満足度が向上しますが、
一方で、最近国民センターが発表している様に、補聴器に関連したクレームが増えていることも事実なようですから、
経済的な課題から満足度を抑えて安価なものに目が行く方が増えて行くのかもしれません。
この辺の動きについては第2四半期以降の出荷台数に注目したいと思います。
2021年1月~3月の詳細は次の通りです。
2021年 1月~3月(前年比) タイプ別構成比(前年の構成比)
合計 : 135,415( 96.3%)
ポケット型 : 3,729( 98.2%) 2.8% ( 2.7%)
耳かけ型 : 36,187( 80.5%) 26.7% (32.0%)
RIC型 : 47,831( 89.7%) 35.3% (37.9%)
メガネ型 : 125(148.8%) 0.1% ( 0.1%)
耳あな型 : 41,385(127.9%) 30.6% (27.3%)
既成耳あな型: 6,158(101.4%) 4.5% ( 4.3%)
補聴器に関するトラブル増加!
補聴器に関するトラブル増加!
独立行政法人 国民生活センターが2月25日に、近年再び補聴器に関するトラブル相談が増加して来たことを発表しました。
(画像は啓発用のちらし)。
新型コロナウイルス感染の影響で多くの肩が自粛と自宅待機を強いられているせいか、
TVなどの報道情報を入手するために補聴器や集音器の購入に関心を持つ方が増えている様に思います。
最近はイヤホーンでありながら音の環境を選べるものや、集音器でありながら多少の調節が出来るものなど製品の選択肢が増えていますが、過大広告とご本人の期待感に大きな差が起こるケースがあるそうです。
補聴器では性能の向上は日進月歩で進んでいますが、相変わらず必要以上に高いものを買わされたとか、
自分に合った聞こえに調整出来ないといった、販売店側の課題がトラブルにつながっているようです。
さらに、通信販売や訪問販売でのトラブルも増えている様なので、
補聴器は補聴器に詳しい耳鼻科もしくは経験豊富な認定技能者のいる補聴器販売店で相談されることをお勧めします。
2020年第3四半期の補聴器出荷台数!
2020年第3四半期の補聴器出荷台数!
2019年の補聴器出荷台数は待望の60万台を突破し、613,089台に達しました。
2020年に入りコロナ禍の影響で大幅に落ち込み、半年経過した時点で248,727台と
通年でも500,000台を超えられるかわからない状況でした。
今回発表された第3四半期の出荷台数は155,805台と前年同期比95%となって
いますが、通年で500,000台の危機は乗り越えたように思います。
3密は避けつつも外出自粛が薄れてきていますので、コミュニケーション促進のために
補聴器の必要性について見直しの意識も出てくるのではないでしょうか?
残り3ヶ月ですが、出来れば通年で560,000台は超えてほしいと思います。
本サイトで訴えていることは、満足出来る補聴器を購入する秘訣は販売店選びにあると
いうことです。どんな物の販売でも好景気の時は特に問題は発生しないのですが、業績が
落ち込むと店舗運営の観点から販売方式の質が劣化する可能性があります。特に補聴器は
製品のレベルによる価格の幅が広いので、販売店の意向と購入者の意識にギャップがでる
ことが生じ易いのです。本サイトに補聴器販売店選びのコツが記載されていますので、
購入する前にご覧ください(https://www.4133first.com/firstguide/hearing-aid.html)
2020年1月~9月の詳細は次の通りです。
2020年 1月~9月(前年比) タイプ別構成比(前年の構成比)
合計 : 404,532( 87.9%)
ポケット型 : 11,535( 89.9%) 2.9% ( 2.8%)
耳かけ型 : 121,999( 88.9%) 30.2% (29.7%)
RIC型 : 151,995( 85.4%) 37.6% (38.7%)
メガネ型 : 248( 95.8%) 0.1% ( 0.1%)
耳あな型 : 102,889( 89.9%) 25.4% (24.9%)
既成耳あな型: 15,866( 91.0%) 3.9% ( 3.8%)
全てのタイプで前年同期比の落ち込みがみられますが、コロナ禍の影響を一番受けたのが
RIC型でした。耳あな型が多少回復していることが目につきました。
補聴器のリモートケア!
