藤井王位・3連覇王手!
藤井王位・3連覇王手!
24~25日に行われた王位戦第4戦は先手の藤井王位が豊島九段を破り3連覇に王手をかけた。
豊島九段がコロナに感染したので約10日間遅れたが、その分藤井王位は準備が入念に出来たのかも知れない。
藤井王位を含め棋士が準備をするとはどういうことか実は余り分かっていない。
将棋は先手が有利とされるので、先手番棋士の準備を想像していると次の様になる。
1. 戦法を決める。
2. その戦法における過去の棋譜を全て読み返す、または、暗記する。
3. 最近はAIでそれぞれの棋譜の流れを検証する。
4. その上でAIを相手に新手を研究する。
上記が正しいかどうか分からないが、問題は後手の時である。
先手がどの戦法を採用してくるか分からないので、いろいろな戦法をお復習いしなければならない。
その上で、先手が新手を繰り出す前に新手を出して主導権を握る必要性があるように思う。
ABEMATVの実況中継で解説者達がしゃべるのを聞いていると、新手が打たれた時点が分かる。
解説者達も凄く研究している事が分かり、さらに盤上で幾通りもの進行予測をしてくれるので誰でも挑戦者になる力がありそうな気がする。
ところが、実際には挑戦者になれる棋士は限られているのが面白い。
藤井王位も豊島九段もその他のトップ棋士達も解説者達が盤上で検討する内容をVRの如く全て頭の中で検討しているのだろう。
1時間も2時間も長考されると,観戦している自分のレベルではいい加減に打ってくれと思ってしまうが、
彼らの頭の中は休むことなく活動しているのである。
将棋はAIが当たり前になった現在、戦い方も解説もかなり変わった様な印象を受ける。
国民栄誉賞の羽生九段が7冠になった時代の将棋と藤井五冠が君臨する現在では内容がかなり変化していると思う。
羽生九段が最近なかなか勝てないのは年齢よりAI導入後の将棋の変化によるのではないか?
以前は羽生マジックなどと称し、様々な妙手を繰り出して窮地を脱していた羽生九段だが、最近は羽生マジックという言葉が消えている。
解説を見ていると解説者はAIが示す最善手を前提にその後の展開を盤上に見せてくれる場合が多いので、
棋士がAI推奨の手を打たないと解説もガラッと変わってしまうのである。
AIは各局面で棋士の優勢%も出してくれるのだが、これが本当に優勢を現わしている訳ではない。
棋士が最善手を打たないと優位性がいっぺんに逆転することもあるからである。
観戦しながらいつも関心するのは、特に藤井五冠がほとんどの確率でAIが示す最善手を指すことである。
まるで頭の中にAIそのものが入っているサイボーグの様な感じなのである。