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カルピス100周年! - 天と地にある物事を想い巡らすサイト!よろず放談

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カルピス100周年!

カテゴリ: 趣味 公開日:2019年03月19日(火)

カルピス100周年!

僧侶出身の実業家である三島海雲が、内モンゴルで出会った飲料「酸乳」をヒントに国民の健康を願って開発したのがカルピスです。脱脂乳を乳酸菌で発酵させた飲料「醍醐素」に砂糖を加えて2日ほど放置した結果生まれたのが「カルピス」の原液で、それに日本の食事に不足していた「カルシウム」を混ぜて完成させました。名前の由来は、カルシウムの「カル」とサンスクリット語の「サルピス」から「ピス」を合わせたものです。「サルピス」は仏教で五味と呼ばれる乳・酪・生酥・熟酥・醍醐の中の熟酥(じゅくそ)のことです。カルピスの元になっている醍醐は五味で最高位にあたりサンスクリット語で「サルピルマンダ」と呼ぶため「サルピル」や「カルピル」といった案もあったそうですが、音声学の権威であった山田耕筰に相談したところ、響きの良さを重視して醍醐の次位である「サルピス」からとって「カルピス」となったそうです。

1919年年7月7日の七夕に発売を開始しましたが、瞬く間に広まっていき、カルピスは有名ブランドになったそうです。

100年間経過した現在でも販売を伸ばし続けているカルピスは立派なブランドですが、100年の歴史は必ずしも順風満帆に成長を遂げたわけではなく、これまでに何回か苦難の時期があったそうです。創業者の三島海雲が立ち上げたカルピス食品工業は、三島の「一品主義の思い」を貫き、60~70年代には希釈用飲料として、贈答用商品などを中心にシェアを高めました。しかし、コンビニエンスストアや自動販売機が増えた1980年代に最初の苦難が待ち構えていました。飲料の主流が缶やペットボトル入りに替わり、いつでも外で飲めるようになったため、希釈用のカルピスはその流れに乗れませんでした。さらに、外で飲めるようなものを開発すると、希釈用との共食いが懸念され、決断できなかったそうです。この状況が続く中、同社は1991年に味の素の資本参加を仰ぎました。それを機に缶入りの「カルピスウォーター」を発売し、2000万ケースを販売する大ヒットとなり苦難を克服しました。懸念された共食い現象も起きませんでした。
2度目の苦難は2000年代に来ました。飲料市場の競争が一層激化し、カルピスは「子ども用の白い甘い飲み物」と言ったイメージが強まり、さらに、カルピスウォーターの大ヒットに頼りすぎて、新規製品開発を怠ったことが業績を悪化させました。過去の失敗経験を踏まえ、2009年以降は原点である「発酵」を切り口として「おいしさと健康」をブランドの価値として訴求しました。具体的には「濃いめのカルピス」「カラダカルピス」などをラインアップに加え、再度販売を成長軌道に乗せのです。

経営体制にもメスを入れました。2007年に味の素の子会社となり、その後2012年にアサヒグループが買収してアサヒ飲料となりました。アサヒ飲料には100年続く3大飲料がありますが、カルピスは他の三ツ矢サイダー、ウイルキンソンにも増して、重要な位置にあるそうです。

2019年は、発売100周年としてカルピスブランドのさらなるPR活動や商品展開の拡充を推進します。商品ラインアップではヨーグルトとカルピスを組み合わせた「ヨーグルト&カルピス」を通年商品として加えました。6月には大人向けリッチテイストの新シリーズを発売するほか、10月には100周年限定商品として新たな発酵技術を活用したカルピス新商品を発売する予定です。どんな製品が誕生するのでしょうか?