食の王様・大豆!
食の王様・大豆!
大豆そのものだけでなく、もやし、枝豆、豆腐、納豆、味噌、醤油、油揚げ、大豆油など、様々な食品に加工され、日本人の食生活に欠かせないものになっているのです。豆類は、あずき、いんげん、そらまめ等、50%以上がでんぷんの炭水化物グループと、大豆と落花生が属する脂質グループに分れます。大豆が何故それほど必需品になっているかといえば、その豊富な栄養素群でしょう。
どんな栄養素が含まれているか見てみましょう!
① 炭水化物(糖質):
人間の最大のエネルギー源である炭水化物(糖質)が29.5%含まれています。
② たんぱく質:
水分以外で細胞の主要構成物質であるたんぱく質がするが33.8%含まれています。
たんぱく質は筋肉、皮膚、血液、内臓などの主要成分となっています。肉や魚程ではありませんが、豆類や野菜類に比べると断トツに含有量が多く、「畑の肉」といわれる所以です。
③ 脂質:
糖質とともにエネルギー源として重要であり、貯蔵脂肪となってエネルギーを貯める役割も果たしています。ビタミンAやDなどの脂溶性ビタミンの吸収を助ける役割もあります。大豆には19.7%含まれています。
④ ビタミンB1:
ビタミンとは生物の生存に不可欠な微量栄養素のうち有機化合物の総称です。他の栄養素の働きを助ける酵素や、酵素の働きを助ける補酵素の役割を担っていて、絶えず消費されることから微量でも必要量をきちんと摂取する必要があり、不足すると色々な欠乏症が起こります。このため、炭水化物(糖質)、脂質、たんぱく質、ミネラルと並んで五大栄養素のうちの1つに数えられています。
ビタミンB1は体内で糖質を分解してエネルギーを発生させる際、酵素の働きを助ける補酵素の役割を果たしています。ビタミンB1が不足すると糖質をエネルギーとしてうまく利用できず、全身の倦怠感、手足の感覚障害、動悸が気になるなど脚気の初期症状が現れます。
⑤ ビタミンB2:
ビタミンB2は、脂質のエネルギー転換や細胞、皮膚、髪、爪などの再生を助け、成長を促進するとともに、粘膜を保護する働きも持っています。さらに、動脈硬化や老化を進行させ、発がん性もあると言われる過酸化脂質を分解し、その生成を防いでいます。
肉類には劣りますが、豆類や野菜類の中では最高レベルです。不足すると脂漏性皮膚炎、口内炎・口角炎、角膜炎などの症状が現れますが、成長期の子供の場合は発育にも悪影響を及ぼします。
⑥ ビタミンB6:
ビタミンB6は、たんぱく質が体内で分解・再合成される際、足りないアミノ酸があれば他のアミノ酸から作り替える役割があります。皮膚や粘膜の健康維持を助ける働きもしています。
⑦ 葉酸:
葉酸は、ビタミンB群に属するビタミンで、ほうれん草の抽出物から発見されため、葉
に含まれる酸という意味で葉酸と名付けられました。補酵素として核酸の合成に関与するため、細胞の分裂・成長に重要な役割を果たしており、特に赤血球の生成・成熟に欠かせないため、ビタミンB12などとともに「造血のビタミン」と呼ばれています。
もう一つの大事な役割は、「ホモシステイン」の代謝です。これは、メチオニンという必須アミノ酸が、グルタチオンやタウリンといった別の有用な物質へと変わる工程で一時的に生成されるアミノ酸の1種です。しかし、葉酸が不足すると、グルタチオンやタウリン等への生成プロセスが滞り、ホモシステインばかりが多くなってしまいます。余ったホモシステインは、血中に流れ出て血管内壁を傷つけ、動脈硬化を起こす要因となり、動脈硬化は心筋梗塞や脳卒中などの原因となります。活性酸素も増やすので、老化を促進し、これに関連した疾病リスクも高まります。日本人は世界的に見て摂取量が少ないと言われている重要な栄養素です。
⑧ ミネラル(灰分):
