ヘラクレスの塔!
ヘラクレスの塔!
スペインの最北西部に位置するガリシア州は大西洋とカンタブリア海に面し、年間を通して穏やかな気候で最寒月でも摂氏8度以下になることは少ない。
入り江の多い複雑な海岸線でも知られ、リアス式海岸の語源となったのがこの地域である。「リアス」とはガリシア語あるいはカスティーリャ語(スペイン語)での入り江(リア)の複数形なのである。
ガリシア州の大西洋岸にア・コルーニャ県があり大西洋に着き出したような半島にヘラクレスの搭が鎮座している。北部の英国やフランス、そして北米向けにも中継基地の様な位置にあり港町として過去は相当繁栄していたようである。
ヘラクレスの搭は高さが55mありそれだけでも立派な搭であるが、塔が立っている半島の画海面から57mあるので、会場で眺めると112mもある堂々とした塔に見える。
ごく最近はGPSが普及して灯台の明かりを船の位置確認に利用する頻度は減ったようだが、現在も灯台としての役目を果たしている。
いつ建設されたのかは諸説あってはっきりしないが、最もありそうな話としてはBC62年にシーザーが訪れたときにこの地を
「ブリガンティウム」を名付けて港を建設した。
重要な港であったため、灯台エルクレスの塔が建てられたと言うものである。ローマ時代のものとしては現存する唯一の灯台でもある。
記録としては、トラヤヌス(在位98年―117年)の時代に建設、あるいはもしかすると再建されたと残っている。
元々建設された塔は3層の34mであった。大昔なので照明が廻っていたとは思えないが、
1788~1791にかけて21メートルの4層目を含む改築が行われ現在に至っている。
ア・コルーニャの紋章も町にある色々名お店も塔(TORRE)を店名に付けていて、
県民がヘラクレスの塔を愛し、誇りに思っていることがよくわかる。
塔といえば東京にも2つの塔(タワー)があるが、東京の住民はスカイツリーよりも東京タワーに対する想いの方が強いのではないか?
尚、ヘラクレスの塔を含め世界遺産の塔は沢山あるが、一番高いのはパリのエッフェル塔(324m)である。