補聴器のリモートケア!
新型コロナウイルスの脅威が補聴器業界にも影響していることは以前ブログで掲載して
います。4月以降3密を避けるために補聴器販売店への訪問が激減したことを重くみた
いくつかのメーカーが、取り扱い販売店と連携して携帯電話やパソコンを経由して
補聴器の調整や点検を行うリモートケアを開始しています。
メーカーによりケアする内容は多少違いがあるようですが、補聴器を使用されている方が
自宅で補聴器の調整などのケアを依頼できるシステムなので、是非活用されることを
お薦めします。但し、すべての販売店で実施しているわけではないので、事前に電話等で
確認してください。
現状リモートケアを実施しているメーカーは次の通りです。
デマント・ジャパン(株)オーティコン補聴器
GNヒアリングジャパン(株)
ソノヴァ・ジャパン(株)
ワイデックス(株)
シバントス(株)
2020年第2四半期の補聴器出荷台数!
2020年第2四半期の補聴器出荷台数!
2019年の補聴器出荷台数は待望の60万台を突破し、2020年は飛躍元年と
期待していましたが、新型コロナウイルスの影響が補聴器業界にも出ています。
ました。第1四半期の出荷台数は2019年同期比で2.9%の落ち込みでしたが
第2四半期(4月~6月)は29.1%の落ち込みとなってしまいました。
新型コロナウイルスで聞こえが改善するわけではないので、本来販売は減少するとは
思えないのですが、補聴器を試聴するときの密接感や、外出自粛で人との会話が少なく
なったことが影響している様に思われます。海外の一部補聴器メーカーではお客様が購入
された以降のアフターケアをリモートで対応するようなソフトや仕組みを構築しています。
外出が減り、社会的な会話の機会が少なくなると、ヘッドホーンやイヤホーンを使用する
傾向が増えるように思います。ヘッドホーンやイヤホーンを長時間、85デシベル以上の
音量で聞き続けると難聴になる傾向がありますから、是非、音量は85デシベル以下にして、
長い時間聞き続けないようにしてください!
1月~6月の数字で注目されるのは耳あな型の落ち込みが激しいことです。
既成耳あな型だけが前年を超えましたが、通信販売で補聴器の露出が増えていますから、
相当数の購入が通信販売に流れて鋳るのかもしれません。補聴器は個々人の状況に応じた
設定や調整が不可欠な医療機器ですから、安物買いの銭失いにならぬよう注意して下さい。
2020年1月~6月の詳細は次の通りです。
2020年 1月~6月(前年比) タイプ別構成比(前年の構成比)
合計 : 248,727( 84.0%)
ポケット型 : 7,004( 84.5%) 2.8% ( 2.8%)
耳かけ型 : 76,573( 86.5%) 30.8% (29.9%)
RIC型 : 94,797( 84.4%) 38.1% (37.9%)
メガネ型 : 147( 86.5%) 0.1% ( 0.1%)
耳あな型 : 59,102( 77.5%) 23.7% (25.8%)
既成耳あな型: 11,104(102.0%) 4.5% ( 3.6%)
【聴こえ】をテーマにした「川柳コンテスト2020」!
【聴こえ】をテーマにした「川柳コンテスト2020」!
埼玉県に本社を構えるアイジャパン(株)様が、3月3日~4月19日にかけて、
【聴こえ】をテーマにした「川柳コンテスト2020」を開催されました。
同社はメガネフレーム・メガネレンズ・コンタクトレンズ・補聴器を取り扱い、埼玉県を中心に42店舗を展開されています。
補聴器については、ワイデックス(株)、 コルチトーン補聴器(株)、 スターキージャパン(株)、
GNヒアリングジャパン(株)、オーティコン補聴器(Audmet(株))の製品を扱っています。
この粋な計らいで1339作品の応募があり、下記の作品がグランプリや入選になりました。
グランプリ:補聴器は 最初最低 今最高
準グランプリ:初孫と 宇宙語通信 交信中
入選:孫の声 急いで補聴器 スイッチON
入選:『補聴器』と 孫が書き足す 旅リスト
入選:なぜだろう 旦那の声だけ 聞こえない
入選:さる年の 母は時々 耳ふさぐ
入選:かわいいね やっと聴こえた 愛猫(ネコ)の声
どの作品もユーモアがあり、生活感がにじみ出ていて、素晴らしい作品だと思います。
補聴器が身近なものであることを一般の方に知ってもらうために、もっと大規模な
お題【聴こえ】の川柳大会に広がると良いのではないでしょうか?
