伝統のファルーカ漁!
伝統のファルーカ漁!
ファルーカという奇妙な船がある。
場所はイタリアのメッシーナ海峡に位置するシチリア島側のガンジーリだ。
全盛期は30艘あったらしいがいまは17艘しかない。
何を捕獲するかと言うとPESCHE SCADA、日本で言うカジキマグロである。
メッシーナ海峡は幅が約3kmしかない流れの速い海峡で速い流れを好むカジキマグロが多いのだそうだ。
この海峡は定置網などが禁止なのでどうしても1本釣りが要求される。
そこでガンジーリの漁師達が考え出したのがファルーカと呼ばれる船である。
よくこんな船を考え出したなーと思うが、カジキマグロが音に敏感だとか泳ぎが速いとかを考慮した結果らしい。
高さ18mもあるはしごの上に4人が見張る櫓があり、船の先には30mも張り出したブリッジがあるのだ。
櫓からカジキマグロを見つけ、悟られないように櫓上から舵を操り、舳先だけを獲物に近づけていくのである。
波が高ければ船が不安定になり当然漁に出られない。
出られる日も途中で波が変化するから命がけの漁とも言える。
30mブリッジの舳先からも3m、重さ15kgのモリを背びれの真後ろに打ち込むのは66歳のおじさんだった。
顔も足の先も日焼けして背はあまり高くないががっしりした体格の持ち主だ。
朝から夕方までファルーカに乗りっぱなしでその間食べるのはカジキマグロが入ったパニーニ。
釣るのも食べるのもカジキマグロという、どっぷりカジキマグロに浸かった人生なのだ。
ガンジーリだけで無くシチリアではカジキマグロがよく食べられている。
その中でもガンジーリで揚がったものは新鮮で村人に大評判である。
イタリアは他国と同様近代化が進んでいるが、
ファルーカ漁などの伝統が残っているのは日本に似てるところがあってとても素晴らしいと思う!
(O・T)