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日本ラグビー・プロリーグの実現は?

カテゴリ: 趣味 公開日:2019年12月09日(月)

日本ラグビー・プロリーグの実現は?

第9回ラグビーW杯日本大会が日本独特のおもてなしとブレイブ・ブロッサムズの大躍進で大成功を納めた為か、日本ラグビー協会が公表したプロリーグ構想が注目を集めています。今月13日に協会は「新プロリーグ設立準備委員会」の発足を表明しました。2021年立ち上げを目指すという、協会が考えているプロリーグの内容を見る前に、現状を把握すると、現在の日本最高リーグは、社会人16チームによる「トップリーグ(TL)」で、プロアマ混在の編成で一定期間リーグ戦を行っています。厳格なプロリーグではなく、アマチュアの企業スポーツカテゴリーです。ワールドカップを率いたジョーンズHCもジョセフHCも「日本はアマチュアの国として世界のプロと戦っている」と指摘しています。

幸いなことに、ラグビーチームを持つ企業は、トヨタ自動車、パナソニック、サントリー、NTTなど世界規模で事業を展開する優良企業が多く、年間10億円以上の運営費が企業から支給されているそうです。何故このような多額を負担するのかといえば、社員の福利厚生の一部として扱う企業もあれば、広告費やスポーツ推進室のような部署の予算から支出される企業もあります。企業の広告や知名度アップがメリットなのでしょうが、最低10億円はかなりの金額だと言わざるを得ません。

これに対し協会が2021年の立ち上げを検討するプロリーグは、ワールドカップを開催した12地域(スタジアム)にプロチームを置くアイデアの様ですが、同時進行で現行のTLもアマチュアリーグとして存続する構想です。一部の推進派のチームがプロ化する一方で、企業スポーツの継続を求めるチームは“現状維持”で社会人リーグを継続しなければなりません。プロリーグに人気が集中しそうな中で、自前の資金力でTLチームを維持していく企業が16社あるかどうか疑問に感じます。

これまで競技種目の人気度では10位台中盤あたりにありましたから、にわかファンが増えたと言っても、トップレベルの野球やサッカーJリーグとは格段の差がありますし、バスケットや卓球という新しいプロリーグとの競争も起こる環境です。

プロリ-グを検討するときに参考にするものとしてスーパーラグビー(SR)があります。SRチームの運営形態を簡単に説明しますと、ニュージーランド、南アフリカなど参画5か国にリーグ戦期間限定のプロチームを設け、各チームが、その母体となる地域代表(州代表)や、地域とは関係なく世界中から選手を集めて公式戦を戦うというものです。5カ国ともラグビーの国内における人気度は高く、興行収入を想定できるほど、SRチームを作ることは難しくなさそうです。これを日本国内に当てはめると、新設されるプロチームがTLやその下部リーグの選手と出向契約のような形態で期間限定でプロ契約を結び、チームを編成して新リーグを戦い、シーズンが終われば選手は個々の所属チームに戻りプレーすることになります。プロリーグの興行収益はほとんどプロリーグに運営資金として割り振られるはずですから、間接的に関与している企業は、従来通り自己負担で既存チームを運営しなければなりません。
様々な賛否のコメントトが報道されていますが、その内容を読むにつれ、日本におけるラグビーのプロリーグは立ち上げは出来るとしても、継続は様々な問題がありそうです。一番大きな問題はどれだけ多くの子どもたちにラグビーに憧れる気持ちを持たせるかだと思います。それには、子供が憧れるようなプレーを選手が見せることが絶対に必要ですが、同時に、その選手が収入や引退後も含めた生活面での成功を収めることがとても重要なのではないでしょうか?TV放映では野球人気が落ちていますが、未だに野球をスポーツとして取り組む少年達が多いのもそこに理由があると思われます。引退後のセカンドキャリアについては、プロになったからには自己解決をしなければならないという考え方が強くありますが、ラグビーは肉弾戦ですから危険度が高く、他のスポーツのプロ選手以上にサポートが厚くても良いのではないかと個人的には思います。

以上の様な思考を進めていくと、現時点で最も実現可能と思われるのは、現在のTLを中心とした社会人リーグのプロ化に行き着きます。プロリーグとしてはフランチャイズの競技場がなくてはなりません。既にワールドカップが開催された12会場に、増えるであろう東京基盤のチームの為に東京に競技場を増やして体制を整えます。さらに、各フランチャイズの母体となる企業は現状の様に1社で参画するところもあれば、リスク軽減の為、2~3企業が共同で参画するすることも出来るようにするのです。これであれば、企業は広告等の経費負担だけでなく、興行収入も見込めるのでプロリーグのあり方を進化させる原動力が生まれます。さらに、選手達もセカンドキャリアの道が開けるので、まさにウィンウィンの形になるのではないでしょうか?折角にわかファンが拡大したラグビーを日本全体で育てて行きたいと思います!