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ラグビーW杯の歴史について知っておこう!

カテゴリ: 趣味 公開日:2019年10月04日(金)

ラグビーW杯の歴史について知っておこう!

日本中を興奮の坩堝とさせているラグビーW杯の歴史について、詳しく知っている日本人はラグビー関係者以外ではあまりいないと思います。折角ワールドカップを楽しみ、今後の発展が期待させるだけに、過去についても知っておきたいと思います。

   ラグビーの起源は1823年にイングランドのラグビー校のフットボールの試合中に、ウィリアム・ウェブ・エリスがボールを抱えたまま相手のゴールを目指して走り出したこととされています。ラグビーは地名でもあり学校の名前でもあります。

   現在ラグビーW杯開催の母体は、2014年に名称変更された「ワールドラグビー」ですが、元々は1863年に設立されたサッカーの「フットボール・アソシエーション」に対抗して、1871年にロンドンでラグビー協会が設立されたことに始まります。

   1895年に労働保障問題などから分裂が発生し、南部を母体としてアマチュア主義を尊重するラグビーユニオン(これが現在のワールドラグビー)と北部を母体として報酬を目的とするラグビーリーグに別れてしまいました。分裂当初は双方のルールは同じでしたが、現在はユニオンが15人制で、リーグが13人制です。さらにリーグはFWの密集(ラックやモール)を排除しています。

   ラグビーW杯の第1回は1987年に行われましたが、1983年にオーストラリアとニュージーランドがそれぞれ当時の国際ラグビーフットボール評議会にワールドカップの開催を提案したことに始まります。そのときは却下されたのですが、1985年の年次会合でメンバー8協会(オーストラリア、ニュージーランド、南アフリカ、フランス、イングランド、ウェールズ、スコットラド、アイルランド)で投票を行い6対2で可決されて1987年にニュージーランド・オーストラリアによる共催で第1回が行われました。注目すべきは反対したスコットランドとアイルランドの理由です。アマチュアリズムが脅かされると言う理由だったそうですが、この時点ではアマチュア主義が続いていたわけです。もう一つ注目はこの投票に参加している南アフリカが1981年に評議会によってアパルトヘイト政策を廃止するまでラグビーユニオン国際大会への出場が禁止されていたことです。その後、1992年のアパルトヘイト政策廃止により、国際試合への復帰が認められ、1995年の第3回ワールドカップ開催と優勝につながりました。

   これまで行われたラグビーW杯は8回です。

大会   開催年  開催国     優勝国   (決勝スコア)準優勝国

1回  1987年 NZ・豪    NZ     29-9  フランス
2回  1991年 イングランド  豪      12-6  イングランド
3回  1995年 南ア      南ア     15-12 NZ
4回  1999年 ウェールズ   豪      35-12 フランス
5回  2003年 豪       イングランド 20-17 豪

6回  2007年 フランス    南ア     15-6  イングランド
7回  2011年 NZ      NZ      8-7  フランス
8回  2015年 イングランド  NZ     34-17 豪
これまでニュージーランドが3回、オーストラリアと南アフリカが2回、そしてイングランドが1回の優勝で優勝国が極めて限られています。今年の9回目はニュージーランドが3連覇に挑む一方で、エディー・ジョーンズHC率いるイングランドが2回目を狙っているように現状では感じます。ダークホースは日本でしょうか?

   第1回~第3回の参加国は16チームで4チームずつ4プールに別れた1次リーグでした。第4回以降は20チームに増えましたが、第4回は4チームのプールが5つありました。第5回からは現行通り5チームで4プールとなっています。

   これまでで一番強烈な印象を与えた大会は第3回の南アフリカ大会だったと思います。まず、アパルトヘイト政策解除で参加復帰が実現し、幻の最強国と言われていた南アフリカが参戦し、しかも自国開催であったこと。

次は、ニュージーランドを延長後半劇的なドロップゴールで勝利したことです。残念ながらこの試合は見たことがないのですが、インターネットで解説などを読むと世界最高の試合だったことが覗えます。

最後は日本がニュージーランドと対戦して17対145で玉砕したことです。この点数は今でも破られない恐ろしい記録です。80分という限られた時間の中で、ニュージーランドは21トライを取り、日本は2トライを返しました。80分を合計23トライで単純に割ると1トライにかかった時間は3分28秒になりますが、コンバージョンゴールキックに少なく見積もっても30秒くらいかかりますから、3分に満たない時間でトライを取り続けたことになります。どう考えてもこんな結果はあり得ませんので、当時のニュージーランド選手のコメントを読んでみました。ニュージーランドは控えメンバーが中心だったのですが、オールブラックスの名に恥じないように、日本に対して警戒を忘れず万全の対策を立てて臨んだそうです。それに対し、日本の選手達は僕たちをまるで神様のように尊敬し、勝とうと思っていなかったそうです。それまでは、パスを中心とした横の展開を主戦法としていましたが、この試合では、何が何でも縦に突っ込んで行ったらしく、タッチキックを使いながらエリアを挽回することもしなかったそうです。第4回から参加チームが20カ国に増えることが決まっていましたが、ニュージーランドとのこの試合が国際ラグビーフットボール評議会をして「プロ化」の宣言をさせたのではないでしょうか?

   2015年の第8回大会でエディー・ジョーンズHC率いる日本が南アフリカを破る奇跡を起こしました。今回もアイルランドに勝つという離れ業を成し遂げています。悪夢のような第3回とは雲泥の差ですが、ここまで大きく変わった最大の貢献者はエディー・ジョーンズHCのように思えてなりません。

   世界の3大スポーツ大会の一つのラグビーW杯があると言われています。残る二つはFIFAとオリンピックです。ラグビーW杯のTV視聴者数は40億人と言われています。FIFAのワールドカップは250億人だそうです。世界人口は80億人弱ですから、40億人というと世界人口の半分強になってしまいます。FIFAワールドカップの250億人になるとわけがわかりません。いろいろ考えて引き出した答えは試合数の累計でした。ラグビーW杯の試合総数は48試合です。40億人を48試合で割ると、1試合当り世界で83百万人が視聴していることになります。凄い数字ですがこれなら納得できる範囲でしょう。FIFAワールドカップは全部で64試合ありますので、1試合当り3億9千万人が視聴していることになります。今回のラグビーW杯の結果を踏まえ、今後TVでの放映が増えれば、次回フランスW杯ではもっと視聴者が増えるのではないでしょうか?