奥州平泉!
奥州平泉!
平泉の町を歩くとここは極楽浄土をこの世に実現した町ではないかと思えてきます。
平安時代に、豊富な産出量を誇る金山をバックにした経済力と巧みな政治的能力で京都との関係を良好に保った奥州藤原氏は、
東北の地にまさにこの世の浄土かと見まがう町を実現させたのです。
奥州藤原氏初代藤原清衡が建立した国宝にもなっている中尊寺金色堂は浄土教建築の代表的な例ですが、
まさにその名の通り堂は総金箔張りで黄金色に輝き、阿弥陀堂建築であるとともに奥州藤原氏の墓堂でもあります。
奥州藤原氏二代基衡が造った毛越寺は度重なる戦や火事で当時の建物はありませんが、極楽浄土をこの世に再現した浄土庭園には
今も周囲の木々や池と共に、落ち着きと静けさを備えた美しさがあります。
このスケールの大きさはより広い開かれた宗教的空間の中に包まれるような心地良さを感じさせます。
奥州藤原氏が生まれるにあたっても多くの親族の血が流され、心の平穏を強く求める気持ちがあったのでしょう。
無量光院は奥州藤原氏三代秀衡が京都の平等院を模して造ったものです。
当時はきらびやかな寺院でしたが今は度重なる火災でその跡が残るのみなのです。しかし実際にその地に立つと、
その上手くデザインされた池や中島、背後の金鶏山、そして太陽や空と共にこの世の極楽浄土にいるような感覚を覚えました。
奥州藤原氏の栄華も約百年をもって源頼朝によって終わりを告げるのですが、
残された歴史的遺産は大きく今も燦然と黄金のように輝いています。
何故東京タワーは高さ333mで赤色なのか?
何故東京タワーは高さ333mで赤色なのか?
世界遺産で一番高いタワーがパリのエッフェル塔で高さが324mだから、それを超えた覚えやすい数字にした。
赤いのは東京タワーが鉄塔なので赤い防錆塗料を塗る必要があるからと答える人は多いのではないでしょうか?
真実は全く違います。
昭和33年12月23日は平成天皇の25歳のお誕生日で、この日に完成した東京タワーは鏡、玉、剣によって構成される
皇位のシンボル「三種の神器」そのものを表わした塔だそうです。
形が“剣”、放送局からの電波を反射して八方に拡散させる役割としての“鏡”、そして、昼はその巨大さで太陽の如く地上に君臨し、
夜はライトアップされて月のごとく優しくわれわれを見守るという性質としての“玉”を表わしているのです。
赤色に塗られているのは防錆塗料だからではありません。
航空法で定められた色を使っています。航空法第51条に60m以上の高さがある塔は昼間障害標識を設置することが求められ、
その色が、赤色、もしくはインターナショナルオレンジと白の塗り分けなのです。
東京タワーはインターナショナルオレンジと白を採用して、画像の如く地上150mの大展望台の上からインターナショナルオレンジと白を7等分に塗り分けているのです。
スカイツリーは藍色ですから昼間障害標識色ではありません。
航空法を元に具体的なルールを定める航空方施行規則で高光度航空障害灯(赤色や白色の電灯)があれば良いことになっっています。
現在の東京タワーは夜間にネオン装飾を披露していますから、高光度航空障害灯も切歯しているのではないでしょうか?
喫茶店の思い出!
喫茶店の思い出!
