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ムンプス難聴に要注意!

カテゴリ: 健康 公開日:2020年02月12日(水)

ムンプス難聴に要注意!

2015年~2016年におたふくかぜ(流行性耳下腺炎、別名ムンプス)が流行したのを覚えていますか? 

その時に合併症としてムンプス難聴が注目されました。ムンプス難聴は原因ウイルスのムンプスウイルスが内耳まで侵入し、内耳に激しい炎症を起こして発症します。会話レベルの音が聞き取れない難聴レベルである高度難聴を急激に起こすのが特徴で、治療効果は低く、回復はほぼ望めないやっかいな難聴です。

今般、日本耳鼻咽喉科学会が、全国の耳鼻咽喉科5565施設にアンケート調査を行い、3906施設から回答を得た結果、少なくとも359人がムンプス難聴を発症していたことがわかりました。そのうち詳細が明らかな335人について調べたところ、発症年齢は、3-4才~小学生と、30才代の子育て世代の発症が顕著に多かったそうです。子どもだけでなく子育て世代にも多いのは、おたふくかぜになった子どもと一緒に暮らす両親が二次感染を起こすからだそうです。

ムンプス難聴になった人のうち、片方の耳だけの難聴(一側難聴)は320人(95.5%)、両耳の難聴(両側難聴)は15人(4.5%)でした。一側難聴では290人(91%)が高度以上の難聴で、両側難聴のうちの12人(80%)は、症状が軽いほうの耳でも高度以上の難聴でした。

初診時と最終聴力の経過を調べることが出来た203人中55人は、経過中に聴力が悪化し、そのうち52人(95%)は耳元で話されても聞き取れない重度難聴になり、反対に改善が認められたのは11人(5.0%)だったそうです。

幼少期にムンプス難聴になった中高生が直面している状況としては次の様なことがあるそうです。

・集団での会話が厳しいので、「1人でいるのが好きらしい」と思われがち。

・声をかけられたとき、どこから声がかかったのかわからず「無視した」と言われる。

・休み時間、教室の移動中、課外授業など雑音が多い場面では、大切な話を聞き取れない。

 

このように、治療が大変難しいムンプス難聴を予防する唯一の方法は、ワクチン接種だそうです!

残念ながら、おたふくかぜワクチンは任意接種なので、現在の摂取率は40%程度しかありません。インターネットでは「おたふくかぜはかかったほうが免疫がつきやすいから、ワクチン接種を受けるより感染した子からうつされたほうがいい」といった情報が飛び交っている様ですが、それでは遅い時もあるのです。ワクチン接種を受けていてもおたふくかぜに感染することはありますが、症状が軽く済むそうです。

ムンプス難聴になって後悔するよりは、早い時期におたふくかぜワクチン摂取をお勧めします!