映画・ドライビングマイカ―を観て!
カテゴリ: 趣味
公開日:2022年04月03日(日)
映画・ドライビングマイカ―を観て!
ドライビングマイカ―は村上春樹原作、濱口竜介監督、カンヌ映画祭で日本人で初めて脚本賞をとり、
更にアカデミー賞国際長編映画賞にも選ばれ、大きな注目をされている作品です。
私は外国映画の方が好きで映画館に行ったその日も他の二作品が候補だったのですが切符が売りきれでした。
次善の選択としてこの映画を選びましたが、これが多きな幸いとなりました。
はじめはすぐに溶け込めない作り物っぽい空気が流れていたのですが、少しずつ引き込まれて行くのです。
映画の中で特に印象に残ったのは、難聴とも関係のある手話で演ずる女性のオーディション場面。
手話で演技をするのですが何と力強く訴えかけてくることか、びっくりしました。
また、外国人の俳優が外国語で演技をしていると何を言っているのかわからないのに何故かそれは妙に現実味を帯び、
日本人が日本語で台詞を言うとそれが作り事に聞こえる、その両方が絡み合うと妙に落ち着いてすとんと収まってくるのです。
映画と演劇が重層的に絡み合い、コラボしているような複雑な感情の表現手法は現実と虚構の世界が曖昧になり、
現実の不確かさが浮かびあがってくるように思えました。
今までに見たこともないような映画を見た感覚でしたが、この不思議な気持ちは持続していて是非原作を読んでみたいです。