若い頃から喫茶店で時間を過ごすのが好きだった。
日々の日常がとても忙しく目が回る様な時も、ほんの少しの時間を割いて喫茶店で美味しいコーヒ―を飲んで音楽を聴いていると心がゆったりとして和んで行くのを感じたものだ。仕事前のほんの一瞬を気合付けとも言える濃いエスプレッソを一気に飲んで出勤するのは毎日の行事でもあった。あるいは雨の日にぽかっと出来た暇な時間をゆったりと新聞や雑誌を見て過ごしたり、買ったばかりの本を読み始めたり気が付いたら結構な時間が流れていたりしていた。
昨今のコロナ禍でそういう時間も減りもっぱら家でゆっくりと本を読み音楽を聴き美味しいコーヒーをいれて飲むようになった。それはそれでいいのだが、住んでいる場所やよく行く場所にあるお気に入りの喫茶店はその空間が心をほっとさせ、日常からほんの少し遠ざけてくれる感覚に欠ける。
小さい頃遊んだ自分の基地みたいなものである。
インベーダ―ゲームが置いてある店や、焼きサンドが美味しい店もあった。さらに、お店のママが飾るお花がいつも素敵な店、
コーヒーカップが様々で一つ一つあれで飲んでみたいと思わせる店、近所の人がエスプレッソを立ち飲みしてお喋りに忙しい店もあった。
記憶を辿ると、どの店もその街のたたずまいと雰囲気そしてその活気をさえ蘇ってくる。
2030年を見据えて国連が定めたSDG‘sに潜むリスク!
2030年を見据えて国連が定めたSDG‘sに潜むリスク!
SDG‘sは17目標がある。以前掲載したので繰り返しになるが、認識を深めるために再度掲載する。
① 貧困を無くそう。
② 飢餓をゼロに。
③ すべての人に健康と福祉を。
④ 質の高い教育をみんなに。
⑤ ジェンダー平等を実現しよう。
⑥ 安全な水とトイレを世界中に。
⑦ エネルギーをみんなにそしてクリーンに。
⑧ 働きがいも経済成長も。
⑨ 産業と技術革新の基盤を作ろう。
⑩ 人や国の不平等を無くそう
⑪ 住み続けられるまちづくりを。
⑫ つくる責任、つかう責任。
⑬ 気候変動に具体的な対策を。
⑭ 海の豊かさを守ろう。
⑮ 陸の豊かさを守ろう。
⑯ 平和と公正をすべての人に。
⑰ パートナーシップで目標を達成しよう。
実に良く考えられた目標である。特に地球温暖化、水や食料危機、そして、プラスチック染は現実に直面している問題である。
一方、2030年までに飛躍的に進歩するであろうゲノムテクノロジーやAIはSDG‘s達成の鍵を握っていると同時に大きな問題も抱えている。
今回はゲノムテクノロジーに焦点を当てて、キーポイントをまとめてみた。
○ 塩基:A(アデニン)、G(グアニン)、C(シトシン)、T(チミン)の組み合わせで成り立っている。
○ 人の塩基配列は数十億個。
○ ゲノム編集の新技術は2020年にノーベル化学賞が授与されたクリスパー・キャス9。
乳酸菌などが持つ特殊なたんぱく質は特定の配列を見つけ出し、その部分を切断する能力を持つ。
これに新たな配列を注入するとゲノムの書き換えが可能。
○ キメラとは異なる生物類の遺伝情報を持つ細胞が混ざった混合体、例えば人と猿。
○ デザイナーベビーとは親が子どもに望む特徴を持たせて出来る子。
○ ゲノム解析コストが100億円から1万円に。2030年にはヒトゲノム解析コストは限りなくゼロに。
○ 世界レベルでの倫理問題が存在する。
○ 1997年のユネスコ「ヒトゲノムと人類に関する世界宣言」第1条に【ヒトゲノムは人類の遺産】と記載されている。
言い換えると人類の財産であり、管理する責任があるということ。
○ ホーキング博士の予測では「ゲノム編集は、優れた遺伝子を持つ者と持たない者に人類を分断する可能性がある」。
○ 行動遺伝学によると、こころの成り立ちは遺伝率+共有環境+非共有環境。
○ パーソナリティでは約50%、知能では約70%が遺伝率。
○ 2030年はD.I.Y(do it yourself)でゲノム編集が出来る時代。
○ ゲノムテクノロジーについての議論で必要なことは①感染症対策②遺伝性疾患③炭素隔離
個々のキーポイントについての解説はしないが、是非各ポイントについて考えてみてほしい。
たった8年先の2030年に目標達成度が相当上がると同時に危機も増大していることを認識すべきである。
大晦日・黒豆!
