藤井三冠が羽生九段に勝利!
藤井三冠が羽生九段に勝利!
昨日行われた王将戦リーグ戦で3-0の藤井三冠と3-1の羽生九段が対戦しました。
この対局の勝者が挑戦者になる可能性の高い大一番です。
最近流行っている戦法は相懸かりや角交換ですが、先手の羽生九段は昔から最強布陣とも言われる矢倉を選択しました。
この対局は場所を別に設定して大番解説が行われ2名の棋士が戦局を解説していきます。
羽生九段や藤井三冠はもちろんのこと、解説者をお含めほとんどの棋士は戦法ごとに過去の棋譜を調べて手順を暗記すると同時に
先手と後手の勝利戦術を研究しているのです。
この一局も約30手ほどまでは過去にあった進行を見せますが、その後新たな展開に変わって行きました。
解説者は過去の棋譜を参考にしながら、両棋士の次の一手を予測したりするのですが、途中から頻繁に予測が外れていきます。
それだけ、羽生九段と藤井三冠の読みの深さが発揮された令和の名局なのかもしれません。
10時に始まった本局は18時段階でもほとんど互角とAIの評価でしたが、
羽生九段が101手目を打つときに4時間の持ち時間を使い果たし1手1分の秒読みに入ります。
そこからの展開が急でした。羽生九段の101手目を確認した藤井三冠は既に詰め手順を読み切っていたのでしょう、
わずか106手で羽生九段の「負けました」宣言になったのです。
豊島竜王との連戦で多くの名局が生まれていますが、羽生九段との本局は別の次元で名局になったのではないでしょうか?
国民栄誉賞を授与し、引退後は永世七冠を名乗る羽生九段がこれまでの経験と知識を注ぎ込んだ1局でしたから、
素人の私にも羽生九段の将棋の味が違うことが分りました。
昔の武将では全体を把握しながら兵を進める武田信玄を彷彿させる大棋士ですね!