2020年第一四半期の補聴器出荷台数!
2020年第一四半期の補聴器出荷台数!
2019年の補聴器出荷台数は待望の60万台を突破しました。
先日公表された2020年の第一四半期の出荷台数は、さらなる飛躍が期待されて
いましたが、残念ながら前年比97.9%と減少してしまいました。
原因は補聴器自体への関心が低下したわけではなく、現在世界中を震撼させている、
新型コロナウイルスの影響が大きいように思われます。
詳細は下記のとおりですが、いくつか気づいた点がありますので掲載します。
1. RICタイプの耳かけ型がさらに比率を伸ばしています。第一四半期は38.6%
ですが、2020年通年では40%を超えることが推測されます。各メーカーが
ハイブリッドタイプではなく、完全充電式RICを販売したことが後押し要因です。
2. 耳あな型がさらに減少し23.0%になってしまいました。20年ほど前は60%を
超える構成比率でしたから、隔世の感があります。台数の数字はまだ低いのですが、
既製品の耳あな型が前年比5.8%増加しています。耳に挿入するのが楽なことと、
ある程度製品の性能が上がっていることが原因のように思われます。
アメリカで準備が水面下で進んでいる補聴器のOTC販売に向けて、
様々なメーカーが製品開発に動き出しているのかもしれません。
3. 補聴器の調整ソフト水準が上がっているため、補聴器を取り扱う販売店は増加傾向に
あると推測されます。しかし、全体の販売量が下がり、販売単価も下がっていますので、
お客様の聞こえを重視するか、販売金額と台数を重視するかの課題が
発生するかもしれません。
【初めての補聴器】サイトで幾度となく指摘しているのですが、満足できる補聴器を
手に入れる最大のポイントは、販売店選びであることを再度認識してください。
詳細は次の通りです。
2020年 1月~3月(前年比) タイプ別構成比(前年の構成比)
合計 : 140,571( 97.9%)
ポケット型 : 3,797( 93.5%) 2.7% ( 2.8%)
耳かけ型 : 44、040( 98.9%) 31.3% (31.0%)
RIC型 : 54,210(105.1%) 38.6% (35.9%)
メガネ型 : 84(123.5%) 0.1% ( 0.1%)
耳あな型 : 32,368( 85.8%) 23.0% (26.3%)
既成耳あな型: 6,072(105.8%) 4.3% ( 4.0%)
待望の60万台越えで、2020年は補聴器飛躍の年になりそう!
待望の60万台越えで、2020年は補聴器飛躍の年になりそう!
先日、日本補聴器工業会が2019年1月~12月の補聴器出荷台数を発表し、2019年1年間の出荷台数が、長らく望まれていた60万台を超えました。「明るく楽しく補聴器をつける時代の到来」を目指している本サイトでも、四半期ごとの状況と期待を掲載してきましたので、60万台到達に少しはお役に立てたのではと思っています。
2019年と2018年を比較して見ると、いくつか目立つ現象があります。
① 2018年に比べて、2019年は4.8%の増加が見られました。世界的な年間伸び率は2~3%と言われていますが、日本で4.8%の伸びというのは極希な出来事です。長く伸び悩んできた補聴器が多くの方に認められ始めたサインかも知れません。本サイトだけでご紹介している「補聴器購入・必携バイブル」のご注文が増えていることがその裏付けだと感じます。
② しかしながら、製品タイプを見ると、伸びているのはRICタイプの耳かけ型と既製品の耳あな型だけで、その他は前年割れです。大幅に増加したRICタイプは軽量・こもり感フリー・充電池が受け入れられた主な理由ですが、2020年以降も益々主役の座に座り続ける可能性大です。
③ 既製品の耳あな型の総台数や伸び率はまだ微々たるものですが、本サイトの補聴器最新情報ブログで、2019年3月17日及び2020年1月9日に掲載しましたとおり、米国で補聴器のOTC販売(既製品販売)が承認され、現在FDA(補聴器も管轄する食品・医薬品管理局)が実施の為の準備を進めており、遅くとも2021年には具体化する見込みです。世界の補聴器メーカーもその流れに対応する準備が水面下で進んでいると推測されます。日本には補聴器の通信販売市場が既に存在しますので、様々なメーカーがそのルートで既製品の補聴器(集音器ではない)の試験販売をする可能性があります。2020年の出荷台数はこのタイプに注目です。
