シンギュラリティについて!
シンギュラリティについて!
シンギュラリティ(技術的特異点)とは、人間の脳が持つ能力(知覚・認識や、問題解決能力、感情・道徳・知能といった全ての分野)を凌駕し、最後に人間を超越する時点のことです。
この仮説は、米国の発明家・実業家・未来学者であるレイ・カーツワイル氏が2005年に出版した『シンギュラリティは近い』で記述され、一気に広まりました。
同氏は、生物やテクノロジーの進化の歴史を、段階ごとに6つの期間(エポック)に分けています。
・エポック1: 物理と化学(原子から始まる情報の体系化と進化)
・エポック2: 生命とDNA(生命の誕生と進化)
・エポック3: 脳(知能・思考の誕生)
・エポック4: テクノロジー(人類の誕生から現在に至るまで、進化を直線的~指数関数的に継続)
・エポック5: 2045年頃、人間のテクノロジーと人間の知能が融合するシンギュラリティ開始)
・エポック6: 人間由来の生物的な知能と、テクノロジー由来の新しい非生物的な知能が合体し、すばらしい知能体へと変容)
さらに同氏は2005年に未来を予測しています。現在までの予測はかなり当たっています。
① 2010年代:
・コンピュータは小さくなり、日常生活に組み入れられる。
・ブロードバンドインターネット接続は、ほとんどどこでも利用できるようになる。
・バーチャルリアリティの生成や、ユーザーの網膜上にビームの映像が投影される眼鏡の登場。
・外国語で話される言葉は眼鏡をかけているユーザーへ字幕のように表示される。
・VR眼鏡の登場。
・・さまざまな日常のタスクでユーザーを助けることができる「バーチャルアシスタント」プログラムを搭載したコンピュータの登場。
・・携帯電話は、衣類に組み込まれ、ユーザーの耳に直接音を投影することができるようになる。
② 2015年:
・家庭用ロボットが家を掃除している可能性がある。
③ 2018年:
・10TBのメモリ(人間の脳のメモリ容量に相当)が1000ドルで購入できる。
④ 2020年代:
・・遺伝学・バイオテクノロジーにおける革命はそのピークに到達する。
・・2020年代の間に、人間は自分の遺伝子を変化させる手段を持つことになるだけではなく、「デザイナーベビー」は自分の皮膚細胞
を若々しい他の細胞に形質転換することによって、自分の身体の組織や臓器のすべての若返りが実現可能になる。
・・人々は根本的に平均寿命を延長し、病気や老化から離れて自分の生化学を「再プログラム」することができるようになる。
・・ナノテクノロジーの革命が開始される10年、また、ロボットが人工知能テストを通過して、教育を受けた人間と同等の知性になる。
・・1000ドルのパーソナルコンピュータは人間の知性を真似るために必要なハードウェア性能を持っている。
・・サイズが100ナノメートル未満のコンピュータが可能になる。
・・最初の実用的なナノマシンが、医療目的のために使用される。
・・人間の脳全体の正確なコンピュータシミュレーションが実現する。
・・血流に入ることができるナノボットは、この10年の終わりまでに存在することになる。
・・この10年の後半では、仮想現実は、本当の現実と区別がつかないほど高品質になる。
⑤ 2025年:
・一部の軍事無人偵察機や陸上車両は、100%コンピュータ制御される。
⑥ 2030年代:
・精神転送は成功し、人間がソフトウェアベースになる。
・・ナノマシンは、脳内に直接挿入することができ、脳細胞と相互作用することができる。その結果、真のバーチャルリアリティが、外部
機器を必要とせずに生成することができる。
・・記憶用脳ナノボット、または「経験ビーマー」として知られている人間の日常生活のリアルタイム情報脳伝送を使用して、他人の感覚
を「リモート体験」できるようになる。
・・人々の脳内のナノマシンは脳の認知、メモリ・感覚機能を拡張することができる。
・・ナノテクノロジーは人の知性、記憶や人格の基礎を変え、人々は自分の脳内の神経接続を自由に変更できる。
⑦ 2040年代:
・人々はマトリックスのように仮想現実で時間の大半を過ごすようになる。
・「フォグレット」(人体をとりまくナノマシン群のことで、人間の外見を自由に変化させる)が使用されている。
⑧ 2045年:
・シンギュラリティ開始。
・・1000ドルのコンピューターは全ての人間を合わせたより知的である。これは低級のコンピュータであっても人間よりはるかに賢い
ことを意味する。
・・技術的特異点、人工知能は地球上で最も賢く最も有能な生命体としての人間を上回るように発生する。技術開発は、自ら考え、行動し、
通常の人間には何が起こっているのか理解できないほど迅速に相互通信できるマシンによって引き継がる。マシンは、AI自らの手でそ
れぞれの新しい世代が迅速に開発される、自己改善サイクルの「暴走反応」に入る。これ以降、技術の進歩は、マシンの制御下におか
れ、爆発的であるため、正確に(それゆえ「特異点」という)予測することはできない。特異点は永遠に人類の歴史の進路を変更する
非常に破壊的、世界的な変化を起こすイベントとなる。暴力的なマシンによって人類が絶滅させられる可能性は、人間と機械の間の明
確な区別はもはやサイボーグ化で強化された人間とコンピューターにアップロードされた人間の存在のおかげでほとんどありえない。
・・「真に生きるに値する時代」の到来。
⑨ ポスト2045年:
・・ 宇宙の覚醒が起こる。AIは"最大速度"(光速に限りなく近いかもしくは超光速)で全宇宙に進出する。その速度はAIが光速の限界
を回避する技術を発見できるかどうかによる。
⑩ 2100年:
・・人々は過去の人間が記憶のバックアップを取らず生きていたことにひどく驚くようになる。
・・人間の知能は数千億倍まで拡張されている。
2100年以降まで予測しているレイ・カーツワイル氏の言っていることが本当になるのでしょうか?