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世界の未踏峰!

カテゴリ: 散策 公開日:2018年12月01日(土)

世界の未踏峰!

1953年にエドモンド・ヒラリーとテンジン・ノルゲイの2人がエベレストの登頂に成功してから63年が経ちますが、世界にはまだ未踏峰が残っています。日本に目を向けてみると、最後まで未踏峰として残っていたのは北アルプス立山連峰にある標高2999mの剱岳ですが、1907年7月に国土地理院の前身に当たる陸軍参謀本部陸地測量部より派遣された測量隊により初めて登頂され、現在未踏峰は存在しません。登山家の装備も63年前とは比べものにならないほど進化しているのに、現在に至るまで未だに足を踏み入れられていない山があるとは驚きです。世界の未踏峰をいくつか掲載します。
○ ガンケルプンスム(7570m)

世界で最も幸福な国といわれているブータンと、中国チベットの国境にそびえるブータンの最高峰です。2018年現在、誰も登頂に成功していない山の中で最高峰です。2003年にブータンのワンチェック国王がこの地を永久未踏峰とすることを宣言したため、ブータン側からの登山許可が今後下りることはありません。世界中の登山家が挑戦を希望しているので、チベットからの許可を取得する手段もあるらしいですが、このあたりの国境線は定かではないため、中国も許可を下せずにいるそうです。

  梅里雪山(6740m)

梅里雪山とは、中国の雲南省デチェン・チベット族自治州に位置する、長さ30kmにもわたる連山の総称で、連山のすべてが未踏峰です。最高峰はカワカブと呼ばれる雪山(6740m)です。梅里雪山の周囲は金沙江(長江の上流)、メコン川の上流、怒江という3つの大河が、わずか70kmから100kmの幅で並行して流れている、世界でも稀に見る地形になっています。急流によって削り取られた連山は険しく、インド洋から吹くモンスーンの影響のため、一年中雪に覆われ人を寄せ付けません。国の方針とか宗教上の理由ではなく、正真正銘、難攻不落の未踏峰です。

○ カイラス山(6656m)

巨大な岩の塊のようなこの山はチベット高原西部に位置する独立峰で、チベット仏教の聖山であるため、登頂許可が出ません。チベット仏教だけでなく、ヒンズー教、ボン教(チベットの伝統宗教)、ジャイナ教の聖地でもあり、公的な交通手段もほとんどなく、バックパッカーには秘境としての色が強くなってきています。しかし、山を囲む1周52kmの巡礼路があり、トレッキングの名所としても知られていて、ここを訪れる観光客も多いそうです。

○ マチャプチャレ(6993m)

ネパールとヒマラヤのアンナプルナ山脈に位置しています。ネパール第2の都市、ポカラから眺めるマチャプチャレは、名峰マッターホルンに似ていることから、「ネパールのマッターホルン」と呼ばれていて、その美しい姿は、世界で最も美しい山とも評されています。この山には1957年にイギリス人のJ・ロバーツが山頂直下50mまで登りましたが、マチャプチャレが古くから聖山として崇めらていたため、そこで止めてしまいました。ロバーツ以降、ネパール政府は、シヴァ神に関する神聖な山として、一切の登山許可を出していません。

  キュンガリ(6599m)

中国のチベット自治区とネパールの国境付近にあるアルプス・ヒマラヤ造山帯のヒマラヤ山脈にあります。現地の住民も知らない人がいると言うくらい謎めいた山で、現地の登山地図にキュンガリが掲載されていないそうです。近年では2013年秋に日本の登山家の辻秀信が挑戦しましたが、現地でも知られていない山ということもあり、山容を確認するところから始めなければならなかったようで、この挑戦は残念ながら失敗に終わりました。

  サイプル山(3109m)

南極大陸サイプル島にある未踏峰です。サイプル島は南極大陸の沿岸部から離れていて、サイプル山に到着するだけでも困難です。寒さ等の環境は別として、このアクセスの悪さが未踏峰の原因となっています。