藤井棋聖・誕生!
藤井棋聖・誕生!
藤井七段がついにやりましたー!
昨日行われた棋聖戦第4局で現在最強と言われる渡辺3冠を破り、新棋聖となりました。
新型コロナウイルス感染が復活し始め、政府が主導するGotoキャンペーンが物議を
醸し出している中、瀬戸市の地元の方々や将棋ファンだけでなく、日本中が諸手を挙げて
期待していたことが現実となりました。駅前では号外がまかれ、至るところで、老若問わず
歓喜の雄叫びを上げているのを見ると、羽生さんに続く国民栄誉賞を供与してほしいと
思いました。棋士や報道関係の人達によれば、17歳11ヶ月での初タイトルは、今後
破られない記録だろうとのことです。棋聖誕生の第4局の戦いについての解説は、
報道にお任せするとして、今回は将棋の世界で頂上を極めるのがどれだけ厳しいのか、
そして、藤井棋聖がどれだけ令和時代の神童なのかを記載してみようと思います。
○ 将棋の世界で藤井棋聖の前に、中学生でプロ棋士になったのは加藤九段、谷川九段、
羽生九段、渡辺二冠の4人だけです。名人のタイトルは加藤、谷川、羽生の3人、
竜王はそれ以前の十段位を含めると4人全員が取得しています。加藤九段は2017年
に引退されましたが、今でもTVで活躍される人気者です。現在は藤井棋聖に抜かれて
しまいましたが、4段デビューから7段昇段まで2年3ヶ月の17歳6ヶ月で通過した
記録の持ち主です。18歳3ヶ月で八段になった記録は残っていますから、
藤井棋聖が記録を塗り替えるか注目です。
谷川九段は21歳で最年少名人になったのが良く知られています。
羽生九段が躍進する前は圧倒的な第1人者でした。
羽生九段は99期のタイトル獲得をしています。2位は大山永世名人の80回ですから
正に前人未踏の大記録です。さらに、名人、竜王、棋聖、棋王、王位、王将、王座の
7タイトルにはそれぞれ永世称号があり、永世7冠の権利を持っているのは羽生九段
だけです。国民栄誉賞を授与されたことでも超有名です。もう一つ、通算勝利数ですが、
羽生九段は1461勝で2位の大山永世名人の1432勝を超えています。
渡辺2冠は名人こそタイトル戴冠していませんが、名人と並ぶタイトルである竜王では
9連覇を含め歴代最多回数を誇ります。
現役で通算タイトル獲得順位は1位羽生九段(99回)、2位谷川九段(27回)、
3位渡辺2冠(25回)になり、やはり中学生でプロになった棋士の活躍が目立ちます。
○ 藤井棋聖は2016年10月に4段としてプロ棋士になりました。
その後、新記録の29連勝などにより、2018年2月1日に5段に昇段しました。
そのわずか17日後に6段に、さらに5月17日に7段に昇段したのです。
わずか4ヶ月未満で2段階昇段したのはまさに驚きです。
このたび、新棋聖になりましたので、来年の棋聖戦でタイトルを失わない限り、1年間
藤井棋聖と紹介されます。タイトル称号を除き、現在のプロ棋士の段位は9段が
最上位となります。タイトル称号は別として、藤井棋聖がこれまでと同様に最年少で
昇段出来るのか注目されるところです。
○ 八段と九段への昇格条件は次の通りですが、最高タイトルが名人で2番目が竜王で
あることがよくわかります。
九段への昇段条件:
・竜王位を2期獲得、又は、
・名人位を1期獲得、又は、
・他のタイトルを3期獲得、又は、
・八段昇段後、公式戦で250勝
八段への昇段条件:
・竜王位を1期獲得、又は、
・名人位順位戦A級に昇級、又は、
・他のタイトルを2期獲得、又は、
・七段昇段後公式戦で190勝
藤井棋聖が18歳で8段になる可能性は3つあります。
1.現在進行中の竜王戦決勝トーナメントで優勝し、豊島竜王に挑戦して勝つこと。
2.木村王位との7番勝負であと2勝して戴冠すること。
3.公式戦で190勝すること。(20120年7月16日現在109勝)
九段になる最も速い方法は、今回の王位を戴冠し、来年どちらかの1期防衛です。
対戦するたびに益々強くなっている藤井棋聖に、我々の夢を託したいと思います!