月の探査競争!
月の探査競争!
12月8日、中国は月の裏側に着陸する月面探査機「嫦娥4号」を世界で初めて打ち上げました。月の裏側は常に地球の反対を向いている為、直接信号を送れません。そのため、中国は5月に衛星「鵲橋)号」を打ち上げ、探査機と地球の間でデータや指令を中継できるよう月の軌道に投入しています。着陸は来年1月上旬の予定ですが、月の裏側は山が多く地形が険しいので、着陸には遠隔操作の難易度が高まります。これまで裏側に着陸機や探査機が接したことはないので、今回成功すれば、新たな歴史が刻まれます。特に注目されるのは、太陽光があたらない極域に分布するとされる大量の水や氷の存在です、何故なら、飲み水や野菜の栽培、ロケットの燃料としても使えるからです。さらに、核融合発電の燃料となる「ヘリウム3」も豊富にあるかもしれません。この探査機の先に、中国政府は宇宙開発計画に巨額の資金を投じ、2022年までに有人宇宙ステーションを保有することや、最終的に有人月面着陸を実現することを目指しています。
一方、米国のトランプ大統領は昨年末、国際宇宙ステーション(ISS)とは別に、月を周回する新たな宇宙ステーションの建設を指示しました。宇宙飛行士を滞在させて、再び月面に降り立つ構想です。そして、将来的には火星探査の中継基地としても見込んでいます。
日本は2007年、「アポロ以来の大規模探査」と言われた探査機「かぐや」を打ち上げ、地形や地下構造を詳細に調べました。その後、次の計画がなかなか進んでいませんが、中国に先行さされたのこともあり、2021年には月面着陸をめざし、開発費148億円をかけた探査機を打ち上げる予定です。ロシアやほかの国も黙っていないのではないでしょうか?