極域氷床溶解が拡大!
カテゴリ: 科学、自然
公開日:2023年04月22日(土)
極域氷床溶解が拡大!
氷床質量収支の相互比較研究(という国債組織があります。
同組織の科学者チームが発表したところによると、
地球温暖化の影響で1992年から2020までに極域氷床全体で8兆3000億トン以上が失われたそうです。
一番激しかったのは北極の気温上昇が著しかった2019年で、全体では約6750億トン前後の氷床が失われ、
その内グリーンランドの氷床は4890億トン溶解したそうです。
氷床が減ることは海面の上昇を意味します。
完全に溶解するまで何百年かかるので現在の問題にはなりませんが、南極の氷が全て溶解すると地球の海面は70m位上昇し、
80億の人類に多大な悪影響をもたらします。
グリーンランドの氷床溶解は別の問題を含みます。こちらの方が現実味が高いので最悪のケースを考えておく必要があるかも知れません。
大西洋は大きな海流があり、それで北米も西側欧州も気候が保たれています。
メキシコ暖流が北米大陸に沿って北海に進みグリーンランド付近で冷やされ深層海流となって赤道の方に南下して来ます。
そして赤道付近で暖められた海水が再度メキシコ暖流になって環流を繰り返しているのです。
問題はグリーンランドの氷床が解けると北海の北側が淡水化して比重が軽くなり、深層海流がストップしてしまうことです。
これによって気候変動はもちろんのこと、海洋生物の生態系に異変が起き多数の絶滅種が発生する可能性があるのです。
地球の歴史で考えると現在は氷河期に向かっていると言われていますが、
現在の温暖化がこれまで繰り返して来た歴史の流れを変えてしまうのでしょうか?