人間の体は、体重の約95%が酸素、炭素、水素及び窒素の4つの元素でできていますが、ミネラルはこれら以外の114種類の元素の総称で、栄養学では無機質あるいは灰分とも呼ばれています。これらの中でヒトの体内に存在し、栄養素として欠かせないものは必須ミネラルとされ、炭水化物(糖質)、脂質、たんぱく質、ビタミンと並んで五大栄養素のうちの1つとして数えられています。
現在、必須ミネラルとされている元素は16種で、そのうち1日当たり摂取量が概ね100mg以上の7種を多量ミネラル、100mg未満の9種を微量ミネラルと呼んでいます。
多量ミネラル:カルシウム、リン、マグネシウム、カリウム、ナトリウム、硫黄、塩素
微量ミネラル:鉄、亜鉛、銅、マンガン、ヨウ素、セレン、クロム、モリブデン、コバルト
上記の内、主要なものを見てみましょう。
カルシウム:
ミネラルの中で最も多く含まれて、主にリン酸塩などとして骨と歯を形づくる成分
となります。カルシウムの吸収にはビタミンDが深く関与しているため、ビタミン
D不足が原因となってカルシウム不足となることもあります。
大豆は断トツの含有量があります。
リン:
カルシウムに次いで多く含まれています。そのうち約80〜85%はカルシウムやマグ
ネシウムと結合して骨格や歯を形成する成分となり、残りは細胞膜を構成するリン脂
質、核酸等の構成成分となって、筋肉、脳、神経、内臓などあらゆる組織に含まれ、さ
らにリン酸塩として血液中にも存在して、糖質や脂質の代謝、エネルギーの保存・利用、
血液のpHを弱アルカリ性に保つための緩衝作用など重要な役割を果たしています。
大豆は断トツの含有量があります。
マグネシウム:
60~70%骨、残りの大部分は筋肉や臓器中にあり、細胞外液と血液中にも少量含ま
れています。300種類以上の酵素反応に補酵素として働き、ほとんどすべての生合成
反応や代謝反応に必須のミネラルです。
大豆は断トツの含有量があります。
カリウムとナトリウム:
カリウムは体内の浸透圧を調整し、過剰なナトリウムを排出する役割を果たしています。また、筋肉に多く含まれ、筋肉の収縮を円滑にする働きがあります。
ナトリウムはカリウムと拮抗して体内の浸透圧調整に関与して、体液を弱アルカリ性に保つための緩衝作用などの機能を果たしています。また、神経系の刺激伝達や筋肉の収縮にも関与しています。
大豆は断トツの含有量があります。
鉄:
体内の鉄の約70%は酸素の運搬や酵素として働く機能鉄で、その大部分は赤血球のヘモグロビンの構成成分となって体内における酸素の運搬・供給にかかわり、その他の機能鉄は血液中の酸素を筋肉に取り入れるミオグロビンや各種酵素の構成成分として存在しています。鉄が不足すると、めまい、息切れなど貧血の症状が現れるほか、運動機能や免疫機能の低下を招くことがあります。
大豆はえんどうと同様酒匂の含有量があります。
亜鉛:
DNAやたんぱく質の合成などに関与する各種酵素の構成成分となって、新たな細胞作りに関与するため、成長・発育や新陳代謝に不可欠なミネラルです。また、味覚を正常に保ち、免疫機能、ホルモンの合成・分泌などにもかかわっています。亜鉛が不足すると、子供では成長・発育が遅れ、成人では肌荒れの発生や傷の治りが遅くなるなど新陳代謝に影響が出てきます。
大豆は豆類で最高の含有量があります。
銅:
主に筋肉、骨、肝臓などに分布していて、酵素の構成成分となって種々の生体内反応の触媒として機能しています。貯蔵鉄の移動にかかわってヘモグロビンの生成を助ける造血作用、骨の角質の形成促進による骨の強化、髪や皮膚の色素の生成など重要な働きを担っています。
大豆は他の豆類と同様相当の含有量があります。
以上、食の王様・大豆のすごさがお分かり頂けましたでしょうか?
個人的にも様々な食品で大豆を摂取しようと思います!