アイラウイスキー!
アイラウイスキー!
若い頃に飲んだスコッチウイスキーはブレンドウイスキーでしたが、ある時期から、
シングルモルトが日本でも評判になりました。そろそろシングルモルトに挑戦しようかという時に
イタリアに滞在したため、ウイスキーの探求は中断しました。イタリアでは
ワイン一辺倒になり、蒸留酒としてはグラッパといった習慣でウイスキーとは離れた
世界に暮らしていたのです。今から15年ほど前に友人に教えてもらい、試飲したのが
ラガヴーリン16年でした。薬品や煙のような香りと塩っぽい味が強烈でこれが
ウイスキーかと驚いたものです。その時に聞いた話がアイラ島で作られるシングルモルト
ウイスキーでした。それ以来ウイスキーを味わうときはアイラ島のウイスキーを好んで
味わっています。
アイラ島はスコットランドの西に位置する約600平方kmの島で、古くからウイスキー
の製造が盛んだったことで知られています。アイラウイスキーについていろいろ知識を
収集すると、日本にもアイラウイスキーの熱烈なファンが沢山いることを知り、自分が
如何に無知であることを痛感しました。
アイラウイスキーの最大の特徴は、前述したとおり独特な香りです。薬品や煙のような
臭いを生み出しているのは、大麦を感想させるときに使用するピート(泥炭)です。
アイラ島の土壌が海藻類や苔が堆積した、いわば、自然の炭なのです。さらに磯の香りも
染みこんでいて独特の香りとなります。
アイラ島には現在9つの蒸留所があります。
アードベッグ、ラフロイグ、ラガヴーリン、ボウモア、カリラ、ブルイックラディ、
ブナハーブンの7つは100年~200年の歴史を持つ蒸留所ですが、キルホーマンと
アードナッホーは2000年以降に出来た蒸留所です。
9つの蒸留所はそれぞれ違いがあるようですが、島の南にあるアードベッグ、ラフロイグ、
ラガヴーリンで作られるウイスキーの方が独特の香りが強いと言われています。
いくつかの蒸留所を紹介します。
○ 9つの蒸留所で一番古いのは1779年創業のボウモアで、代表的なボウモア12年は
「アイラの女王」とも称され、アイラウイスキーの入門としても最適だそうです。
○ ラフロイグはイギリスの皇太子御用達の由緒あるウイスキーとしても知られています。
特にラフロイグ10年はピートの風味が強く、好みがはっきりと分かれるほどの
個性的な味わいが特徴で世界中にもファンが多いそうです。
○ 新しく出来た蒸留所のキルホーマン・マキヤーベイは、ほのかな塩の旨味も感じる
爽やかな海の香りが特徴です。鼻を刺すような臭いはなく、アイラウイスキーに慣れて
いない人でも飲みやすいそうです。
○ アードベッグも有名な蒸留所です。定番銘柄のアードベック10年はスモーキーで
ありながらフレッシュな風味と、潮風を感じるような軽やかな味わいの中にある
重厚感が特徴です。
○ ラガヴーリンも欠かせない蒸留所の一つです。中でも代表銘柄のラガヴーリン16年は
「アイラの至宝」とも称され、他の蒸留所では出せない圧倒的な個性のある味わいが
あり、個人的にも一番お好みのアイラウイスキーです。
未だ経験のない方は、ぜひアイラウイスキーの独特の香りを味わってみてください!