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日本画の顔料が岩絵具(いわえのぐ)であることを知っていますか?

カテゴリ: 趣味 公開日:2019年12月19日(木)

日本画の顔料が岩絵具(いわえのぐ)であることを知っていますか?

先日、友人に連れられて二子玉高島屋6階で開催されていた「リュウ・チョウジュン 25のプチベイザージュ展」を訪れました。この画家は中国大連生まれで1955年生まれの画家ですが、1988年から多摩美術大学大学院で日本画を学び、2000年に日本に帰化された方です。1998年から世界遺産をモチーフにした個展を都内の各百貨店で展開されています。個展会場でガイドをしてくれた方が、展示されている25の作品全てが日本画の顔料である岩絵具で描かれていることや、この画材で海外の世界遺産などを描く画家は少ないこと、さらに、岩絵具なので光線の角度によって表面がキラキラ光り、油絵では出せない詩情豊かな味わいが出せる絵になることを説明してくれました。そして、一番驚いたのは、日本画の顔料が辰砂、孔雀石、藍銅鉱、ラピスラズリなど様々な鉱石、半貴石を砕いて作った顔料であることでした。これを知らなかったのは私だけかも知れませんが!

いわゆる油絵の顔料は金属元素と非金属元素で作られていますが、日本画の顔料は天然石を砕いて使うことを主流としています。天然石は高価なので、1952年に市販が開始された新岩絵具(釉薬の中の長石がガラス化して、それに金属酸化物を高温焼成することでいろいろな色を出す)や合成岩絵具が広まっていますが、本物は天然石を砕く顔料です。

また、固着剤(接着剤)に膠(にかわ)を使うところも特徴です。

展示されている絵の中には、モンサンミッシェル、ミラノのドゥオモ、アマルフィ、ヴァティカン市国などもあり、まるで世界遺産を訪れた様な気分になりました。

日本画の世界も奥が深いですね!

ryunihon