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免疫システムと免疫力アップの生活習慣!

カテゴリ: 健康 公開日:2020年07月13日(月)

免疫システムと免疫力アップの生活習慣!

新型コロナウイルス感染数に振り回されている現状、治療薬やワクチン開発に関心が

集まっていますが、一方で免疫力の注目度も上がっています。

人間の免疫システムのついて最低限知っておくべき内容を掲載します。

・人間の免疫システムは主に2つの仕組みで成り立っています。
1.自然免疫:常に体内を監視し、侵入する外敵(細胞やウイルス)に対していち早く

   攻撃態勢を整えます。次のような細胞があります。

   樹状細胞:外敵の情報をリンパ球に伝えます。

   マクロファージ:体内に侵入した細菌などの異物を食べる能力に優れていて、
食べた細菌を消化・殺菌することで、細菌感染を防いでいます。

また、取り込んだ異物の情報を後述のT細胞に伝えることができ、
より強力な獲得免疫を誘導します。

   顆粒球:「好中球」「好酸球」「好塩基球」から成り、比較的大きな病原菌を

 飲み込んで殺滅します。

NK細胞:体内では1兆個の細胞ができるなかで、遺伝的に出来そこないの

外敵細胞が5000個も含まれているそうです。それを見つけ出して

除去し、外から入ってきた異物を真っ先に叩くリンパ球の一種です。

自然免疫の中で外敵除去に大きな存在感があります。

 2.獲得免疫:自然免疫では勝てないときに働きます。代表はB細胞とT細胞です。

   B細胞:リンパ球の一種で、主に細菌やウイルスなど、小型の外敵に対抗します。

  T細胞:リンパ球の一種で、がんなどを攻撃する免疫の主力細胞です。

      強力な殺傷能力を有する「キラーT細胞」、それを活性化させる

      「ヘルパーT細胞」、攻撃をストップさせる「サプレッサーT細胞」など、

さまざまな種類が確認されていて、各々連携をとりながら、多彩な攻撃を

展開します。

 

まとめると、免疫システムは体内に侵入した外敵に対し、まず自然免疫が攻撃を仕掛け、

それでも撃退できない場合は獲得免疫が出動するという、2段構えを講じています。

両者は密接な連携プレーであらゆる状況に対応します。

 

免疫力アップの生活習慣にはどのようなものがあるのでしょうか?

2つの免疫システムが常に機能していれば問題はあまり無いのですが、残念ながら、

自然免疫は獲得免疫のように強固ではないのです。NK細胞の活性はピークが20歳で、

歳と共に減少していく報告もあるそうです。いわゆる「免疫力が落ちる」というのは、
このように自然免疫の活性が弱まった状態を指します。従って、常日頃から自然免疫を

強くしておく必要があるのです。

   唾液の分泌:

唾液中に含まれる抗菌・殺菌作用のあるペルオキシターゼという酵素は、物質を
酸化させる力が強く、細胞内の遺伝子を傷つけ、がん化する原因をつくる活性酸素を

中和する働きを持っています。唾液の分泌に大事なのは、よく噛んで食べることです。

   キノコ類:
積極的に摂取したいのはきのこ類です。きのこ類に含まれる多糖体のβ-グルカンは

NK細胞を活性化し、ウイルスに対して抵抗性があると言われています。

さらに、きのこ類は不溶性の食物繊維が多いため、便通が改善されやすくなり、
腸をキレイにする効果もあって、免疫力アップにつながります。

   ファイトケミカル:
野菜や果物などに含まれる色素、香り、苦みなどの成分である植物性化学物質です。
免疫細胞のマクロファージを活性化し、さらに抗酸化作用もあります。特に抗酸化力が
強いと言われているのが、ブロッコリーの中に含まれるスルフォラファンです。

