待たれる春!
カテゴリ: 科学、自然
公開日:2022年03月30日(水)
待たれる春!
春はあけぼの。やうやう白くなりゆく、山際少しあかりて、紫だちたる雲の細くたなびきたる。言わずと知れた清少納言の枕草子の第一段です。
高校の古文で習ったのが最初の出会いかと記憶します。
四季を描いた小気味の良い文章は描いてある様が目の前に現れるようで、平安時代の日本も四季の現れ方は基本的に同じだったのかと推察されます。
東京は春真っ盛り、桜の花がすでに満開です。
少し家にこもった日々の後、外に出るとそこは光あふれ木々の花がこぼれ出て、生命力が噴き出た世界です。
春は本当に待たれたものがやってくる象徴です。
昔は今のように十分な暖房も照明もなかったから冬は閉ざされたくらい寒くて冷たい世界そのものだったのです。
だから春を人々は待ち焦がれていたでしょう。そして春は美しい花とともにやってきます。世界は色彩でいっぱいになります。
今、ウクライナの人々は祖国の春を待っています。破壊された町に暗い色の武器や戦車、そこには命の危機があり、命の喜びが閉ざされています。
停戦への交渉がトルコでなされていますが、前途は多難のようです。世界中の人々が春を満喫できるように早くなってほしいと願うばかりです。