クエーサーとブラックホール!
クエーサーとブラックホール!
ブラックホールは有名ですが、クエーサーを知っている一般人はあまりいないように思います。
英語ではQuasarと書きますが、これはQuasi Stellarの短縮形で、日本語では準恒星状と訳して
います。下記はNASAが12月に公開したクエーサーのイラストです。
光学望遠鏡で宇宙を観測すると、恒星かと間違えそうな極めて明るい星のような存在があります。
これがクエーサーで、巨大なブラックホールとの関連が欠かせない存在です。
活発に活動している銀河の中心部分を活動銀河核といますが、その奥には巨大なブラックホールが
存在します。ブラックホール自体は見えない存在なのですが、周りのガスや塵を吸い込んで、ガスや
塵は降着円盤と称する円盤を形成します。ガスや塵は吸い込まれるときに、ブラックホールの周りを
回りながら円盤を形成します。この円盤を降着円盤といいます。
クエーサーとは降着円盤を形成している活動銀河核の一種と、天文学者の世界では考えられて
いるようです。
降着円盤内では、物質同士の摩擦によって莫大な熱が発生するので温度が数百万℃以上にもなり、
物質が気体を構成する分子が電離し陽イオンと電子に分かれて運動している状態になり、いわゆる
プラズマ化します。それによって降着円盤からはX線から可視光線、電波にいたるまでさまざまな
電磁波が強烈に放射されます。そして、場合によっては、この降着円盤の一部が細く絞られたガス流
として光速に近い速度で噴き出すことがあり、「ジェット」と呼ばれる現が発生します。イラストで銀河の
中心にあるクエーサーから銀河の両側に噴き出しているのがジェットです。
太陽系が属している天の川銀河にも巨大なブラックホールがありますが、過去にクエーサーの段階を
経験し、現在は中心のブラックホールに質量が供給されていないために、エネルギー放射活動が
終息した平穏な状態にあるそうです。
ブラックホールは大きく分けて二つのタイプがあります。一つは、自ら光り輝く重い星が、一生の最後
に爆発した後に残るブラックホール。もう一つは、たくさんの星の集まりである銀河の中心にある巨大
なブラックホールです。両タイプとも周りのガスや塵を吸い込むのですが、巨大なブラックホールの
方が当然吸い込む量は多く時間もかかります。タイプは別といて、ブラックホールが吸い込むガスや
塵が無くなったらどうなるのでしょうか?ここで登場するのがホーキング放射です。ホーキング博士
が提唱した学説で、ブラックホールはほんのわずかですが物質を放射しているらしいのです。
物質は突き詰めると粒子と反粒子が対になって現れ、くっつくと消滅することを繰り返しています。
ブラックホールの中に入った物質は出てこれませんが、ブラックホールの表面にある物質で粒子だけが外に向かい、反粒子は中に向かって中にある粒子とくっついて消滅することがあるのだそうです。そうすると外に出て行った粒子の分だけブラックホールは軽くなり、宇宙の年齢である138億年以上
の時間をかけてブラックホールは消滅すると考えられているそうです。全ての銀河で同じ現象が
起きると、全てのブラックホールが消滅し、その時が現宇宙の終焉なのかもしれません。
恐ろし先の長い話ですが、想像の世界が広がりますね!