ミラーレス一眼カメラの世界!
ミラーレス一眼カメラの世界!
和服もメガネも最盛期には莫大な需要があったのに現在の市場規模は10分の一以下になっているようですが、カメラの世界も相当落ち込んでいます。
2012年がレンズ交換式デジタルカメラ最盛期でしたが、世界の出荷台数は2015万台、それが2020年には530万台まで落ち込んでいます。日本では一眼レフカメラといえばキャノンとニコンが代名詞だったのですが、ミラーレス一眼カメラが出現してから業界地図が変わっています。
一眼レフカメラとは撮影用レンズの入射光を光学式ファインダーに導くために反射ミラーを組み込んでいますが、ミラーレス一眼カメラは反射ミラーの代わりに電子ビューファインダーや液晶ディスプレイを通じて像を確認しています。
ミラーレス一眼カメラを最初に販売したのは2008年のパナソニックでした。
ミラーレスは小型化や軽量化が出来るのですが、電子ビューファインダーの表示の遅れ、動いている被写体にピントを合わせる動体AFの速度、発熱による動作の不安定化などの課題も抱えていたのです。
ここで登場するのがソニーです。同社は2006年に当時のコニカミノルタホールディングスのカメラ事業を引き継ぎ、一眼レフカメラでキャノンとニコンの市場シェアを切り崩そうとしたのですが上手くいきません。そこで目をつけたのがミラーレス一眼カメラでした。理由はソニーがビデオカメラなどで培った動画技術や画像センサーの強みを持っていたことです。2013年に世界初のフルサイズミラーレス「α7」を発売し、2018年にキャノンとニコンが参入するまで100%近いシェアを握っていたのです。
2020年のミラーレス一眼カメラは全体の50%を超えました。
単に世界のミラーレス市場としては、ソニーが35.3%、キャノンが32.2%と首位を競っていますが、プロや上級者が主に使用する高性能な「フルサイズ」機に限ると、ソニーが54.2%、で断トツです。2位はキャノンの27.5%ですが、ニコンは15%と低迷しています。
今後、特にニコンの巻き返しが予想されますが、少なくとも日本勢の強さは維持されるでしょう。
日本の技術力のすごさを垣間見ることが出来る典型的で面白い業界だと思います。