2020年 M-1グランプリ
2020年 M-1グランプリ
M-1グランプリ番組を始めから終わりまでTVで見るようになったのは2年前から
です。それまで漫才に注目することはほとんどありませんでした。理由は1本のマイクを
挟んでボケ役とツッコミ役が繰り広げる、喋くりという二人が掛け合いでおもしろおかしい話を
して客を笑わせる話芸が、どの漫才も同じように思えてならなかったからです。
2年前から見始めた背景に2度「おや」と思った時がありました。両方とも偶然決勝戦を
見たときなのですが、第6回のチュートリアルと第11回のトレンディエンジェルです。
いずれもツッコミの内容になるほどと思わせる説得力があったのです。2年前、第14回
の優勝は霜降り明星でした。ツッコミのしゃべりが早口過ぎ、何を言っているのか不明で
個人的には面白いと感じませんでした。昨年の第15回はミルクボーイが優勝しましたが、
これはとても面白かったです。題材に上げたコーンフレークや最中を見事に表現解説する
ツッコミのコメントに聞き惚れてしまいました。そうした中で迎えた第16回の今年は
マヂカルラブリーが優勝しました。7人の審査員の票が割れて3票を取得した結果です。
漫才とは基本的に喋くりだと思っていましたが、M-1ルールでは喋くり以外に、コント、
トーク、歌などの芸が許されています。ところが、マヂカルラブリーは基本の喋くりはせず
コントや歌でないジェスチャーを入れてきたのです。TVでは笑い声が聞こえてきますが、
誰が笑っているのかの映像は審査員だけで、こちらは見ていて全く面白くありません。
やはり漫才は喋くりの中に視聴者をうならせるような説得力のあるやり取りが評価される
べきだと感じました。最近の漫才の中では、和牛、かまいたち、千鳥が面白いと感じます。
しかし、私のような素人の感覚は時代遅れで、今回が示したように、漫才の世界も時代と
共に価値観が変わっているのかもしれません!