牛肉の基礎知識!
牛肉の基礎知識!
最近はスーパーに行くと、和牛や国産牛と記載された牛肉パックの横に米国、豪州、ニュージーランドの牛肉パックが並んでいて、値段の差でつい外国産の牛肉を買ってしまいます。肉自体をみると、日本の肉は脂部分が肉の間に細かく入っていて、美味しそうと感じるのと同時に、健康に良くないのではと思ってしまいます。しかし、ステーキや焼肉が看板のレストランでは日本の牛肉、特に和牛を代表的なメニューに出しているところが多いです。輸入牛肉は別として、和牛や国産牛の違いすら明確に言えないのでは話しにならないと思い調べてみました。
① 日本で飼育されている食肉用の牛肉:
・黒毛和種:毛色は褐色がかった黒色です。肉質、特に霜降り肉といわれる脂肪交雑は世
界最高で、芸術品とも言われます。
・褐毛和種:いわゆる赤牛です。熊本(熊本系)県と高知県(高知系)で飼われていた朝
鮮牛を基礎とした赤牛に、スイス原産で、ヨーロッパの牛の中では最大のシンメンタール種等を交配して改良した品種です。
・日本短角種:東北北部原産の肉用種で南部牛にアメリカから輸入されたショートホーン
種とデイリー・ショートホーン種を交配した種です。
・無角和種:山口県阿武郡で飼育され、無角のアバディーン・アンガスによる交雑種の種牡
と在来種である有角の黒毛和種を交配し、無角の形質を固定させた種ですが2018年時点で200頭しか飼育されていません。
・ホルスタイン種:明治時代から日本に輸入されている乳用種で、原産地はオランダの北
オランダ州やフリーズランド州です。牛乳生産のない雄子牛は昭和40年代から牛肉生産のために肥育されています。
・ジャージー種:イギリス領海峡諸島のジャージー島原産で、乳牛として飼育されています
が、雄牛は牛肉生産の為に肥育されています。
・交雑種(通称 F1):主に黒毛和種の雄×ホルスタイン種の雌を交配した一代雑種が
中心です。
② 和牛とは:上記牛種の内、黒毛和種、褐毛和種、日本短角種、無角和種の4種類のみで
す。
③ 国産牛とは:品種は問わず、日本で3ヶ月以上飼育された牛が名乗ることのできる名前
で、乳用のホルスタインやジャージーの雄牛を去勢したものに、よく付け
られている名前です。
④ 社団法人日本食肉格付協会が行なっている格付け:
A:歩留等級:いわゆるABCと言われるランク付けです。枝肉と言い、背骨を区切りに縦2つにわけた状態の大きな肉が等級判定に関わります。枝肉全体の重量に対する部分肉の重量の割合を算定するのですが、断面図などで標準よりも部分肉の割合が最も多いものが、Aランクとなります。
B:肉質等級:脂肪交雑、肉の色沢、肉の締まり及びキメ、脂肪の色沢と質の4項目でランク付けがされます得ます。歩留等級と同様に、切断面をみて、5段階評価をしますが、5等級が最高値となります。
⑤ ブランド牛:ブランド牛肉と言えば神戸牛や松阪牛等を思い浮かべます。しかし、ブランド牛の定義は各地の生産者団体が独自にもうけているので、日本全体の統一定義はありません。肉質等級が4級以上であることを条件としている団体が多い様ですが、定義を求めないで名乗ることが出来るところもあるそうです。一つだけ共通している様に思えるのは、ルーツが但馬牛であることの様です。神戸牛、松坂牛、近江牛、米沢牛、仙台牛、飛騨牛、佐賀牛など全て但馬牛に行き当たるそうです。このようなブランド牛の中で、仙台牛だけは定義が明確です。歩留等級はAランクだけで、肉質等級は5等級と4等級だけです。つまりA5とA4しか仙台牛として認めていません。
仙台牛は牛タンが有名ですが、他の部位も美味しそうです!