タコとイカ!
タコとイカ!
頭から足が生えているので頭足類と称されるタコとイカは日本でよく食べられています。
最近までコレステロールのかたまりだと思っていましたが、あるお医者さんから「良質なたんぱく質」と聞いて考え方を変えました。そもそも日本でタコとイカはどちらが多く食べられているのでしょうか?答えは単純で漁獲量が圧倒的に違います。イカの世界全体の漁獲量は約350万トンで日本はその約30%の100万トンを消費しています。日本だけでは需要を賄えないので大部分は中国やペルーなどから輸入しています。タコの世界全体の漁獲量は約35万トンで日本はその約60%の21万トンを消費しています。こちらも日本の需要を賄えないので、大部分をモーリタニア、モロッコ、中国などから輸入しています。日本が世界の60%を食しているのは驚きですが、中国は食べる習慣がないですし、アルプス以北の欧州も食べる習慣が無いのが影響しているかもしれません。イギリスなどはデビルフィシュと呼んでいるくらいです。
タコとイカの栄養成分をみてみると確かに違いがあります。
タコの主な栄養成分(可食部100gあたり):
タンパク質:16.4g
ナイアシン:2.2mg
ビタミンB12:1.3μg
ビタミンE:1.9mg
亜鉛:1.6mg
イカの主な栄養成分(可食部100gあたり):
タンパク質:17.9g
ナイアシン:4.0mg
セレン:41μg
ビタミンB12:4.9μg
ビタミンB1:0.13mg
タコもイカも上記栄養成分以外に注目されるのがタウリンです。タウリンは魚介の中でもとくに貝類やイカ、タコ、魚の血合肉に多く含まれ、動脈硬化の予防、肝機能を高める、二日酔いの予防、糖尿病の予防、免疫機能の向上など、様々な効果が期待されています。とくに、イカよりも多いタコの含有量は魚介のなかでもトップクラスの量です。そもそもタコは、低脂肪とはいえ動脈硬化の原因となるコレステロールが多いことから、長く敬遠されがちでしたが、近年タコの豊富なタウリンにコレステロール値を下げる働きがあることがわかり、その役回りが大きく変化し、一躍コレステロールを抑える健康食材としての価値が高められました。ナイアシンも二日酔い解消に良いとされています。その他、脂質・糖質の代謝にすぐれたビタミンB2も、他の魚の2~5倍と大変豊富に含まれています。ビタミンB2は加熱によって損なわれるものの、刺身ならばそっくり取ることができ、粘膜や皮膚、髪を保護するとともに細胞の再生をサポートします。イカのたんぱく質は量こそ一般的な魚よりやや少なめながら、その質の良さと吸収しやすさは牛乳にも匹敵します。また、ホタルイカは全体を食べることから、そのビタミンAはウナギを上回ります。これからは、「ヒョウモンダコ」以外、タコやイカを積極的に食べることにしましょう!「ヒョウモンダコ」はヒョウ柄の青い模様があり、成長してもわずか10センチほどにしかならない小柄のタコダコですが、テトロドトキシンというフグと同じ毒を持っていて、この毒が人間の体内に入ると、最悪の場合、死に至ることもある“猛毒ダコ”です。唾液腺と、それだけではなくて筋肉と皮にもテトロドトキシンがあることがわかり、触ってもためだそうです。暖かい地域に生息するヒョウモンダコは、日本の冷たい海では冬を越すことができないため、本来、この時期は少なくなる傾向があります。しかし、今年は夏の猛暑の影響などで海水温が高いため、いまだ活発なままでいて、最近、神奈川県やその他各地で目撃が相次いでいます。海に行かれるときは十分注意してください。