NGC1097・昨日の復習!
カテゴリ: 科学、自然
公開日:2019年05月16日(木)
NGC1097・昨日の復習!
昨日。銀河の形について解説しましたが、一つ復習をしてみます。
NGC1097は「ろ座」の方向に約4500万光年反れた位置にあります。比較的近いところにあるので、宇宙物理学者たちの研究材料として有名です。
この銀河の全体画像は次の通りです。
この銀河にはいくつか特徴があります。
直径は約5000光年で、昨日の画像と照らし合わせると棒渦巻銀河であることがわかります。
中心には太陽質量の1億倍もある巨大ブラックホールが潜んでいます。
1992年から2003年の11年間で3つの超新星爆発が観測されました。
さらに、この銀河にはNGC1097ATONGC1097Bという小さい矮小銀河が存在しています。我々の銀河系の様な普通の銀河系には2000億~4000億個の恒星が含まれていますが、
上記の画像のように矮小銀河には数十億個以下の恒星しかありません。
さらに、この銀河の中心部を拡大すると次の画像になります。
その後、詳細な写真観測により、4本の幅の狭い宇宙ジェットが核から放射されていることが明らかになったので、セイファート銀河(活動銀河の1種)であることがわかったのです。この宇宙ジェットに水素原子が含まれていない為、矮小銀河を飲み込んだ残骸と推測されています。上記の2つの矮小銀河もいずれ飲み込まれるのかもしれません。形状は棒渦巻銀河であっって、今まさに活動しているセイファート銀河でもあるとは、銀河が生き物であることを証明するような凄い話ですね!