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平成中村座ニューヨーク公演!

カテゴリ: 趣味 公開日:2021年12月16日(木)

平成中村座ニューヨーク公演!

先日BSプレミアムで偶然平成中村座のニューヨーク公演ドキュメンタリーを観ました。
観ているうちに強く引き込まれいまだその感動が消えません。

五代目中村勘九郎(十八代目中村勘三郎)はニューヨークに住む歌舞伎になじみのない人々にも歌舞伎を楽しんでもらうことは出来るという信念のもとニューヨーク歌舞伎公演を企てます。

アメリカでの歌舞伎公演はこれまでにも例はあるのですが、勘九郎のはニューヨークのど真ん中マンハッタンに江戸時代の芝居小屋を忠実に再現してそこで歌舞伎を公演するという壮大なスケールのものでした。

もともと江戸時代の歌舞伎は庶民の娯楽でエネルギーに溢れたものですが、それがニューヨークのど真ん中によみがえったような趣向です。演目は“夏祭鑑浪速鑑”悲劇的な芝居ですが華やかさもある舞台です。ですが例えば“連獅子”“のような派手な衣装や豪快な毛振りではなく演者の心の動きを追う、それも英語でですから難易度は高いかと思われます。
現代感覚で古典を解釈し演出し時間と空間を超えて、果たしてこの大がかりで冒険心に満ちた興行はうまく行くのだろうかと誰もが思ったでしょう。結局中村勘九郎の卓越した演技力とプロデューサーとしての優れた能力は素晴らしい結果を引き出します。

初日ニューヨーカー達はスタンディングオベーションで熱狂的に応えニューヨークタイムズをはじめメディアも絶賛するという大成功に終わりました。

テレビを観ていた私もラストシーンの逃げる主人公団七(勘九郎)の疾走感、そしてその後を追いかける岡っ引きならぬニューヨーク市警、その絵のあざ鮮やかさ、美しさ、面白さに釘付けになりました。