第20回米・食味分析鑑定コンクール:国際大会!
第20回米・食味分析鑑定コンクール:国際大会!
「お米のソムリエ」とも称される「米・食味鑑定士」が、国内外から集められたお米を食味してその年の金賞を決める、2018年の「米・食味分析鑑定コンクール:国際大会」が11月26~27日の2日間、岐阜県高山市の高山市民文化会館で開催されました。米の食味という観点から、また、衰退しつつあった「地方・農業・稲作の復興」を後押しする目的で、20年前に米・食味鑑定士協会が設立されました。その年の第1回大会の出品数は、わずか100検体に満たなかったのですが、年ごとに広まりをみせ、今年は過去最高の5717検体が出品されるまでに成長したのです。第10回から海外米も出品される国際大会となり、今年の5717検体のうち26検体が台湾や中国から寄せられ、また、63校の高校から159検体が出品されるなどバラエティーに富む、最大級の「お米のコンクール」となっています。審査プロセスが相当厳格なので掲載します。
審査は1~3次の3段階あり、計測データによる定量と、官能審査と呼ばれる定性の両面から行われる。まず1次審査では、玄米の状態で食味分析計を使い、水分、タンパク質、アミロース、脂肪酸を計測します。これを「食味値」として、普通米の場合、85点以上を獲得したものが選ばれ、各検体が入った袋に計測データの印字されたラベルが貼り付けられます。さらに、殻粒判別器を使って、損傷や被害の有無が分かる整粒値(普通米で75%以上)を計測します。この計測データもラベルが貼られ、2つの検査を通過した玄米が、2次審査へと進むことが出来ます。2次審査では、味度(みど)計という専用の精米機で精米しながら白米のうまみ成分である「おねば層」を測ることで味度値を計測します。1次審査と2次審査の合計値によって、30人の審査員による3次審査の官能審査に進むことが出来るのです。今回は45検体が選出されました。審査員たちは、外観、香り、かたさ、粘り、甘み、のど越しなど、多岐にわたる項目を次々にチェックしながら選別していきます。外観チェックは、見た目の光沢や炊き上がりの粒の大きさが揃っているかについて観察します。香りはふくよかで甘みがあるかどうか、香りの強弱も含めて評価します。噛んだときの弾力性、噛んだ後のねばり具合もチェックします。そして甘みは、舌先と上あごでご飯を押しつぶしながら鑑定します。最後にひと口食べて、総合的な美味しさやのど越しのよさをチェックしますが、のどを通るときに口から鼻に抜ける香りは、香りがよく分かるポイントだそうです。審査後、各審査員が最も高い点数である5検体を投票し、30人合計で獲得数の多かったお米が金賞に輝くことになります。今年の金賞受賞米は20検体が選ばれました。大量生産できないものもあり、全てが一般に流通されるとは限らない為、現時点で20検体の名前が公表されていないようです。唯一、20検体のうち12検体が飛騨地区のお米であることはわかっています。