将棋・藤井七段の記録更新は?
将棋・藤井七段の記録更新は?
先日行われた朝日杯将棋オープンの決勝で、藤井七段が渡辺明棋王を破り優勝しました。同棋戦では昨年も優勝しており2連覇達成です。16歳6ヵ月での棋戦連覇は、羽生九段が1987~88年での天王戦(現在は棋王戦と統合)連覇で達成した18歳2ヵ月(当時)を大幅に上回る年少記録です。これからどれだけ新記録を打ち立てるか見当もつきませんが、可能性のあるものを調べてみました。
① 朝日杯将棋オープン3連覇:
2013年度~15年度に羽生九段がが達成した例が唯一あるだけです。
② トーナメント棋戦での4連覇:
トーナメント棋戦における最多連覇を見てみると、大山十五世名人と羽生九段が以前一回ずつ記録した4連覇が最多連覇です。
③ 8大タイトル獲得の最年少記録:
8大タイトルの最年少記録は、屋敷伸之九段が1990年に棋聖を獲得した際の18歳6ヵ月です。藤井七段にとって現在最も可能性が高いのは、今年の6~7月に決着されるであろう棋聖戦です。現在2次予選の決勝まで勝ち進んでいて、久保王将に勝つと決勝トーナメントに進み、そこで4連勝すれば豊島将之棋聖との五番勝負へ挑むことになります。屋敷九段の年少記録を破るためには、2020年の12月末までにタイトルを獲得する必要があります。仮に今回の棋聖戦で負けても、2019年の王座戦、竜王戦、2020年の王将戦、棋王戦、叡王戦、棋聖戦、王位戦、王座戦、竜王戦の合計9棋戦が残っています。
④ 年度最高勝率:
年度最高勝率は中原誠十六世名人が1967年度に達成した0.855(47勝8敗)です。藤井2月20日時点で勝率は0.854(41勝7敗)です。3月31日までにあと10局足らずの対局を残しているようなので、これからの一戦一戦が記録更新の鍵を握ります。
⑤ 名人戦の最年少記録:
これまでの記録は谷川九段の21歳です。順位戦の昇級はC級2組からスタートして、C級1組(現在の藤井七段の地位)→B級2組→B級1組→A級という段階を踏まなければなりません。各級で1年間戦い、上位2棋士が昇級するルールです。従い、藤井七段は今年を含め最低4年で挑戦権獲得が出来るのですが、果たしてどうなるでしょうか。19歳で名人位獲得となれば、不滅の記録になるのではないでしょうか?