大晦日・黒豆!
今年最後の日となりました。昨夜からお煮しめやなますを作ったり、今朝は昨晩つけておいた黒豆をことことと煮始めました。
子供のころに母が忙しく台所で正月の準備をする姿を見てから今に至るまで、お正月は特別な日、大晦日はそれを迎える準備の
最後の日というわけで、迎える準備の象徴的なものが私にとって、黒豆を煮るということのように感じます。
レシピには様々なものがあり毎年決まったレシピでやるわけではなく、豆を煮るという簡単に見えることでも作業の手順も色々で、
その色々を楽しんで毎年やっています。
大忙しの大晦日もあればのんびりした大晦日もあります。その時々を楽しんで黒豆を煮ます。
黒豆を煮ればお正月がやってくるというパブロフの犬状態です。
大晦日といえば忘れられないのが永平寺の大晦日です。ずいぶん昔のことですが父と、雪の降る中永平寺に行ったことがあります。
たくさんの若いお坊さんたちが広い寺を忙しく立ち働き、真剣な表情で走り回っている姿が今も目に焼き付いています。
そこは多くの修行をする人たちが生きる場で、彼らもまた特別のお正月を迎えるため、その準備に余念がなかったのでしょう。
ブエノスアイレスのマリア!
ブエノスアイレスのマリア!
アストル ピアソラ生誕100周年に当たる今年の12月22日夜にピアソラと詩人オラシオ フェレールの最高傑作オペレッタ
(小さなオペラ)が、座・高円寺2で上演されました。
バンドネオン、ヴァイオリンをはじめとする楽器11人、歌手2人、朗読1人、それとは別に群読するのは世界チャンピオンを含んだ
5人のアルゼンチンタンゴダンサー達。すべてスペイン語での上演なので日本語字幕がスクリーンにあらわれます。
目で追えるスピードということで意訳になっていますが原語での上演の雰囲気はそのままに字幕で内容の理解を助けるという手法です。
内容は難解です。“田舎から出てきたマリアがやがて地獄に落ちて死んでしまうが、その影は街をさまよい続けやがて身ごもる” マリアが生んだものは一体何だったのか。どうやらマリアはタンゴそのものという風にとらえられるのではないかということのようです。
詩の内容も象徴的で難しいのですが、あとは感覚で理解を補うということなのでしょうか。
1時間35分の上演時間の間、ある時は音楽に、ある時は歌に、ある時は言葉に、ある時はダンスに、そしてある時は全てが重なりあってとてつもなく大きなエネルギーになり、その中に引き込まれて行く体験をしました。
観客に大きな感動を与え拍手は鳴りやまずスタンディングオベーションで称える人々もいました。
日本レコード大賞受賞曲から選ぶ昭和の名曲ベスト3!
日本レコード大賞受賞曲から選ぶ昭和の名曲ベスト3!
株式会社CMサイトが30~60代の男女7384名から入手した回答を集計した結果、
昭和(1959年~1989年)のベスト3は、
1位ルビーの指輪(1005票)、
2位喝采(530票)、
3位DESIRE(506票)となったそうです。
圧倒的な1位のルビーの指輪は個人的にはあまり聞いたことがないのでものすごく意外な感じがします。
自分なりのベスト3は次の様にないます。
1位 シクラメンのかほり
2位 また会う日まで
3位 襟裳岬
最近の歌は歌詞が何を言っているのか分からないものが多く魅力を感じませんが、時代の移り変わりについて行けていないのか、
感性が劣化しているのか、自分に疑問も感じます。
クリスマス!
クリスマス!
