何故、言葉と書くのでしょうか?
カテゴリ: 趣味
公開日:2020年03月29日(日)
何故、言葉と書くのでしょうか?
言葉とは感情や思想を伝える手段として用いられ、社会に認められた意味をもつ音声や
文字の事です。書き方としては詞とも辞とも書かれます。
言葉の語源は言(こと)と端(は)の複合語です。
言は事と同じ意味があり、事実にもなる重い意味を持っていました。
もっと軽い意味を持たせようとして、端を加えたと言われています。
奈良時代に作られた万葉集では言葉、言羽、辞の3種類の文字が使われていました。
万葉集という名前になった理由についてはいくつかの説があります。
・よろづの言の葉を集めたものという意味
・歌を葉に例えて、多くの歌を集めたものという意味
・万葉という言葉に永久という意味があるので、この歌集が永く伝わるように願う意味
平安時代になると「古今和歌集」や「土佐日記」では平仮名の「ことば」が使われ、
「枕草子」では「詞」が、さらに室町時代の「徒然草」では「言葉」が使われています。
数ある書き方の中で言葉が残った理由は、平安時代の900年代に
紀貫之(きのつらゆき)が執筆したと言われる「古今和歌集仮名序」と言われています。
原文の始まりは、「やまとうたは、人の心を種として、万の言の葉とぞなれりける」です。
現代文では次のようになります。
「和歌(大和歌)は、人の心を種として、葉っぱのように生い茂っている言の葉である。」
「言の葉」が多く用いられていくと、ことばにも「言の葉」の意味が含まれる様になり、
「言葉」は言語を意味する最も一般的な語として定着したのです。