中国と日本で異なる中華料理!
中国と日本で異なる中華料理!
中華料理の本家本元は中国ですが、中華料理は世界各地にひろがり、様々な国で食べることが出来ます。1979年にイタリアのミラノに駐在した時、日本料理店はわずか二つしかありませんでしたが、中華料理店は少なくとも10店ほどあり、その後も毎年数店ずつ増えていたことを記憶しています。具材や味付けは各国の風土や習慣により異なるようで、ミラノで食べたときも、日本とは違う印象でした。この傾向は日本でもあるのだろうと推測しますが、隣接している国だから料理の内容はほとんど変わらないだろうと思っている中国人観光客が結構いるようです。
定番として有名な料理でその違いを見てみることにしましょう。
① 中国の汁麺と日本のラーメン:
中国人は麺にこだわります。日本でも増えてきた刀削麺が良い例ですが、地方によって材料や切り方に麺の特徴があります。一方、日本人はスープと具にこだわりがあります。スープ作り煮もチャーシューの製法も匠の技があり、中国人は珍しさと美味しさでよく食べるそうです。
② 餃子:
中国人は「水餃(シュイジャオ)」と呼ぶ水餃子が主流ですが、日本では「鍋貼(グオティエ)」と呼ばれる焼き餃子が定番です。そして、中国では皮が主役で、モチモチ感を重んじて、厚めの皮を使用します。日本では薄めの皮ではなく具が主役です。お店によって具が異なり、それを店の看板メニューにしているところも多いです。焼き餃子の出し方は、中国では皮と皮が合わさった方を上にして出しますが、日本では焼き目を上にして盛りつけるのが主流になっています。そして、羽根の様に皮がくっついて出すお店もあります。これには、中国人もびっくりしているらしく、北京や上海では「日式餃子」として羽根つき餃子を出すところもあるそうです。そんな中で、日本で人気の餃子定食は中国人にとっては「?」マークなのだそうです。何故なら、「炭水化物」と「炭水化物」の組み合わせだからです。確かに、これはよくないかも知れません!
③ 回鍋肉:
中国語で「ホイグオロー」と言い、日本語では「ホイコーロー」と言いますが、この料理は元々四川省のもので「もう1回、鍋に肉を戻す」ということから名付けられた炒め物料理です。中国四川省では、材料に豚バラ肉とニンニクの葉、調味料はトウバンジャン(豆板醤)というシンプルなものです。豚肉の塊肉を鍋で煮てから取り出し、薄く切って、ショウガや豆板醤とともに再び鍋に戻し入れ、ニンニクの葉と炒めるのです。四川料理なので唐辛子や山椒が加えられ、辛くしびれる味付けが多いようです。一方、日本ではにんにくの葉が簡単に手に入らないことから、キャベツを使います。調味料は豆板醤ではなく甘いテンメンジャン(甜麺醤)や甘味噌を使います。日本でキャベツを広めたのは、四川風麻婆豆腐で有名な陳建一氏の父親である陳建民氏と言われています。
④ 北京ダック:
中国の北京ダックは以前中国造幣局に出張したときに、北京飯店で食べる機会がありました。10名ほど座れる丸テーブルに大皿で40~50枚ほどの北京ダックが並べられています。どれもしっかりと身がついていて、別途盛ってこられた皮などで巻かなくてもとても美味しかったです。その後、日本で北京ダックを注文したことが数回ありますが、毎回出てくるのは、ほとんどダックの皮だけではないですか!北京と日本での違いに驚くと同時に、日本の値段の高さにも「?」マークを感じました。現在は、日本で北京ダックを食べる気になりません!