   ビタミンC:
ビタミンCは、マクロファージやNK細胞を活性化する効果があります。ブロッコリー

の茎に豊富に含まれているので、薄く切ったり、茹でたりするのがおすすめです。

○ 腸内環境の整備:
腸は臓器の中でもっとも長く、約9mもあります。そして小腸と大腸を合わせた腸管に、

  なんと体内の免疫細胞の60~70%が集まっています。特に、小腸は食べ物から

栄養を吸収すると同時に、病原菌の侵入を防がないといけない臓器です。

小腸の粘膜に分布しているパイエル板という器官に、大量のリンパ球が密集して

います。この腸管の免疫システムを整えておくことが何より大事ですが、そのカギを

握るのが、腸内細菌です。腸内細菌には、消化吸収の補助や免疫刺激などの健康維持を

導く善玉菌、有害物質をつくり出す悪玉菌、どちらでもない日和見菌の3種類が

あります。腸の免疫細胞が活性化するのには、善玉菌:日和見菌:悪玉菌の比率が

「2:7:1」の状態がベストだそうです。そして善玉菌の代表格が乳酸菌と

ビフィズス菌です。手軽に摂取出来る食品としてヨーグルトの出番となります。

ビフィズス菌は乳酸と酢酸を作り出し、酸に弱い悪玉菌の増殖を大腸で抑制します。

乳酸菌は小腸の粘膜をほどよく刺激して、免疫力を活性化させます。

死んで腸に届いても食物繊維と似た働きで、腸をキレイにしてくれる効果もあります。

但し、ビフィズス菌のように腸に定着しないので、毎日摂取する必要があります。

胃酸に弱いことも弱点なので、胃酸の影響を受けにくい食後30分以内に、

1日200gを目安に摂取するのがベストだそうです。

  納豆も一役担っています。納豆菌が生み出す菌体物質は、ビフィズス菌などのエサに

なるので、腸内の善玉菌を増やします。豊富に含まれているビタミンB12は、

細胞の再生を促進し、免疫に大事な粘膜を強化してくれます。
善玉菌の天敵は便秘です。便がとどまる時間が長いほど悪玉菌が増殖し、その結果、

有害物質が増えて免疫機能に悪影響を与えます。便秘を防ぐには、朝食を食べて
大腸を刺激するのも効果的です。

   ストレス対策:

一見関係無いように思いがちですが、予想以上に関係があります。何故なら、
免疫細胞の顆粒菌とリンパ球が自律神経の影響を受けているからです。
自立神経とは交感神経と副交感神経のバランスです。交感神経は日中の活動時
優位になり、顆粒金が増えます。

副交感神経は休息時に優位になりリンパ球が増えます。顆粒菌とリンパ球の

バランスは約6:4がベストですが、強いストレスを受けると、不安や緊張で

ずっと交感神経が働き続ける状態になり、顆粒球が増加します。

過剰な顆粒球はリンパ球の働きを抑止するので、免疫力が低下してしまいます。

さらに、NK細胞の動きが阻害されてしまうこともあります。何故なら、ストレスで

交感神経が優位になると、それを鎮めようと副腎皮質からコルチゾールという
ホルモンが分泌されますが、NK細胞がコルチゾールをくっつけてしまう受容体を

持っていることで、ホルモンが機能しなくなるためです。

ストレスを克服するためには、「笑うこと」、「楽しいことを考える」、「気にしすぎない」、

「ある程度、いい加減に生きる」、「完璧主義者を止める」等がキーワードだそうです。

適度な運動もストレス解消に役立ちます。過度な運動ではなく、一日5000歩を

目安に気楽に歩くのが良いそうですが、大切なのは継続性です。

   体温をキープする:

  体温が低いと、全身の代謝が悪くなり、免疫細胞が働きにくくなます。免疫細胞が

 弱まるのは体内温度が35度台。活発化するのは37度以上、わきの下の検温でいうと

 36.5度以上だそうです。

  体温を上げる方法のひとつが筋肉を鍛えることです。筋肉は基礎代謝の70%を占め、

体が生み出す熱の30~40%をつくっています。激しい筋トレをする必要はなく、

普段から体を動かし、さらに筋肉のもとになるたんぱく質を含んだ肉や魚を摂取する

ことで、筋肉量を落とさないように心がければよいといわれています。

  夏場の冷房にも注意が必要です。免疫力が下がらないように足元や太い血管が通って

いる首や手首も冷やさないようにすることが大切です。

40℃位で15分の入浴も体温維持に効果があることは周知の事実です。

  食品ではショウガがお薦めです。。辛み成分のジンゲロンが手足の先の血管を広げて

体温を上げる効果があり、香りのもとであるショウガオールは胃腸を刺激して、

体の深部体温を上げる効果があります。