カエデ(楓)とモミジ(紅葉)!
カエデ(楓)とモミジ(紅葉)!
秋といえば紅葉の季節で日本中至るところで美しい紅葉を見ることができます。
特に京都の寺院では芸術的な景色を楽しめるので、日本中から観光客が集まります。
新型コロナウイルスにもめげず、今年も沢山の方々が訪れることでしょう。
ところで、カエデとモミジの違いはどうなっているのでしょうか?
植物学的にはすべてムクロジ科カエデ属に分類され、モミジ属はありません。
英語ではカエデをMAPLEと称します。モミジは世界では認知されていないので、
JAPANESE MAPLEと訳されます。
カエデはカエルの手に似ているので名付けられました。モミジは古来使われていた「もみづる」と
いう、草木が色づく意味の動詞から名付けられました。日本ではカエデ属は27種ですが、
カエデの中で特に真っ赤に色づく種類をモミジと呼ぶようになった様です。
そのため、モミジは大別すると、イロハモミジ、ヤマモミジ、オオモミジの3種類しかなく
自生分布が異なります。
イロハモミジは福島県以西、四国、九州の主に太平洋側の山地に普通にみられます。
オオモミジは北海道から九州まで広く分布していますが、本州北部では太平洋側だけです。
ヤマモミジは本州北部の日本海側に分布しています。
カエデ属なのではっきりと違いを定義することは出来ませんが、強いて指摘するならば、
葉の数が5~7枚で切れ込みが深いものがモミジで、葉の数が10枚くらいまであり、
切れ込みが浅いものをカエデとしているようです。
画像は左がイロハモミジで右がウチワカエデです。
紅葉の色はカエデとモミジで異なるものではありません。
そもそも樹木の葉は黄色系色素のカロチノイドと緑の色素クロロフィルを持っています。
通常はクロロフィルの含有量が多いため緑に見えます。
秋になると、葉を落とす準備として、葉の付け根の所に離層というミゾができ、クロロフィルが
分解されてカロチノイドが残るので黄色く色づきます。典型的なのはイチョウでしょう。
葉に蓄積した糖類が紫外線を浴びることでアントシアンやタンニン系の色素に変化する樹木、
例えばカエデやモミジはそれぞれ赤や茶に紅葉するのです。
赤色のアントシアンの生成には、豊富な日光と夜間の冷え込みが条件となっています。
枝先の葉に比べ、木陰や葉陰の葉は日中の光と夜の冷え込みが不足しているので、
同じ木でも赤と黄色が現れるのです。
紅葉はなかなか奥深いですね!