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霊峰富士山・そっとお休み!

カテゴリ: 趣味 公開日:2018年12月25日(火)

霊峰富士山・そっとお休み!

都心から眺める富士山は、四季の移り変わりとともにいつも優雅な姿を見せてくれていますが、1707年12月16日に富士山の南東斜面が大噴火して、噴煙は2万mまで達しました。この噴火は「プリニー式噴火」と言い、地下のマグマ溜まりからマグマが押し上げられる際、圧力が減少して発泡し、膨大な量の噴石や火山灰、火山ガスが吹き出したものですが、マグマは流出しませんでした。16日断続的に続いたこの噴火は「宝永噴火」と呼ばれ、その痕跡は「宝永火口」として今も残っています。火山礫や火山灰は偏西風に乗って、静岡県北東部、神奈川県、東京都、さらに100km以上離れた房総半島にまで降り注ぎました。江戸の町にも大量の火山灰が降り、昼間でも暗くなり、ロウソクを灯さねばならなかったといいます。2~5cm積もった降灰は強風のたびに細かいチリとなって舞い上がり、多くの人が呼吸器疾患に悩まされたそうです。富士山火山防災協議会が、宝永噴火」と同規模の噴火が現在発生した場合の被害想定を行っています。
○人的被害:
噴石等の直撃で約1万3600人が死傷
○建物被害:
木造家屋が約280~700戸倒壊
○道路:
降灰により東京・神奈川・千葉・茨城・静岡の約3700km~1万4600kmに及ぶ道路が通行不能
○鉄道:
車輪やレールの導電不良による障害や踏切障害等により、東京・神奈川・千葉・静岡等で線路延長は最大で約1800kmが混乱
○航空:
大気中の火山灰により、羽田・成田など6空港で1日あたり515便、約21万9000人に影響
○農林業被害:
降灰による商品価値の喪失・降灰付着による樹木の枯死・牧草地の枯死等で、稲作被害が約18万3000ha、畑作被害が約6万4000ha、森林の壊滅的被害が約700ha
○観光産業:
降灰により東京・神奈川・千葉・静岡等で観光需要の減少
○その他の産業
交通障害や停電などで、東京・神奈川・千葉・茨城・静岡では産業活動が停滞
以上は降灰による被害想定ですが、そのほかにも洪水や土石流による建物被害や農作物被害が出ます。合わせて被害総額は約1兆2000億円~約2兆5000億円と試算されているそうですが、実際はもっと甚大な被害が発生するように思います。東名高速をはじめとする道路網が火山灰により長期間普通となり物流が止まることもと新幹線による人の移動が妨げられることが大きいのではないでしょうか?2020年の東京オリンピックや2025年の大阪万博も控えているので、富士山には現在の美しい姿を維持して、休んだままでいてほしいと思います。(画像は都心から見える優雅な富士山と宝永火口の窪みです。)

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