④ 充電式補聴器が認められ始めています。耳あな型には使用できないので、全体としてはまだ大きなシェアではありませんが、RICタイプだけで見ると少なくとも30%は超えているように思います。やがて主流になることは間違いないでしょう。
⑤ 2019年に補聴器台数が伸びた理由はいくつかありますが、補聴器を使う方々の立場で考えると、次の様な要因が考えられます。
・デジタルやパソコンに抵抗感が無い団塊の世代が、補聴器を使用する時期になっていること
・認知症やおたふく風邪等との関連性が報道され、一般的に聞こえの重要性が認識されてきたこと
・補聴器の性能が飛躍的に向上していること
・歌手が着けているイヤモニターやワイヤレス・イヤホンなど、耳に機材を挿入する抵抗感が無くなってきたこと
・同様に、見たり眺めたりする側にも抵抗感が無くなっていること
詳細は次の通りです。
2019年 1月~12月(前年比) タイプ別シェア(前年シェア)
合計 : 613,089(104.8%)
ポケット型 : 17,391( 87.3%) 2.8% ( 3.4%)
耳かけ型 : 186,001( 99.6%) 38.5% (34.0%)
RIC型 : 235,880(118.7%) 30.3% (31.9%)
メガネ型 : 319( 91.9%) 0.1% ( 0.1%)
耳あな型 : 149,717( 95.8%) 24.4% (26.7%)
既成耳あな型: 23,779(102.3%) 3.9% ( 3.9%)
「明るく楽しく補聴器をつける時代の到来」を目指している本サイトは、2020年も中立な立場で、最新の補聴器情報やブログを掲載し、補聴器が眼鏡と同じくらい補聴器が必需品であることを認識してもらえるよう努めていきます!
日本の通信販売・集音器市場はどれくらい?
日本の通信販売・集音器市場はどれくらい?
日本の補聴器市場の規模を現わす統計資料は四半期ごとに日本補聴器工業会が発表するしかありません。それによると2019年1月~12月で待望の60万台に到達しそうです。
この数字を基に補聴器使用率を計算すると日本人は約13%しか補聴器を使用していないことになり、欧米諸国に比べて以上に低いと言われていて、補聴器業界の最大課題の一つになっています。しかし、他の国には無い形態として、日本には集音器(一部は補聴器)の通信販売市場(以下通販市場)があります。ところが、この通販市場については、統計資料が全くないので販売台数規模が全く判っていないのです。数社の補聴器メーカーが直接・間接的に通販市場に製品を出しているのは判っていますが、何台出しているかの申告が無いようで、数字としてははっきりわかりません。そのような状況下、YAHOOニュースの広告にSHOP JAPANが掲載している「楽ちんヒアリング」という充電式集音器が出ていました。実は、この広告内容に集音器(一部補聴器)の通販市場規模を推測するヒントがあったのです。
年末にこの広告を見たときは、2013年5月1日~2019年7月31日までの期間で100万台が売れたと書いてありました。一方、昨日同じ広告を見たら、期間が変わっていて、2017年3月1日~2019年8月31日の間、4分に1台の販売実績と誇らしげに書いてありました。後者の実績が本当だとすると、この集音器だけで年間約13万台販売されていることになります。既存の通信販売業者に加え、最近はアマゾン、YAHOO、楽天などの業者も盛んに集音器(一部補聴器)を販売リストに掲載しています。どの業者も掲載していることはある程度販売できていることの証明でもあります。以前バーナフォンに勤めていた時代に、名前は控えますが、某通信販売者の方にこの市場規模について伺ったことがあり、その時点で年間2百万台以上と言われていました。当時、補聴器の出荷台数が年間50万台の前半だった状況下、その数字の大きさに驚き、逆に補聴器はこれから大きく伸びる可能性があると感じたものです。これらの情報を総合すると、日本の通販・集音器(一部補聴器)市場は2百万台をはるかに超えている可能性が高く、多くの日本人が聞こえの問題を感じて実際に行動を起こしていることになります!
