待望の60万台越えで、2020年は補聴器飛躍の年になりそう!
待望の60万台越えで、2020年は補聴器飛躍の年になりそう!
先日、日本補聴器工業会が2019年1月~12月の補聴器出荷台数を発表し、2019年1年間の出荷台数が、長らく望まれていた60万台を超えました。「明るく楽しく補聴器をつける時代の到来」を目指している本サイトでも、四半期ごとの状況と期待を掲載してきましたので、60万台到達に少しはお役に立てたのではと思っています。
2019年と2018年を比較して見ると、いくつか目立つ現象があります。
① 2018年に比べて、2019年は4.8%の増加が見られました。世界的な年間伸び率は2~3%と言われていますが、日本で4.8%の伸びというのは極希な出来事です。長く伸び悩んできた補聴器が多くの方に認められ始めたサインかも知れません。本サイトだけでご紹介している「補聴器購入・必携バイブル」のご注文が増えていることがその裏付けだと感じます。
② しかしながら、製品タイプを見ると、伸びているのはRICタイプの耳かけ型と既製品の耳あな型だけで、その他は前年割れです。大幅に増加したRICタイプは軽量・こもり感フリー・充電池が受け入れられた主な理由ですが、2020年以降も益々主役の座に座り続ける可能性大です。
③ 既製品の耳あな型の総台数や伸び率はまだ微々たるものですが、本サイトの補聴器最新情報ブログで、2019年3月17日及び2020年1月9日に掲載しましたとおり、米国で補聴器のOTC販売(既製品販売)が承認され、現在FDA(補聴器も管轄する食品・医薬品管理局)が実施の為の準備を進めており、遅くとも2021年には具体化する見込みです。世界の補聴器メーカーもその流れに対応する準備が水面下で進んでいると推測されます。日本には補聴器の通信販売市場が既に存在しますので、様々なメーカーがそのルートで既製品の補聴器(集音器ではない)の試験販売をする可能性があります。2020年の出荷台数はこのタイプに注目です。
④ 充電式補聴器が認められ始めています。耳あな型には使用できないので、全体としてはまだ大きなシェアではありませんが、RICタイプだけで見ると少なくとも30%は超えているように思います。やがて主流になることは間違いないでしょう。
⑤ 2019年に補聴器台数が伸びた理由はいくつかありますが、補聴器を使う方々の立場で考えると、次の様な要因が考えられます。
・デジタルやパソコンに抵抗感が無い団塊の世代が、補聴器を使用する時期になっていること
・認知症やおたふく風邪等との関連性が報道され、一般的に聞こえの重要性が認識されてきたこと
・補聴器の性能が飛躍的に向上していること
・歌手が着けているイヤモニターやワイヤレス・イヤホンなど、耳に機材を挿入する抵抗感が無くなってきたこと
・同様に、見たり眺めたりする側にも抵抗感が無くなっていること
詳細は次の通りです。
2019年 1月~12月(前年比) タイプ別シェア(前年シェア)
合計 : 613,089(104.8%)
ポケット型 : 17,391( 87.3%) 2.8% ( 3.4%)
耳かけ型 : 186,001( 99.6%) 38.5% (34.0%)
RIC型 : 235,880(118.7%) 30.3% (31.9%)
メガネ型 : 319( 91.9%) 0.1% ( 0.1%)
耳あな型 : 149,717( 95.8%) 24.4% (26.7%)
既成耳あな型: 23,779(102.3%) 3.9% ( 3.9%)
「明るく楽しく補聴器をつける時代の到来」を目指している本サイトは、2020年も中立な立場で、最新の補聴器情報やブログを掲載し、補聴器が眼鏡と同じくらい補聴器が必需品であることを認識してもらえるよう努めていきます!