ダークマターの存在が証明されるか?
カテゴリ: 科学、自然
公開日:2021年02月10日(水)
ダークマターの存在が証明されるか?
ブラックホールの可視化については昨年成功したとの報道がありましたが、宇宙を膨張させていると
いわれるダークエネルギーと重力によって宇宙空間の相互作用を維持しているダークマターについては
可視化どころか存在すら確認されていません。
この状況下、今月9日に高エネルギー加速器研究機構と日本原子力研究開発機構が共同で建設した
大強度陽子加速器施設「J-PARC」で、新しいタイプの素粒子ニュートリノを探す実験がスタート
したのです。(画像はJ-PARC)。
これまで確認されたニュートリノは第1世代の電子ニュートリノ、第2世代のミューニュートリノ、
第3世代のタウニュートリノが確認されていますが、これらとは異なり、重力とだけ相互作用があると
される第4のニュートリノの存在が仮説として指摘されています。
今回の実験はまさにこの第4のニュートリノの存在を明らかにしようという試みなのです。
従来のニュートリノは質量が小さく、数百キロ飛行しないと発生しませんが、1電子ボルト(水素原子の
十億分の一)程度の大質量を持つ第4のニュートリノは数十メートルの短距離で起きるとされています。
具体的には加速した陽子を水銀に衝突させて大量のニュートリノを発生させて、24メートル離れた
装置で観測するのですが、3年後をめどに存在の兆候を見つけることを目指しているそうです。
第4のニュートリノが見つかると、ダークマターの存在証明につながるかもしれません。
大いに期待して結果を待ちましょう!