王位戦七番勝負の第1局・藤井七段勝利!
王位戦七番勝負の第1局・藤井七段勝利!
棋聖戦に続き2つめのタイトル王位戦の第1局で、藤井七段が30歳年長の木村王位を
下し先勝しました。先番の藤井七段が得意の角換わり腰掛け銀戦法を選び、木村王位が
それを受け手同型で対応する流れで始まりました。2日間で打たれたのはわずか95手
ですが、逆に言えば、1手の読みにかけた時間が長かったということだと思います。
2日目は木村王位が封じ手だった角で藤井七段の飛車を取った54手目から始まりました。
藤井七段は桂を取ってと金を作ります。素人の私にしてみれば、この交換は藤井七段が
圧倒的に不利だと思いましたが、プロの世界では互角だったようです。
60手目で木村王位が3・9馬と金を取りに行きます。この金が取られると木村王位に
一気の積み路が生まれます。つまり後がありません。普通は金を守る為に補強するか
逃げるかと素人は考えるのですが、藤井七段は違いました。61手目から95手目まで
攻め続けるのです。王位戦第1局を中継で観戦した中村太地七段は63手目の4・4桂は、
最後まで読み切っていないと打てない手だとコメントしていました。32手を読み切って
いたことを意味します。今回は30歳の差があるタイトル戦ですが、一番多い年齢差は
1989年に行われた棋王戦でした。26歳の南芳一棋王に66歳の大山十五世名人が
挑戦する対戦でした。現在の南九段は藤井七段が15歳の時に対戦したことがあります。
南九段曰く、230手の激闘だったのですが、途中で勝勢になって負けるとは思っていませんでした。
普通なら諦めてくれる将棋でも、彼は最後までいい加減には指さないので
大逆転負けを喫したそうです。さらに、現在の藤井七段について、「どんな相手からも
経験したことのないような強さがあるように思います。今まではむしろ本当の力を
発揮できていなかったのではないでしょうか」とコメントしています。
このコメントには素人の私も賛成です。詰め将棋で培った読みの深さが、タイトル戦の
特徴である長時間の持ち時間で、藤井七段の能力をさらに磨き上げているような
気がしてなりません。
未だ17歳ですから頭脳も柔軟で、吸収力は大人よりはるかに勝っているように思います。
以前のブログで記載した様に、棋聖と王位の2冠達成が益々現実味を帯びてきました!