「楽ちんヒアリング」は中国製の耳かけ型集音器で、充電式、軽量小型、低価格が特徴の様です。1月1日9:59分までがキャンペーン期間で、1台が通常14860円(税抜き)を9900円、2台が通常29720円(税抜き)を17820円で販売しているので、販売台数がさらに増えていることが想像できます。
補聴器と集音器の違いについてお復習いをしておくと、補聴器は厚生労働省管轄の、薬事法に基づいた医療機器で、消費税がかかりません。さらに、厳格な審査による製造販売業の許可が義務付けられていて、販売するときは製品表示の際に許可番号を掲載しなければなりません。集音器は経済産業省の管轄で、薬事法とは関係のない、いわゆる物販の範疇ですから消費税がかかります。
性能の違いで比較すると、最近の補聴器はほとんどがデジタル製品になっています。デジタル製品の最大の利点は使用する方の聴力を補聴器にデータとして送り込み、それから補聴器の状態を設定することにあります。別の言い方をすると、使う方の聞こえの状態に補聴器の状態を合わせることが出来ると言うことです。
一方の集音器は大半が軽度難聴を対象とすると断りを入れてますが、出荷するメーカーや販売業者が一番普遍的と思う音量を設定して出荷します。出荷後の音量調節は全体を上げたり下げたりするだけです。言い換えると、使用する方が、集音器に設定された音量に自分の聞こえを合わせなければならないと言うことですが、耳にそのような調節機能は備わっていません。低い音だけが、または、高い音だけが聞こえづらい方等、聞こえは千差万別なので、十分な満足度を得る確率は極めて低いように思います。
集音器と比較した時の補聴器の課題はいくつかありますが、集音器の販売が多いことからすると価格が大きな課題だと思います。この点については最大の補聴器販売国であるアメリカに大きな動きがあります。これまで補聴器のOTC販売(薬局などを経由するいわゆる既製品販売)はご法度だったのですが、議会がOTC販売を認める決定を下し、現在FDA(食品・医薬品管理局)がOTC販売の規則や方法について検討をしています。順調に検討が進めば、今年の後半~来年の前半にOTC販売の全容が見えてくるでしょう。OTC販売がアメリカで動き出すと、その流れは日本にもすぐにやってきますから、集音器ではなく補聴器をOTCでも通販でももっと安く買える様になるのではないでしょうか?但し、OTC販売や通販は購入後の補聴器調整に限界があるはずなので、優秀な補聴器販売店の存在は欠かせず、逆に存在価値が高まる可能性を秘めています。
2019第3四半期・補聴器出荷台数!
2019第3四半期・補聴器出荷台数!
日本補聴器工業会が2019年第3四半期の補聴器出荷台数を発表しました。
本サイトは「明るく楽しく補聴器をつける時代の到来」を目指しています。その第一歩として今年中に60万台の出荷を期待していることは、既にお伝えしてきました。
2019年第3四半期のトピックスが2つあります。
① 第3四半期終了段階での総出荷台数が460,196台になり、このまま販売が継続すると2019年は待望の60万台を超える目処が立ちました。補聴器の購入に消費税はかかりませんので、9月末に特需があったとは思えないのが理由です。
② 312サイズの電池を使用する小型のRIC耳かけ補聴器が全体の35.8%を占め、圧倒的にNo.1の製品になりました。耳あな型全てよりも多い出荷台数です。充電式の浸透が後押ししているとみられますが、この傾向はさらに加速するように思います。
詳細は次の通りです。
2019年 第3四半期(前年比) 1~9月(前年比)
合計 : 163,925(112%) 460,196(106%)
ポケット型 : 4,533(94%) 12,826(88%)
耳かけ型 : 48,593(98%) 137,156(99%)
RIC型 : 65,740(133%) 178,082(122%)
メガネ型 : 89(97%) 259(104%)
耳あな型 : 38141(103%) 114,444(98%)
既成耳あな型: 6,829(129%) 17,429(100%)