メタンハイドレードとシベリアの巨大クレーター!
メタンハイドレードとシベリアの巨大クレーター!
ロシア北極圏の永久凍土には大量のメタンハイドレードがあることは以前から指摘されていました。
石油や石炭に代わるエネルギー源としてこのメタンハイドレードを如何に採取するかについては、
日本も含め各国で研究されていますが、現在のところ商業ベースでの採取方法について目処が
立っていません。
そもそも、メタンハイドレードは低温かつ高圧の条件下でメタン分子が水分子に囲まれた固体で、
別名「燃える氷」とも言われています。
地球温暖化が進む中、2013年に巨大クレーターが発見されて以来、ロシアのツンドラ地帯では
クレーターが出現し、昨年画像の通り17個目のクレーターが発見されました。
現地調査を行ったロシアの研究チームの発表によれば、これらのクレーターは隕石の落下による
ものではなく、、地下にたまったメタンガスが噴出し、氷や岩石を吹き飛ばして形成されていたものだ
そうです。別の見方をすると、地中の奥に存在するメタンハイドレードのメタン分子が何らかの条件で
水分子から逸脱してメタンガスとして溜まり、最後に地上に噴出したものと考えられます。
このメタンは石油や石炭に比べ燃焼時の二酸化炭素排出量がおよそ半分であるため、地球温暖化
対策としても有効な新エネルギー源ですが、今回のようなメタンガスの噴出を放置すると、大気の
温室効果を促進し、気候変動にも多大な影響を及ぼすといわれています。
日本を取り巻く海底にも大量のメタンハイドレードが存在していますので、何らかの理由でメタン分子が
海中に流れ出すと大気汚染につながってしまいます。
現在大気の環境問題としては二酸化炭素が注目されていますが、実際はそれだけではなさそうです。
メタンハイドレードのエネルギー化については、日本が研究の最先端にあるともいわれていますので、
ピンチをチャンスに変える意味でも、早期に実用化を実現して欲しいものです。