地震規模の表示方法!
カテゴリ: 科学、自然
公開日:2018年12月27日(木)
地震規模の表示方法!
地震規模を表示する方法としてよく知られているのは「震度」と「マグニチュード」です。その他に「ガル」と「カイン」があるのですが、TVなどの報道ではあまり引用されていません。「震度」、「ガル」、「カイン」は地震の大きさを表しますが、「マグニチュード」は地震そのものの規模を表します。強さは計測場所で変動しますが規模の「マグニチュード」の数値は変わりません。
「震度」を計測するために日本全国に計測震度計があり、そこから自動的に計算された計測速度から換算して気象庁が震度の大きさを発表しています。震度の階級は0~7までですが、5と6に弱と強を加えているので10段階になっています。この表現方法は日本独自のものであり、周辺国以外では使用されていません。
「ガル」は地震の加速度を表します。ジェットコースターなどに乗ったときに体に感じる圧迫感などを「○G(ジー)」といいますが、あのGもガルです。
「カイン」は地震動の最大速度で一秒間にどれだけ変位するかを表す単位です。1カインは1秒間に1cm動いたことを意味します。「ガル」と「カイン」の関係について補足すると、「ガル」はガリレオ・ガリレイの頭文字からとったもので、速度が毎秒1cm(1カイン)ずつ速くなる加速状態を1ガルとしています。地上で物体が自由落下するとき、落下する速度は毎秒980カインずつ増していくので、重力の加速度は980ガルとなります。
地震の大きさの指標として、最大加速度を用いることが多かったのですが、最近になって、被害状況が、最大加速度より最大速度のほうがより一致することが経験的に知られるようになり、地震の大きさの尺度として、最大速度(カイン)のほうがよく使われるようになりました。過去の災害の事例を見ても、100カインほどの大きさであった東日本大震災よりも、200~300カインほどの大きさであった阪神・淡路大震災の方が倒壊した家具や建物の下敷きによる圧死が多いという結果でしたので、現在建築業界では耐震設計上の基準として「カイン」を用いています。
震度とガル、カインの目安は次の通りです。
小地震、中震レベル
震度4: 40~110ガル程度、4~10カイン
中地震、強震レベル
震度5弱: 110~240ガル程度、11~20カイン
震度5強: 240~520ガル程度、20~40カイン
大地震、激震レベル
震度6弱: 520~830ガル程度、41~70カイン
震度6強: 830~1500ガル程度、71~99カイン
震度7: 1500以上、100カイン
「マグニチュード」とは地震によって発生したエネルギーの大きさを指す数値ともいわれています。その規模は―2から12までの段階に分かれています。地震の規模は、地下にある断層が割れた面積とずれた大きさに比例していることから、マグニチュードの数値が1増えた場合、地震のエネルギーは31.6倍になり、2増えた場合は、31.6×31.6の約1000倍になります。大まかな目安ですが、M6の場合、長さ約14キロメートルの断層が発生します。M8では約140キロメートルの断層がずれた地震に相当します。万が一、M12の地震が発生した場合は、ずれる断層の長さは1万4000キロメートルとなり、地球の直径の1万2800キロメートルを超えることから、地球は真っ二つに割れてしまう計算になります。上限がM12になっている理由がここにあります。