師走ともなるとすっかり寒くなって、暖かいコートに中ボアのブーツをはいて首元にマフラーを巻いていても夜になると風は冷たく体も冷えてきます。
そんな時にそこここで目を楽しませてくれるクリスマスイルミネーション。
大崎で見た目黒川沿いのピンクのイルミネーションは、“もうすぐ春になって暖かくなれば桜の花も咲きますよ”というメッセージのように見えます。
ライトニングが川面に映りとても幻想的です。
新宿はサザンテラスのイルミネーションが毎年綺麗です。今年は高島屋の外壁を飾る華やかなイルミネーションは見当たりませんでしたが、
それでも美しい色合いの光が寒い体を温めて心をほっとさせてくれました。
原宿の表参道は現代的なセンスの光るブランド店のウインドーを楽しみながら、カルティエのクリスマスツリーを見に行きました。
残念ながら昼間なので光の美しさは見ることができませんでしたが、シンプルで素敵なツリ―を見ることができました。
![]() |
![]() |
コロナ禍のさなか少し控えめではありますが、かえって落ち着いた雰囲気の東京のクリスマスです。
ローガン山!
ローガン山!
北米で一番高い山と言えば6193mのデナリ山「旧マッキンリー山」ですが、カナダにもでかい山があります。
その名はローガン山で5959mの高さです。
米国のアラスカ州に近いですが、カナダのユーコン準州にそびえています。
この場所はクルニア国立公園の保護区域に定められていますが、グリーンランドを覗くと世界最大のクルニア氷原がローガン山を守っていて見ることも行くことも簡単ではありません。
この山は5000m以上の頂が11個もある世界最大の山麓を誇ります。
ヒマラヤに世界第3位のカンチェンジュンガ山が5つの頂を持ち雄大な感じなのですが、
ローガン山はそれより規模が大きい山塊と言えるでしょう。
5000mを超える場所は極寒で、夏は約0度、冬は約-45度、年間平均で約-27度ですから、
私などはとても行こうという気がしません。
面白いと思うのは、ローガン山が現在も造山活動が続いていることです。
5959mは1992年の測量結果ですから現在は6000mを超えているかもしれません。
さらに将来北米で一番高い山になる可能性も秘めているのです。
ヘラクレスの塔!
ヘラクレスの塔!
スペインの最北西部に位置するガリシア州は大西洋とカンタブリア海に面し、年間を通して穏やかな気候で最寒月でも摂氏8度以下になることは少ない。
入り江の多い複雑な海岸線でも知られ、リアス式海岸の語源となったのがこの地域である。「リアス」とはガリシア語あるいはカスティーリャ語(スペイン語)での入り江(リア)の複数形なのである。
ガリシア州の大西洋岸にア・コルーニャ県があり大西洋に着き出したような半島にヘラクレスの搭が鎮座している。北部の英国やフランス、そして北米向けにも中継基地の様な位置にあり港町として過去は相当繁栄していたようである。
ヘラクレスの搭は高さが55mありそれだけでも立派な搭であるが、塔が立っている半島の画海面から57mあるので、会場で眺めると112mもある堂々とした塔に見える。
![]() |
![]() |
![]() |
ごく最近はGPSが普及して灯台の明かりを船の位置確認に利用する頻度は減ったようだが、現在も灯台としての役目を果たしている。
いつ建設されたのかは諸説あってはっきりしないが、最もありそうな話としてはBC62年にシーザーが訪れたときにこの地を
「ブリガンティウム」を名付けて港を建設した。
重要な港であったため、灯台エルクレスの塔が建てられたと言うものである。ローマ時代のものとしては現存する唯一の灯台でもある。
記録としては、トラヤヌス(在位98年―117年)の時代に建設、あるいはもしかすると再建されたと残っている。
元々建設された塔は3層の34mであった。大昔なので照明が廻っていたとは思えないが、
1788~1791にかけて21メートルの4層目を含む改築が行われ現在に至っている。
ア・コルーニャの紋章も町にある色々名お店も塔(TORRE)を店名に付けていて、
県民がヘラクレスの塔を愛し、誇りに思っていることがよくわかる。
塔といえば東京にも2つの塔(タワー)があるが、東京の住民はスカイツリーよりも東京タワーに対する想いの方が強いのではないか?
尚、ヘラクレスの塔を含め世界遺産の塔は沢山あるが、一番高いのはパリのエッフェル塔(324m)である。